みなさんのおかげさまで!
しんらいライフサービス株式会社 寺﨑道弥です。
今日のお話は、最低賃金の上昇の件についてです。
珍しく業界人らしい話題を書いていきます(笑)
この秋にも最低賃金が改定される見込みなのはご存じでしょうか?
世間一般の声としては、概ね歓迎する方が多いのですが、私は社会全体のあり方としては憂慮しています。
最低賃金が上がることによる社会全体としてのデメリットは、以下が挙げられます。
①物価が上がる
実質所得上がってない中での物価高に、低所得者層は耐えられますかね?
②個人請負、個人事業主が増える
会社は更なる保険料増(厚生年金、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険)の負担に耐え切れず、偽装請負社員やウーバー配達員に代表される個人事業主が増えるでしょう
③既存の仕事の機械化、AI化が更に進む
コスト増になるのですから、人件費の削減は自然の流れで、人に頼らない機械化やAI化が加速します。
④単純労働の失業者が増える
レジ打ち、ロボット化できる仕事が減り、失業者が増えます。
⑤サービスレベルの低下
個人事業主や業務委託で仕事する人は、会社に所属するわけではないので、帰属意識が薄れ、表向きのサービスの質は下がります。
⑥闇取引が増える
証拠の残らない現金取引、物々交換、金券による取引が増えるでしょう。
⑦結果的に税収が減る
最低賃金を上げることで所得を上げ、税収を上げようとしても、全体としての税収は下がる。
アベノミクスで強制的に15〜20%人件費の高騰した当業種では「値上げはやむ得ない」空気になってきており、この秋に最低賃金が改定されれば、どの会社も解約前提で値上げに踏み切るでしょう。
そもそも、人件費や最低賃金が15%以上上がっているのに、15〜20年お値段据え置きなのは、普通に考えて異常な事態なのです。
パンや立ち食い蕎麦だって、ここ10年で随分高くなりましたよね。
アレは蕎麦粉や小麦子の価格が上がったからです。
我々の仕入れは人、人件費が原価のほとんどを占めています。
当社は最低賃金が改定されるのを前に、マンション管理員や清掃員の業務委託費用を値上げに踏み切る物件の選別を始めています。
我々の業界が値上げに踏み切れば、発注者側も何らか対応を検討しなければならないでしょう。
例えば、マンション管理組合として考えられるのは以下の選択肢になります。
①値上げを受け入れる
実質所得が下り続けているのに、生活費の上昇を受け入れられますか?
②勤務時間の削減
管理人さんが、これまでより1時間早く帰っちゃうのを受け入れられますか?
③個人事業主やシルバー人材センターに発注
Uber配達員のトラブルが頻発しているように、サービスの平均値は下がるでしょう。
シルバー人材センターは、我々のような細かな管理や清掃のノウハウは持ち合わせていません。
既存の品質下がるの受け入れられますか?
④ゴミは自分たちで収集日に出し、清掃は外注
今まではいつでもゴミを捨てられましたが、これからは収集日収拾時間前に各自で路上に出す事になりますが、受け入れられますか?
⑤自主管理
マンション管理会社に外部委託するから、管理コストが上がるわけです。
自主管理すれば管理コストは下がります。
自主管理にして、本当の自治組織にする覚悟はえりますか?
ちょっと厳しい言い方になりますが、そういう事になります。
最低賃金を年々上げていくことは、一見正しいように思えますが、韓国の失敗例もありますから、慎重にしていただきたいものです。
個人的には、収入増で豊かになるどころか、社会全体が貧しくなっていく流れになる事を憂慮しております。
20年前、非正規雇用者は30%と言われていました。
それが40%50%と上昇していく流れで、この国は豊かになりましたか?
この国ではあり得ないと思われていた貧困がどんどん増えてますよね?
正規雇用できない企業が非正規雇用に切り替え、最低賃金上昇に耐えられない企業が機械化、AI化、個人請負に切り替え…。
それで、この国、この社会は豊かになれるのでしょうか?
「しんらいライフサービススタッフブログ」
「寺崎道弥 YAMAP」
個人名で、Facebook Instaguramもやってますので、検索してみて下さい。