百英雄伝
ストーリーの不満点もこれで最後
④物足りない過去作オマージュ
今作は、明らかに過去の『幻想水滸伝』シリーズを意識したシーンがいくつもありました。
ノアとセイの対決は、『Ⅱ』の主人公とジョウイの対決ですし、
アンデッドに支配されるヤールナーンは、『Ⅰ』『Ⅱ』のアンデッドに襲われる村のオマージュでしょう。
他にも、
・戦争の口実とするため村や自軍を襲う自作自演
・平和な時代であれば名君だっただろうが、戦争時にはその優しさがかえって仇となってしまった人物
などがありますね。
プレイ記でも触れましたが、ノアとセイの対決はPVでもかなり強調されており、ものすごい名シーンになりそうだとワクワクしていました。
しかし、
本家の『Ⅱ』が、
・幼馴染の親友同士で、ふたりがどれだけ親しいか回想や台詞で何度も強調されている
・ジョウイは都市同盟の盟主アナベルを暗殺するなど、もはや簡単には後戻りできない道を進んだ
・袂を分かったまま、条件の厳しいベストEDに到達しないかぎり仲間には戻らない
と、かなりハードだったのに対し、今作は
・半年前、ちょっとした任務で一緒になり仲良くなっただけの関係
・セイは十分に引き返すことが可能(事実、わりとあっさりノアに合流した)
・中盤以降ずっと仲間
と、非常にソフト。
ちょっと拍子抜けでした。
これ、あまりにも対決のシーンに力を入れ過ぎた故に、かえって肩透かしを食らったといったところですね。
他にも、
・過去にひとつの街を滅ぼしたという情報があり、今回も女の子をさらっていったネクロード
↓
・犠牲者がほぼでなかったヤールナーン
・民の事を考え降伏したものの処刑されたグランマイヤー
↓
・民を見捨てて真っ先に逃げ出したサラス
と、明らかに過去作よりもスケールダウンしているというか、劣化しているものばかり、せっかくセルフオマージュをやるならもう少し工夫をしてほしかったところです。
⑤軍師の活躍が弱い
もしかしたら敗退するかも、ということを予想しながら退路を確保しないという致命的ミスを犯すマールリッジさん。
そもそも登場が遅く、活躍の場が少ない。
とはいっても。
『Ⅰ』のマッシュ先生は元ネタである『水滸伝』の呉用軍師にあわせて意外とつめの甘いところがあり(偽の許可書を見破られて犠牲者が出る、少し様子を見るつもりで大敗など)、
『Ⅲ』のシーザーも、まだまだ未熟ということが強調されていたので、
シリーズ全体でみると優秀な軍師は『Ⅱ』のシュウだけだったりするんですよね。。。
それを考えると、平均的な軍師だったのかもしれません。
いろいろ書きはしましたが、総合的に見れば平均よりうえのゲームだとは思いますし、
もし続編がでるなら買うとは思います。
ただ、やはりいろいろブラッシュアップしてほしいところではありますね。
これにて、『百英雄伝』の記事は終了といたします。