今回は、THE KIDDIEのBRAVE NEW WORLDをレビューします。

2015年3月31日に解散した5人組のV系バンドであるTHE KIDDIEにとって、本作は2010年11月にリリースされたフルアルバムで、メジャー・デビュー・シングルとなった「smile.」、2ndシングルの「Calling」を含む全12曲入りで初回盤はDVD付きで収録曲も「マイガール」が1曲追加されています。

又、プロデューサーにex.JUDY AND MARYのベーシストである恩田快人を起用しています。

 

THE KIDDIE/BRAVE NEW WORLD

 

1, STEADY

爽やかで疾走感のあるギター・ロック。

途切れ途切れノイズ混じりで始まるのが最初、ちょっとびっくりしますが、程よくメロウな歌が心地良いです。


2, smile.

メジャー・デビュー曲となったシングル。

smile smile smileと繰り返すサビがキャッチーなポップ・チューンで、今にして思えば、この曲が代表曲になってたんじゃないかなというくらいに聴きやすくて、V系っぽさは無い分、色んな人に受ける要素は十分で、歌詞も前向きなメッセージ性がありますし、今、聴いても名曲です。


3, プラズマ

重さの効いたハード・ロック。

歌こそポップなものの演奏は中々にワイルドで、サビは開放感がありますが、程よいマニアック具合がシングルの後のアルバム曲って感じが表れています。


4, teenageZ

変則的なリズムが効いたエモーショナルなロック。

サビこそ疾走するけど、演奏はキメ細かい感じになっています。


5, 嵐の夜

男らしいシャウトの合いの手が入るアップテンポのロック。

ライブを意識した感じのノリの良さとドライブ感が良いです。


6, 白鯨
アコギを取り入れた優しいバラード。

大きく盛り上がる感じは無いけど、まったりとした雰囲気でアルバムの小休止といったところ。モダンでハード・ロック色の強いギター・ソロがカッコいい。

 

7, エス・オー・エス
浮遊感のあるポップなミドル・バラード。

坦々としつつもスッタカートなドラムが心地良く、揺紗の歌声も優しく甘い感じになっています。

 

8, マイガール
初回盤に収録されています。

弾むようなリズムが心地良いポップなミドル・ナンバー。スクラッチの音やファンクなギターが入ったりしては、サビは広がりのある優しい感じになっています。

 

9, God bless you!!!
爽やかでアップテンポのギター・ロック。

アルバムの佳境へ向けて、ここからテンポアップしていく感じに開けていきます。手拍子の音が入るあたり、これもライブを意識した感じでしょうかね。

 

10, Calling
シングル曲。

爽やかで疾走感があり、パンキッシュなサビがキャッチーで、いかにもシングル曲って感じですね。どこかジャンヌっぽさもあって、シンプルなサウンドもさっぱりした感じで良い。

 

11, LOVE
甘く優しいポップなバラード。

オリエンタルだったり、トレモロの効いた間奏だったりのギターが良い味出していて、歌はミスチルとかを意識した感じにも思えますね。

 

12, Re:evolution
サビから始まる疾走系ロック。

パンキッシュな爽快感とノリの良さが良く、シングルにしてタイアップとかがあっても良い感じですね。

 

13, Flash

メロウなアルペジオから始まる壮大なミドル・ナンバー。

〆に相応しく光が差し込むような感じが出ていて、V系における白系要素があり、これもシングル・カットしていいくらいに聴きやすく、開けた明るさがあります。

 

総評:80点

 

全体を通して、爽やかでポップな歌が活きた楽曲が多く、V系とかロックとかいうより、純粋にポップで聴きやすい楽曲が多く収録された作品に仕上がっています。ノリの良い曲や疾走感のある曲はあれど、激しさとか重さは薄めで、ポップでメジャー感のある明るさとか爽快感を好む人、歌を重視して聴きたい人、キャッチーなものが好きな人にオススメな1枚ですね。

 

これもリリースされてから10年経ちますが、今、聴いても色褪せない楽曲が多いし、メジャー・デビュー曲ということで力の入ってたsmile.はとにかく良い曲で何気にメジャー以降の作品群から選んだベスト盤みたいなのもリリースしていないTHE KIDDIEだったりするので、この曲の為に手にして聴いても損は無いと思いますので、今更ながらですが興味のある人は是非!!

 

オススメ曲・・・smile.、嵐の夜、God bless you!!!、Re:evolution