今年は、しっかりと紹介したいと思うので、恒例になっていた上半期の名曲紹介です。
結構な勢いで今年は、しっかりと音源を聴いていたので選曲も早い段階で出来上がりました。

まずはヴィジュアル系における名曲を10曲選びました。


2016年上半期の名曲TOP10~ヴィジュアル系編~

1位 Migimimi sleep tight/Migimimi
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1位はメガマソの涼平が率いるMigimimi sleep tightのデビュー曲で、サイケデリックなシンセが効いたダンサブルなロックです。
随所で重くなりトランシーなシンセもあってか、ハードコアな印象になる部分があれど、シンフォニックな始まりで、涼平らしい切ないメロディが健在で冬を思わせる冷たい感じがあります。Aメロこそ切ないもののサビはメガマソから継承されるように現在の涼平らしいポップな歌が印象に残る。

個人的に最後の大サビである「「大好きなんだよ」と口癖のように」からの展開が凄く好きで、切なさが増す中で涼平らしいギターが可愛らしい音で入ってくるんだけど、それが良い意味で粗く懐かしく思えて泣けます。ライブで聴いたときも鳥肌が立って涙腺崩壊しそうでした。これだけで5分はいける!!

依恋ことレンレンの歌声はインザーギをさっぱりさせた声質で思ったより、V系に親和性のある感じで歌い方も意識している感じがします。

歌詞は切ない別れの唄ではあるんだけど、右耳が聞こえが悪い主人公、別れを告げた相手がいて、その声が思い出せないんだけど分かるのは好きだということ。気づけなかったのはその想いなのか、相手が眠りについた意味なのか。

アヤビエで涼平の曲が好きになってから10年くらい経つけど、あの頃と変わらない感覚で泣きそうになったあたり、やっぱり涼平の作る曲が好きだと実感したので、文句無しの1位ですね。

2位 えんそく/ アリス・エクス・マキナ(type:Atman)

アリス・エクス・マキナ[type:Atman]/寺子屋

¥1,000
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2位は去年から株上昇中のえんそくの最新シングルを。
ゴシックでシンフォニックなストリングスと哀愁クラシカルなギターが効いたメロディアスな歌モノのメタル・ナンバー。いつになく、ダークでスリリングに迫りくる感じがV系らしく、ゴシックな要素とメタルな要素を加えたり、サビの後にクワイアが入ったりして、えんそくにしては珍しいくらいにヴィジュアル系をしていて、どこかDっぽい印象を受けます。クラシカルながらジャパメタっぽいギター・ソロもカッコいい。歌詞は、「不思議の国のアリス」をモチーフにしており、誰もが夢物語を描き見るけれど、それを叶えた上で成り立っているものこそが世界であり、現実である。だからこそ、自身も思い通りに夢を描こうとする。物語の中で現実に伝わるメッセージ性は、ぶうのセンスでしょう。

3位 HOLLOWGRAM/Sentimental issues
MALUS/siren’s son

¥2,160
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3位は、ryoさん率いるHOLLOWGRAMの2ndミニアルバムから〆になっている、この曲を選びました。

耽美で切なくもメロディアスな歌が効いた疾走系ロック。
透明感溢れる瑞々しいシンセとピアノがバンドサウンドに絡み、煌びやかな世界観を作り上げている。「愛されたい」と伝えらなくて叶わぬ恋になってしまい、声が上げられず届かない。脱け殻のようになった主人公は愛の答えを探し、届かなくなった愛しい人の明日が彩られるように願う。そこに愛の答えが見出せたかどうかは歌詞を読んだ人次第であり、キリキリ痛いというフレーズが出てきたところに、GULLETのcultにリンクしてるのかなと思いました。

聴くほどに泣けるし染みるし、何よりryoさんの歌い方がryoさんらしくて凄く好き。

4位 DEZERT/「君の子宮を触る」


4位には、ex.Moranのvivi改めMiyakoが加入したDEZERTで、アルバムから先行でPVが公開されていたリード・ナンバーをここに。
ダークでメロディアスなアップテンポのV系ロックで、DEZERTらしい分かりやすい楽曲になっている。ベースはスラップが効いていたり、重くも軽快なアンサンブルだったり、プログレッシブな要素があり、Bメロはシャウトで激しくるも、Cメロでメロディアスになり、サビはポップで切ない感じになり、壮大でエモいサウンドがカッコいい。

