蒼き革命のヴァルキュリア
総評です
評価:75点
オススメ:★☆☆☆☆
いろいろと悪く言われることの多い作品ですが、個人的には楽しめました。
ストーリーはすこしクセはありますが、重厚な内容で圧巻です。
戦争を、正義とも悪とも描かない。
どちらの要素も持ち合わせており、
できればないほうが良い物ではあるが、きれいごとだけではどうにもならないことがある……。
戦争を単純な善悪論・道徳論ではなく正面から描き切ったことは賞賛すべきでしょう。
また、経済や世論調査、政治といったものもきちんと描いており、
戦争=武力のぶつかりあい、ではなくまさに国と国とのぶつかりあいであるということを思い知らせてくれます。
「主人公たちは間違いを犯したけど、結果はよかったし反省しているから許されてハッピーエンド」
ではなく、きちんと罪を償う形で、大罪人として歴史に悪名を残すことになる、
というのも高評価です。
シーンを盛り上げるBGMも良曲が多く、魅力的です。
と、ここまでは褒めてきましたが。
やはり、悪いところも多いです。
アクションはもっさりしており爽快感にかけ、
ザコ敵は弱いわりに、ボスは強い(というより硬い)などバランスも悪い。
ボスが強いのでレベル上げのためにフリーミッションを多くこなす必要がありますが、
そのミッションも似たようなマップ、似たような内容が多く飽きてきます。
終盤は推奨レベルが一気にあがり、
「長いダンジョンを抜けて戦うボスが範囲即死攻撃を仕掛けてくる」という初見殺しがあるなど、
難しいとか敵が強いというより、
「いやらしい」「めんどくさい」「やり直しがだるい」というような状況になってストレスがたまります。
また、評価点であるストーリーも、
「ひたすら長いムービーを見せられる」
という問題があります。
ムービーは全スキップしかできず、早送りや部分スキップは不可となっています。
しかも、ムービーは動きが少なく、ムービーを見ているというよりドラマCDを聞いているような気がしてきます(幸か不幸か、声優さんはみな実力派ばかりで聞きごたえがあります)。
もともとひとを選ぶストーリーで、これですからね……。
このゲーム、
ラスボスを倒したことを示すトロフィーの獲得率が11%程度(2022年2月時点)であり、
かなり多くのプレイヤーが途中でゲームを投げてしまったことがうかがえます。
やはり、こういった問題点故でしょうね。
そのため、
個人的には好きだがひとにはすすめないゲーム
として評価します。
次回より
「9時間9人9の扉」のプレイ記を開始します。