EVE ghost enemies

 

ネタバレありで感想をつぶやきます。

ネタバレNGのひとはバックしてください!

 

今作は、大きく分けて前半と後半の二部構成となります。

前半は、「EVEシリーズ」を知る人なら思わずひっかかる仕掛けが施されています。

それは、

「小次郎編とまりな編は1年の開きがある」という点です。

「EVEシリーズは、同時系列で別々の視点を描く」というのが基本であるため、先入観があるとなかなか気づかないかもしれません。

とはいうものの、どちらかのパートをロックするまでやってからパート移動をすると、この仕掛けはすぐにわかるのが難点。

自分は小次郎編→まりな編でプレイしましたが、

まりな編の冒頭で登場する精神に異常をきたした男・恵川陣は小次郎編で新兵器「ゴーストエネミーズ」の効果で精神を破壊された人物です。

しかし、小次郎編で恵川が精神を破壊されるのは12/5なので、12/1のまりな編ですでに精神が壊れているのはおかしい……と、ここでだいたいの仕掛けに気づきました。

もっとも、小次郎編では恵川の顔は出ず(まりな編では少しだけ出てくる)、下の名前も不明だったため、「小次郎編の恵川=まりな編の恵川陣とは言い切れない(兄弟などの可能性もあり)」と確信はもてませんでしたが。

この仕掛けを存分に楽しむ(つまり、あえて引っかかる)には、「それぞれの1日目をプレイ後に、ロックに関係なくパートを切り替える」という方がいいかもしれませんね。

 

インターミッションを挟んで後半はまさにいつもの「EVE」。

まりなは大学で、小次郎は南海の孤島で、それぞれあるAIと接触することになるのですが、

お互いしらないまま、ネットワーク越しに意図せずして協力することになります。

これは、第一作の名シーンとして名高いハッキングシーンのオマージュですね。

他にも、他人を寄せ付けない少女と交流し、だんだんとその心を解いていくまりな、

エキゾチックな美少女と深い関係になる小次郎など、

第一作を意識した展開が続きます。

 

このように、本作は第一作を強く意識しながらも、それに捕らわれずあらたな「EVE」を作ろうとした作品ではないかと思います。

今作は全体的に評判も良く、新たな「EVE」としては成功していると言っていいでしょう。

しかし。

このままシリーズが続いていくとして、

さすがに、いつまでも第一作をプレイしていることを前提にしていくのは先細りしてしまうでしょう。

かといって、主人公を変えたり、あるいは時代設定を変えたりしたら、それはそれでいままでのファンが離れてしまう恐れがあります。

このあたりの調整は難しいでしょうね~。

今後、どのようになるのか注目したいシリーズです。