卒園式は10時から体育館で行われる。
保護者は9時半に直接体育館に向かう。
年中、年少は休みだが、ジュアンは在園生代表で送辞を読むことになっていて、いつもと同じ時間に登園する。
ジュアンの他にも卒園生代表に花束を渡す子や、歌を歌う子等数人が今日は登園する。
そんなわけでいつもよりも少ない人数の登園風景。
それでも年長さんたちは寒さに負けず元気に登園したいた。
「あ、ソミンちゃん!」
ジュアンが目敏くリュ・ソミンを見つけた。
今日はファンが送りに来たようだ。
「ソミンちゃん、ファンおじさん、おはよ!」
「ジュアン、セナ、ジェホンおじさん、おはよ!」
「……おはよう。」
「お?セナは元気がないな?」
ファンが笑った。
「そ、そんな事ないよ……。」
慌てて否定するが、セナ様は卒園後、別の小学校に進学するソミンと離れ離れになることが一番淋しいのだと言っていた。
《最後の登園となるセナ様はいつも通りにお友だちと元気に園舎に向かいます。
セナ様はこの学舎で過ごした三年間を思い出しているのでしょうか?》
今日は幼稚園が後日販売する卒園式の様子を収録したDVDの撮影の他、皇室チャンネルのカメラもある。
「卒園、おめでとうございます。今、どんな気持ちですか?」
DVDのカメラマンが登園してきた子供たちに質問する。
「ジュアン、卒園しないよ?ジュアン、年中さんだもん。年中さん代表で来ただけだもん。」
セナ様とソミンちゃんに訊ねているのだろうが……答えたのはジュアンだった。