引き続き、初代イース(PC88版)
初代イースはアクションRPGでありながら、アクションとしては極めてシンプルで、
敵キャラに対して体当たりを仕掛ければそれが攻撃となります。
多くのアクションRPGのように、剣を振るというような動作は必要ありません。
これは、必ずしもイースが初というわけではなく、
同じファルコム製のソーサリアンなどでもおなじようなシステムが採用されていました。
これは、当時のPCは基本的にキーボードくらいしか標準装備がなかったため、
キーボードでもプレイしやすいように……という配慮でした。
ちなみに、ソーサリアンなどではジャンプ操作などがあったことを考えれば、ジャンプなどのないイースはとくにシンプルだったと言えるでしょう。
操作はシンプルな物の、けっして簡単というわけではないことは前回述べたとおり。
シンプルな操作ながら、緊張感が味わえます、
●ボス戦
イースといえば、ボス戦(デカキャラ戦)でしょう。
近年の次々と多彩な攻撃を繰り広げるようなボス戦ではなく、基本的にパターン通りに動くボスばかりですが、
「パターンを見切り、ダメージを極力受けずに攻略する」という詰将棋のような、渋い戦闘が楽しめます。
イースは基本的にどこでもセーブができるので、ボス戦前(わかりやすく大きな扉の中です)にセーブし、
やられたらすぐにやり直すのが基本。
なんどもやっていくうちに、最適解が見えるようになっていきます。
レベル上げでごり押しすることはできないものの、「プレイヤーとしての技量がレベルアップ」して勝てるようになっているのです。
このあたりのさじ加減はやはり絶妙ですね。
●アドルの台詞
最近シリーズしか知らないと驚くのは、
「アドルが意外としゃべる」
ことです。
多いというわけではありませんが、ちゃんと台詞があるのです。
フィーナ救出のような重要場面のみ……というわけではなく、盗賊のアジトで「こわいから話しかけない」を選んだ時に、誤魔化しの台詞を言うなどコミニカルなものもあります。
このころは、まだ「アドルはプレイヤー自身でもあるからしゃべらない」という設定は曖昧だったのかもしれませんね。
●「太陽の神殿」との繋がり
おなじファルコム作品であり、おなじプロデューサーによってつくられたADVゲーム「太陽の神殿」。
ところどころで、ファンサービス的なお遊びが隠されています。
・銀のハーモニカを返した時、レアが演奏してくれるのが「太陽の神殿」のOP曲。
・泉に、用途不明(換金以外使い道なし)の金の台座が沈んでいる。
→「太陽の神殿」で、泉で「金の台座」を洗おうとすると、落としてしまうというイベントのパロディ。ちなみに、「太陽の神殿」本編では、これをやると「ハマリ」となる。
後発の移植やリメイクでは、レアの演奏は世界観に合わせて「FEENA」に変更されていますが、
金の台座はそのままです。
ただ、「太陽の神殿」が相当古いゲームなので、もはやパロディということを知っているユーザーも少なくなっているようですね。
ロングセラーとなったゲームと、そうでないゲーム。
時の流れによって、通じなくなるネタというのもあるわけです。
次回はイースⅡです。