髪の毛が抜け始めました。
1月6日。
ブログを書き終わって、「なんか頭がかゆいな」と頭をかいていたら、
膝にパラパラと髪の毛が落ちてきたんです。
「わぁ」と思いました。
ついに来たんです。
女性の皆さんは髪が命なので、受けるショックはよくわかります。
ただ私は男です。
こんなことぐらいでいちいちショックを受けていたら、アナウンサーなんて務まりませんし、闘病どころではありません。
そこで、かなり早いタイミングから
「髪の毛が抜けるのを楽しみにしよう」と、
気持ちを切り替えました。
まずは散髪です。
病院内の床屋さんには、抗がん剤を理由に一日一人は、がん患者が散髪に来るそうです。
問題は、抜ける前に、どれくらい短くするのか?
丸刈りにするのか?
少し長めにするのか?
皆さんとても悩むそうです。
スポーツ刈りのように短くしすぎると、抜けた時に、針のような毛がチクチク刺さって痛いという話も聞きました。
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ちょうど「とくダネ!」の取材が来ていたのですが、
仲の良いスタッフは「丸刈り頭」を期待していたようで、ちょっとつまらなそうでした。
よけいなお世話ですよね。
1度中途半端に短くした後、翌日に
「やっぱり、もっと切ってください」とやってくる患者さんも少なからずいるそうです。
髪が全部抜けるとわかっていても、自分の髪とお別れするのは、やっぱり抵抗があるんですね。
私の場合、抗がん剤を打ち始めて15日目に髪の毛が抜け始めました。
極めて一般的。
床屋さんからもらったヘアキャップの試供品を用意しておいたので、
それから毎日被ってます。
髪の毛が散らかった時は、
妻が事前に買っておいてくれた「コロコロ」で簡単に掃除ができました。
今日は抜け始めて3日目ですが、衝撃的なのは「風呂場」です。
頭を洗っているとドサドサ抜けくるんです。
心待ちしていた私でも、ちょっと焦るんですよね。
ホラー映画で「仄暗い水の底から」という濡れた髪の毛がバンバン出て来て、恐怖の題材に使った映画があるのですが、ああいうのを思い出してしまうんです。
風呂上がりはが、また大変です。
バスタオルで頭から拭くと、髪の毛が散って全身にへばりついてしまう。
ドライヤーで乾かしても髪の毛が飛び散ってしまうので、
考えた結果がこれ。
銭湯帰りのおばちゃん(笑)。
でも、実際やってみると
「これは合理的な乾かし方なんだな」と今更ながら気づかされました。
今日、父の介護で忙しい合間をぬって、80歳の母が初めて見舞いに来てくれました。
「会ったら泣いてしまう」
と、電話で言うので、母には「泣き顔禁止令」を出しました。
入院3週間で、始めて会った母。
やっぱり、嬉しかった。
息子との約束を守ろうと、母は一生懸命、涙をこらえていました。
私がヘアキャップを被ってる姿を見て、「やっぱり、病気なんだな」と再認識したそうです。
Instagramにもこの写真をあげたのですが、
このヘアキャップ姿に関して、
まるで、「大黒様」「恵比寿様」「黄門様」みたい。
色んなご感想いただきました。
(撮影:石川正勝)
思わず笑っちゃいましたが、いずれにせよ「○○様」と「様」がつく人に見えるって、
いいですよね。
この茶色の使い捨てヘアキャプ、当初は「ちょとダサいかな?」とも思いましたが…
悪くないね。