「それは先生だからできるんですよ」

たまにこんなことを言う生徒がいます。
その言葉には
自分じゃ出来ないという“決めつけ”と、
今まで生きてきた経験から弾き出す
“計算”があるんだと思います。
その人の経験上、それはキャパシティを超えている話だと。。

何かを得たいならそんな意識を取っ払うことが必要だと言っても間違いではないと思いますが、僕はそれを押しつけないようにしています。

僕が焦らないこと。僕が導き出した答えを振りかざさないこと。
それは誰にもすぐに受け入れられるものではないから。
そして何よりも、僕も昔は「それは先生だからできるんですよ」と思っていた人だったから。
かっこ良いプロドラマーを見ても同じように思っていました。

僕は10代の頃、Red Hot Chili Peppersの
チャドが大好きでした。
当時はユーチューブなんて無く、VHSのライブビデオを買って何十回と観ていました。

でもそんなに憧れていながらも僕はチャドの真似をしませんでした。

理由は
「これは一流の人だからできるパフォーマンスなわけで僕が真似できるようなことではない、世界が違うのだからあくまで鑑賞でしかない。それ以上の関係はない」

僕のドラム人生の中の15年は“後悔だらけ”とも言えてしまう時間でしたが、
その中の一つがこの「世界が違う」という思いです。

なんで自分を勝手に決めつけるんでしょうね。
なんで計算するんでしょうね。
「あんなことお前には無理だ」
そんなことは誰からも言われたことないのに。
自分が自分に言ってしまう。
そんなに傷つきたくないのか?
できる限り無駄なことをしたくないのか?
そんな決めつけに意味はあるのか?無いのか?

それは誰にも分からないけど、少なくとも100点なんて取る必要ないんですよ。
いや、点数なんて要らない。
やりたいか、やりたくないか、それだけ。

タイムスリップしてあの時の自分に会って「本当はどうしたいの?」と聞いてみたいです。

本当の自分の奥底にある気持ちの声を聞いてみたい。正直を聞いてみたい。