今回より

EVE burst error

 

 

なお、おじさんがプレイしたのは、

リメイク版「EVE burst error R」であるため、基本的な事項はこれに基づきます。

 

オリジナル(PC98):1995年

セガサターン版:1997年1月

PS2版:2003年7月

EVE burst error R(PSVITA):2016年4月

 

と、現在プレイするならPSVITA版となりますが、

シリーズ最新作・「EVE rebirth terror」には、PSVITA版が「過去の事件」として同梱されています(PS4のみ)。

「EVE rebirth terror」は、「EVE burst error」をプレイしたことが前提で、

プレイしなければ全く意味がわからないので、同梱されているのは親切ですね。

これからはじめてシリーズをプレイするのであれば、PS4版がおすすめです。

実質、一本の値段で日本のソフトがプレイできるわけですからね。

 

このゲーム、そもそもエロゲーには縁がないので、存在すら知らなかったのですが……。

この歳になるとRPGのバトルが面倒になったり、アクションがつらくなったりしてきます。

そのため、アクション要素もなく、戦闘もないゲーム……ということで、アドベンチャーをプレイしたくなるわけです。

とはいっても、マルチエンディングは周回プレイなどをしないといけないので、面倒、

そして、やはりストーリーが面白くないといけない。

だから、ストーリーに定評があり、基本一本道のアドベンチャーゲームはないか、

と探していて、見つけたのがこれです。

しかも、初心者用にヒント機能もオプションで追加できる、

ということなので、買うしかない!

と、即ダウンロードしました。

 

基本は、オーソドックスなデジタルノベルで、

システム的にはいろいろと古い面もありますが、

現在でも根強いファンがいることからもわかるように、シナリオ面はいま見ても面白いですね。

 

主人公は、
私立探偵の天城小次郎と、一級捜査官の法条まりな。
このふたりの視点を切り替えながら、ストーリーを進めていきます。
 
小次郎が追うのは、ある外国人学校の校長から依頼された絵画盗難事件。
まりなに与えられた任務は、中東の大使の娘の護衛。
どちらも、中東の小国エルディア共和国(共和国を名乗っているものの、実質は王政という設定)が絡んでいるという共通点はあるものの、とくにつながりがあるとは思われなかったが……。
やがて発生する、殺人事件、凄腕の殺し屋との対決、そして明らかになる次期国王の座を巡る政争……。
と、なんでもないように見えた小さな事件が、大規模な陰謀へと繋がっていくのが暴かれる様子は圧巻です。
 
多くの名シーンがありますが、白眉はハッキングのシーンでしょう。
小次郎とまりな、両陣営が特定の機密にアクセスするため、ハッキングを試みるのですが、
お互いたまたま同時にハッキングを行ったため、利害を共通するものとして、お互いの正体をしらないまま協力する事ににな入ります。
ふたりの視点を頻繁に入れ替えることにより、リアルタイムでハッキングが進んでいることを表現しており、まさにゲームでしかできない演出であると言えましょう。
 
そして、事件の果てに到達する、なんとも切ないエンディングは涙を誘います。
単なるハッピーエンドに終わらない、余韻を残す名エンディンは一見の価値ありです。
 
問題点としては、
結局、説明がつかなかった謎がいくつか残されたこと、
そして、終盤で突然SF設定が登場することですね。
丁寧にテキストを読んでいけば伏線はところどころで貼ってあるのは、まあわかりますが……。
ちょっと、唐突であることは否めないですね。
 
つづきます