1月22日、土曜日の夜、通天閣のてっぺんにある天気予報が青色(雨)と赤色(曇り)の表示になってました。
案の定、翌日、1月23日はせっかくの日曜日なのに、一日中、雨でした。
大阪府に、まん延防止等重点措置が発令される前、最後の日曜日だったので、少しは忙しくなるかと期待していた飲食店もあったと思いますが、寒いと雨のダブルパンチで、大きく期待が外れたようです。
先日、新世界に新しくできた飲食店の店長と話をしていたんですが、オープンして半年ぐらいなので、新世界はいつが忙しくなるのか、一年のサイクルが解らないとおっしゃってました。
近隣の飲食店のスタッフから、『正月は忙しいから頑張りや!』と声をかけられたそうですが、どのぐらい忙しくなるのか想定できず、結局、人手を揃えることができずヘトヘトになってそうです。
ましてコロナ禍にオープンしたので、新世界の本格的な賑わいを知らないでしょう。
確かに、長い年月、新世界でお店をしていたら、一年の中で忙しさのサイクルが解り、傾向と対策をしやすくなります。
さて、一年のサイクルもありますが、それとは別に、新世界が一気に暇になる日というのがあるんです。
急に寒くなったり、一日中雨が降ったり、そんな時は人通りが減り、客足の落ち込みが大きい傾向があります。
もちろん、どこの街でも雨なら少しは人通りが減るのは当たり前ですが、新しい飲食店の店長さんは、『寒くて雨の日の新世界の落ち込みは大きすぎて驚きました』とおっしゃってました。
昔から、新世界は数々の駅に囲まれた、交通の便が良いのが特徴です。
路線図をみると解りやすいですが、JR『新今宮駅』、地下鉄『動物園前駅』、地下鉄『恵美須町駅』、南海高野線『今宮戎駅』、それに阪堺電車『恵美須町駅』が新世界の最寄り駅です。
梅田や難波、天王寺なども幾つもの駅が集まってますが、それらは乗り換えをするのに必ず通るターミナルであり、寒くても雨が降っても日常的に通る場所です。
しかし、新世界の場合はターミナルではなく、新世界に行くという目的がある人にとってはすごく便利な最寄り駅に囲まれています。
だから、寒すぎたり雨が降ったりしたら、新世界に来る人が一気に少なくなるんです。
ただし昔は、西成から労働者の方がたくさん遊びに来られていた頃は、タイミングよく朝から雨が降ったら、仕事が休みになるので、逆に忙しくなる日もありましたが。
生前、私の父も『新世界は駅に囲まれて便利な街やけど、ターミナルと違うから、急に寒くなる時、雨が降る日は弱いんや。新世界を潰すには刃物はいらん、雨の3日も降ればいい』などと言ってました。
この特徴を理解するのには、新世界でお店を始めてから、ちょっと年数がかかるかもしれませんね。
そんな特徴がある新世界にとって、新世界及び周辺地域にホテルやゲストハウス、民泊などの宿泊施設が増えたことは大きな効果がありました。
遠方から来られて、一定期間、滞在してくれる人が増えることは、観光産業だけでなく、一般の飲食店や物販店に至るまで、利用する人が増えることになります。
特に外国人観光客は長期滞在する人も多く、宿泊施設の周辺が生活の場にもなってました。
コロナ禍が続き、まだまだ宿泊施設は厳しい状況ですが、一日も早くコロナが収まり、宿泊施設を利用する人が増えることを願うばかりです。
経済学、社会学の専門家ではないので、あくまでも私の経験で書いたものですが、新世界でお店を始められる方の参考になれば幸いです。