今回は、KEELのUNDEAD BEAUTYをレビューします。
ryo、aie、愁、Tomoiの4人によるKEELにとって、本作は、2016年12月に会場限定でリリースした全5曲入りのミニアルバムです。
KEEL/UNDEAD BEAUTY
1, 人型
重たさのあるリズムが効いたミドル・ナンバー。
Bメロこそdeadmanっぽさを感じるもののaieというよりryoさんらしいマニアックな部分が出ている感じがしますね。
2, 接吻
シャッフルでジャジーなロック・ナンバー。
スッタカートなリズムながら愁のベースが歌やギターより前に出ていて、とにかく低音が目立っていますね。ryoさんのシャウトや色気のあるウィスパーボイスを使いこなす表現力ある歌やaieとの男らしい掛け合いとかもライブを意識しているのが分かるくらいにカッコいい。
3, bring me reason
哀愁のある湿っぽい歌が活きたミドル・ナンバー。
坦々としたテンポでありつつもサビになると走り出し、舞い上がっていくようなギターが効いた間奏もドラマティックでカッコいい。
4, 禁忌
愁のスラップとTomoiの手数多めのドラムが効いたアッパーなオルタナ・ロック。
ドラム・ソロやベース・ソロが珍しくあったりして、エフェクトをかけて早口だったり、高音を滑らかに繰り返したり、低音でアダルティな歌を聴かせたりするryoさんの表現力が凄く、サビのダウナーな感じは禍人に近くて、aieらしいギターも出てくるし、こういう雰囲気の曲は個人的に大好きです。「禁忌(タブー)」を繰り返すところもキャッチーで、覚えやすい。
5, 水辺の君に
愁の坦々としたベースとTomoiの変則的なドラムが効いたダークなミドル・ナンバー。
1分半くらいまでaieのギターだけが、ほとんど聴こえずにギターが入ったと思ったら、メロディアスな歌を聴かせてくれるryoさんの歌声が綺麗で、そこから珍しくaieのギター・ソロへ持ってくドラマティックな展開も今までに無いし、新しさを感じる楽曲ですね。
総評:80点
全体を通して、今回も名古屋と新潟を合わせたようにダークでオルタネイティブなロックであるんだけど、aieとryoさんの持ち味が調和されてきたのか、aieと言えばaieだけど少し違う感じで、ryoさんを軸に愁やTomoiさんの主張も目立ってきていて、KEELのメンバーだからこそ出来るアレンジや新しさみたいなのを感じられる作品に仕上がっています。故に、aie特有の音を求めると少し違和感を感じますが、そういう意味ではマニアックだからと会場限定での販売になっているのかもしれませんね。気になった人というかライブを見たら手にしておきたい1枚です。
オススメ曲・・・bring me reason、禁忌