今回は、団長の凡人歌集をレビューします。

NoGoDの団長にとって、初のソロ作品となった本作は、弾き語りライブで披露されていた楽曲を中心に、コロナ禍の情勢において、配信と共に製作された楽曲も含んで、急遽、リリースした全6曲入りのミニアルバムです。

NoGoDが所属するART POP ENTERTAINMENTのWEB SHOPで限定販売されています。

 

収録曲にある「冗談じゃない」では、リモートや録音したものをデータで募って編集するという形で、大槻ケンヂさんや冠徹弥さんといった多数のバンドマンから信者やリスナーがハンドクラップやガヤに参加しており、NoGoDからもShinnoさんがギター、K君がパーカッションでレコーディングに参加しており、CDの帯におけるライナーはMUCCの逹瑯が担当していたりと豪華な仕上がりになっています。

 

団長/凡人歌集

1, 凡人哀歌
哀愁漂うフォークソングというか昭和の歌謡曲っぽい湿っぽさが効いていて、そこに乗る団長の力強く渋みのある歌声が良い味を出しています。

歌詞は、タイトルに相応しく所詮、皆、凡人でしかないけど、それでも生きていくしかないという哀愁を込めた内容になっていて、こういうの好きな人は好きだと思います。

 

2, 凸凹
明るく爽やかさのある曲で、ハープやタンバリンの音もあったりして、途中、団長の歌い方も喋るように早くなったりもするのが面白い。

歌詞は、変わることのできない対照的な2人だけど、だからこそ釣り合っているのかもしれないという感じの内容ですね。

 

3, 続くといいね
こちらは少し弾む感じにゆったりとした曲調で、サビは、どこか90年代のJ-POPのメロディラインで懐かしさを感じます。

歌詞は、賛否両論はあれど、団長なりの離れていったファンへの思いを描いてて、誰だって心が変わるし、好きなものも変わる。それでも、その中で続いていく好きがあるといいねっていうのを表した感じですね。

 

4, 希望の朝
優しくも壮大で、どこか儚げな感じがある曲です。

歌詞は、別れる2人に訪れる朝が希望であるようにといった感じですかね。

 

5, 冗談じゃない
程よいテンポで手拍子とかでノリやすい明るめの曲調で、サビでタイトルの「冗談じゃない」を繰り返すのが耳に残るし、荒ぶるように歌い上げる団長の歌声もカッコいいです。

そして、多数の人達がリモートでハンドクラップやガヤで参加してるのもあって、アリーナまでいかなくとも会場で録ってるような雰囲気が出ています。

歌詞は、冗談じゃないくらいにやってられない人生だけど、それでも生きていこうという強いメッセージ性を感じられる内容になっています。

 

6, good night

おやすみなさいと言わんばかりにアコギと優しく細く歌う団長のヴォーカルが効いたしっとりした曲です。

歌詞も、誰にもわからないことだけど、明日はいいことあるかな、変わってるかなという感じで、本当、寝る前に聴くと良い夢見られそうな感じです。

 

総評:85点

 

全体を通して、弾き語りのアルバムらしく、アコギと歌をメインに、暗めで哀愁のあるものから爽やかさや明るいものまで、団長の歌も荒かったり、渋かったり、優しかったり、曲調に応じて色々な幅を利かせてて、アコースティックだけどダレることなく、じっくりと聴けます。

 

NoGoDのメタルやハードロックを軸としたバンドサウンドやハイトーンな歌とは全然違う一面を魅せていますが、そこは歌唱力に定評のある団長だけに安心して聴けるし、NoGoDでやらないような曲をやっているだけあって、新たな一面というか別の一面を上手く表した作品になっているので、メタルな曲調が苦手な人でも、こういうのなら聴けるっていう人も居るだろうし、なんだかんだで評判の良い1枚なので気になった人は是非とも手にしてほしいです。

 

オススメ曲・・・凡人哀歌、凸凹、冗談じゃない