昨晩は、年末から楽しみにしていた新春スペシャルドラマ「教場」の放送がありました。

堪能しました。

期待通りの仕上がりでした(上からすぎます?)。

 

 

 

 

2時間にわたって、体調不良を忘れてしまうくらい巻き込まれていた自分がいました。

気付けば、腰が痛いはずなのに2時間椅子に座って観ていたんです。

夜のテレビは、だいたい途中ベッドで横になるんですが、自分がどれだけドラマに集中していたかがわかりました。

 

 

「教場」は警察学校の内情を描いた同名のベストセラー小説を原作としています。

私は読んでいないんですが、

ドラマ版は学校で学ぶ警察官の卵たちの群像劇となっていました。

 

 

青春群像劇?と思いきや、キャラの強い登場人物ばかりで(大島優子さんが光ってた)、生徒個人や生徒間で次々事件が巻き起こるミステリー仕立てとなっていたんです。

 

この難問に立ち向かうのが、木村拓哉さん演じる鬼教官・風間公親(かざま・きみちか)

昨日の前編(第1夜)は全編を通じて全く緩みのない展開でした。

校内で次々と起こる事件が簡潔にテンポ良く描かれ、それを風間教官が「生徒指導」とという形で、圧倒的威圧感と残酷性で鮮やかに対応していくのです。

長時間ドラマにあるようなミステリーを引っ張るということを一切しない、その潔い展開が、見る者を巻き込んでいったと思います。

 

言ってみれば警察学校で巻き起こるミステリーやサスペンスの短編的集積といっていいドラマなんですが、それを1本につないでいるのが主人公の風間教官でした。

 

木村さん演じる風間教官は、テレビを見ている者にも緊張を強いるような迫力だったので、まるで自分が警察学校の授業を受けている1人のような感覚に陥ってしまった方もいると思います。

 

個人的な感想ですが、これまでの木村拓哉さんの芝居の魅力というのは、終始クールな演技の中に一瞬垣間見せる 微笑みだったり、ハニカミだったり、優しさだったり、ちゃめっけだったり、一般的に言う「ツンデレ」という部分を絶妙なポイントで出すことによって見る者を惹きつけるところにあると思っています。

 

ところが、今回は白髪で義眼、しかも常にサングラスをかけているという、かつてないアプローチで役作りをしてきました。

これまでの自分の武器を封印するかのような、中江功監督と木村さんの新たな挑みと覚悟を感じました。

実際、「第一夜」は、鉄仮面のように、一瞬たりとも表情を緩ませることはありませんでしたからね。それがまた良かった。

 

さて今晩は、後編(第2夜)です。

この作品のもうひとつの特徴は、作品全体を通しての柱となるストーリーがないところです。

通常は、前後編を貫く物語をベースに作って、引っ張りとして、後編につなぐものですが、唯一、「風間教官の過去は?」というブリッジだけで後編にバトンを渡す君塚良一さんの脚本にも、相当期間、原作と格闘した苦労が垣間見えるのです(原作読んでないので、想像ですけどね)。

「第2夜から観ても十分わかりますよ」という、

これは計算なのでしょうか?

だとしたら、それも凄い。

 

さて、今夜の笠井的注目点は、果たして、木村拓哉さんは、風間教官は、最後まで微笑みひとつ見せないのか?

 

定石通りに考えればラストシーンは卒業式ではないでしょうか?

「ポリスアカデミー」だって「愛と青春の旅立ち」だってそう。

 

 

あ、たとえが古い?(笑)

なら「ハイスクール・ミュージカル」だってそうです。

しかも、コメディ、恋愛、ミュージカルと、ジャンルは違えど卒業シーンは感動がつきもの。

 

 

 

そこで、私は、最後の最後に木村さんは「伝家の宝刀」を抜くと見ています。

それが笑顔なのか、照れ隠しのなか、それとも生徒に見せる優しさなのか?

そこまでは判りません。

しかし、風間教官が心の奥底に隠していた何かを表現するのではないかと思うのです。

 

さあ、中江監督と木村さんの結論はどこにあるのでしょうか?

そんなことを考えると、今夜、増々楽しみになってきます。

 

あ、ほんとに、マジ1円も貰ってませから(笑)。

 

 

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       これから見るか方のために…