神経症なんて怖くない | No panda,No life ★ OSAKA

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たまにまじめネタ、基本はおおさか・うろうろもぐもぐのゆるーいブログです。

早いもので、今年も残りわずかとなりました。
一年はあっという間ですね。

たわいも無いことしか書かない私のブログに訪問頂き有難うございます。

今年もいくつか心理療法についてブログを書いて参りましたが、少しでも皆様のお役に立てたとすれば幸いと思っております。

さて、先日、初めて来られたクライエントが、「私は幼い頃から今と殆ど変わらない言動をしています。昔はそれによって嫌われたことが無いのですが、今は周りの方にとても嫌われています。私の周りの方に理解が足りない方が多いのでしょうか。」と言われました

私に対する相談は、そのことで自分自身の立ち位置がわからなくなり、それから鬱状態が続いているというものです。

その方と色々と話しているうちに私が感じたのは、それは鬱の症状ではないということです。
ご主人との事、お子様との事、そして周りの方々との事、お話を聞いているうちにそう感じました。

私の所に来られる前には、色々と鬱やそれに類似する書物を読まれたらしく、「鬱を治して下さい。」とも言われました。
「それは医師の診察結果ですか?」とお伺いすると、きっぱりとした口調で「病院には行っておりません。私の判断です。間違いありません。」との事でした。

これは、私が思うにはっきり言って、我儘が非常に強く出ている状態に他なりません。

では何故、彼女はその様に自己判断を下したのでしょうか?

最近、マスコミ等が“仮面鬱病”、“かくれ鬱病”という言葉を記事にしています。
「職場などでそういったことにならないように気をつけましょう。」
「周りがその様な方を発見したら優しく見守りケアをしましょう。」
職場で一部の管理職の方に、メンタルヘルスケアの資格を取るように勧めています。

世の中が、心の健康について取り組もうとする事はいい傾向だとは思います。
しかし、マスコミの情報は全てが尻切れトンボで、情報を知る上ではよいのですが、内容を鵜呑みにすることはとても危険です。
鵜呑みにしたり、間違った判断をすることで、誰でも前述の彼女のようになります。

私は以前から何度もブログに書いておりますように、“鬱は病気ではない”と思っております。

驚くことに、私がウン十年前に、自律神経失調症から来る鬱病と診断された頃と現代を較べてみると、今は病名と新薬(SSRIなどの向精神薬)が増えただけで、治療方法そのものは、現在に至るまでも何も変わっていないのです。

それどころか、なんでもかんでも病名をつけるのは当たり前で(勿論病名をつけないと薬を処方させない厚生労働省の指導が悪いのですが)、安易に薬を処方することの恐ろしさをわかっていないのではないかと疑いたくなります。
薬を作っている国は自国での使用に大掛かりな規制をしているのですが、輸入しているわが国はザル状態です。
このことにより、多くの神経症に悩まれている方々が被害を被っていることも事実です。

例えば貴方が体調が優れず病院へ行ったとします。
その時に「気のせいです。」と言われたほうが良いか、「貴方は軽い鬱状態です。」と言われた方が良いか。

一体どちらが良いでしょう?

私はどちらも賛成できません。

ある方は「気のせい」と言われただけで気持ちが楽になり、すっかり気分が良くなるでしょうが、別な方は「なんと無責任な」と思い、又、別な病院に行き、それで納得の出来る診察でなければ、次々に別な病院を探すことになり、実は病気ではないのに、気にするあまりご自身で病気を作ってしまうことになりかねません。
又、「軽い鬱状態です」と言われてほっとする方もいらっしゃれば、「やはり病気だったと」この世の終わりのように感じられる方もいらっしゃいます。

簡単に病名をつけることに私は大反対です。
勿論何の説明もなく「気のせい」と一言で片付けるのも反対です。

医療機関やそれに携わる方々は、その様な相談で来られた患者さんにもっと気を遣って頂きたいのです。

その様な相談をしようとするときは、他の方々から見て大したことが無いと思えるのですが、本人にとっては一大事で、気持ちもとてもナイーブになっています。
例れば、その時の心身は薄いガラスの様なもので、ほんの小さな物音でもひびが入ってしまうほど脆いのです。
ですから、壊れ物を扱うような繊細な対応をしていただければ、薬など殆ど必要ないものと考えています。

素人の生兵法も怖ければ、医療機関の病名の乱発も非常に恐ろしいと感じます。

さて、先日も「全国の教職員の約5000人が鬱状態で休職をしている」と言うニュースが報道されました。
これは全教員数の0.5%ですから、数値としてはさほど多いものではないかもしれませんが、やはり一人でも多く職場に復帰して頂きたいものです。

私は以前から提唱していますように、なる前に未然に防ぐことを考えなければならない予防が大切だと思っています。

鬱をはじめとする神経症も、元に戻るのは本来は簡単なことなのです。
それは信用できる医療機関やセラピストを見つけて、後は自分の自然治癒力を信じて症状に挑めば簡単に克服できます。

しかし、もっと簡単なことはそうなる前に、神経症のメカニズムを知っておくことです。
そうすることにより、神経症そのものに不安がなくなります。不安がなくなれば神経症になどになるはずがありません。

本来神経症は怖いものではありません。

只、ほんの少し心身のボタンを掛け違えているだけです。

腹式呼吸をしながら頭の中で「何も気にしない」と呪文を唱えてください。
腹式呼吸?と思われるかも知れませんが、試してみて下さい。
それだけで心身が落ち着き、視野が今まで見えていたものよりもっと広がりますよ。



ほな!