歌詞は、帰る場所もなく、優しい言葉も聞きたくない今だから、互いに救われなくとも夢を見たさに触れるという感じですね。

5位 Chanty/貴方だけを壊して飾ってみたい
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ようやくワンマンを見ることができたChantyからは、恋愛ゲーム「貴方日記~ユーフォリア~」のテーマソングとなっている会場限定シングルを。爽やかで疾走感のあるメロディアスな歌モノです。Chantyらしい白い世界観は健在で、壮大になるサビは芥の伸びる歌声とファルセットを活かして、程好い切なさが出ている。そして、後半で走る二段階の展開も秀逸です。個人的に成人の手数が多いドラムが効いて、スリリングに迫りくるBメロと、メロディアスなギター・ソロの後に入るアルペジオとベースが好き。

6位 NoGoD/桃源郷へようこそ
Renovate/キングレコード

¥3,240
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10周年記念のツアーとベスト盤リリースを経て、約1年半ぶりのオリジナルアルバムとなったRenovateからは、〆を飾ってはライブで左右、前後にモッシュしては桃のマークで振り付けするのが楽しい、この曲を。
スラッシュとジャパメタを併せ持ったような激しさで攻めてくるメタル・ナンバー。
スッタカートなドラムとヘヴィなギターのメリハリが効いていて、Bメロで重く攻撃的になりつつも、サビはポップな要素もあるくらいにメロディアスで聴きやすい。現実社会を皮肉った上で、ライブという桃源郷で馬鹿みたいに騒ごうという歌詞はライブを意識しており、これもまた、NoGoDとしてはアルバムの〆らしく、ボートラっぽい感じですね。

7位 gibkiy gibkiy gibkiy/箍を外す場合、穴に群れる具合
不条理種劇/praying mantis records

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kazuma、aie、kazu、sakuraの4人によるgibkiy gibkiy gibkiyはアルバムから、一定のリズムを刻むカッティングが印象的なミドル・テンポのハード・ナンバーです。
kazumaの気だるそうに呻くヴォーカルとは裏腹に演奏は変拍子を軸にアグレッシブで壮大な感じになったりする。途中、kazumaの呻き発狂するシャウトと激しくなる演奏のアンサンブルが9GOATS BLACK OUTっぽく感じますね。

8位 ベル/華
歌謡サスペンス劇場 (歌謡盤)/SPEED DISK

¥3,240
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夢人率いるベルからは1stフルアルバム「歌謡サスペンス劇場」から歌謡盤のみ収録されています。
琴っぽいシンセが効いた切なくも和製な雰囲気を持ったスロー・バラードで、聴くほどに染みる泣きの入った歌と音が心地良くて、ベタだけど、こういうのは好きです。シドの紫陽花とKagrra,の鬼灯を足して割ったような感じで、随所に入ってくるメロディアスなギターがバックに鳴っているのが良いし、力強いハロの歌声も綺麗です。

9位 ジン/汚人形
病ミ彼レ(生産限定盤)/NSレコード

¥1,080
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今年に入って初めてライブを見て好感触だったジンは連続リリースの第一弾シングルからカップリングになってる、この曲を。
サビから始まる和製クラシカルでダンサブルなミドル・ナンバー。
三味線のようなパイプオルガンのような不思議な音色が秀逸で、どことなくアリプロっぽい感じがあってクラシカルな要素が強く、歌謡曲なメロディラインで和の部分を出してくるのが巧い。こちらでは早口で歌うところもあり、ベース・ソロからのギター・ソロへの展開も面白く、渋くも速弾きが出たりする奏法も秀逸。

歌詞は、見えない糸に操られて生きる僕等は汚い人形のようだと皮肉った内容になっていて、今時、こういう表現をするバンドが減っただけに希少価値がありますね。

10位 乙女国家/ないものねだり
御国の為に/寺子屋

¥1,200
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えんそくの勢いと共に10周年で勢いが出ている寺子屋界隈からは店員イベントにも参加した乙女国家からシングル「御国の為に」のカップリングから、この曲を。
レトロなリフがカッコいいメロディアスでアップテンポのロック。
スカなリズムやキメで軽快に乗せてきては、「ないないないねないものねだり」と覚えやすいサビがオサレ要素満載で懐かしさがあり聴きやすい。ミスターの荒ぶった声で繰り返されるのも印象に残るし、ギター・ソロでの程よく篭ったような音作りも良い。

男女の会話から互いにバッドエンドへ向かう物語性のある歌詞も、よく歌メロに乗せているなあと思うくらいに面白い。


こんな感じで1番がヴィジュアル系かどうか微妙な立ち位置にありますが、なんだかんだで涼平の曲が好きなので、今後の活動への期待も含めて、Migimimi sleep tightが一番となりました。

あとは、えんそくから以下はNoGoD以外いつもと違う面子になったんじゃないかなと思います。

まあ、あくまで個人的な趣味での選出ですので参考程度に。

次は、ヴィジュアル系以外で選びます。