みなさんのおかげさまで!
しんらいライフサービス株式会社 寺﨑道弥です。
前回に続き、銀行取引の基本をおさらいしながら書いていきます。
細かいことはすっ飛ばすので、前回の記事をご覧になってからで、お願いしますね。
本題を書く前に、資金繰りが厳しく「倒産」がチラつく社長さん向けに、この危機的状況にやってはいけない事を3つ挙げておきます。
①安易な倒産、自己破産はしない
経営危機になるとよくあるパターンが、
顧問の税理士に「どうしたらいいんでしょう?」と相談。
⇓
「もう自己破産しかないです」と言われ、弁護士を紹介される。
⇓
弁護士は自己破産も飯の種ですから、再生の可能性を確認せず手続きを進める。
⇓
社長は債務がチャラになり、楽になる。
一見、「社長、楽になってよかったねぇ」って思うかもしれませんが、その裏で泣く人がいます。
※注意しなきゃいけないのは、税金はチャラに出来ません。
・失業し、給料を受取れない社員従業員
⇒社長が自己破産したら請求できません。
・支払いをしてもらえない業者さん
⇒最悪は連鎖倒産です。
・銀行、国、社会保険事務所
⇒潰れませんし、トップは数年で変わって忘れられます。
めちゃくちゃ体力的に強いですから、一番迷惑かけていい先はこちらでしょう。
いつも言っていますが、相手の強弱で優先順位を考えれば、答えは出ます。
社長が会社を倒産させ、自己破産すれば、弱い者も強い者も平等に泣きます。
であれば、まずは弱者から救済すべきですし、強者は最後に泣いてもらえばいいのではありませんか?
大事故の時のトリアージと一緒です。
優先的に助けなきゃいけない方を先に助ける。
よーく考えれば、これわかることなのですが、税理士や弁護士は経営のプロではありません。
そもそも経営危機の際の相談先が間違っているのです。
税金を納期に払わない、銀行への返済を止める、業者さんはの支払いを5日10日待ってもらう、まだまだできることはありませんか?
②ノンバンクからの借入れ
社長の元へは、しょっちゅうノンバンクからのFAXやDMが届きます。
精神的に弱ってるときには、正常な判断力が欠如して、こういうのに手を出してしまうんでしょうね。
銀行の返済をするために、その銀行金利よりも高い金利でノンバンクから借りる。
そしてまた、別のノンバンクから。。。
カードローン破産と同じように、真面目に返済しようとすればするほど、借金は膨らんでいくというやつです。
反社会的勢力かどうかもわからないようなノンバンクに手を出すぐらいなら、会社を清算すべき、というのが個人的な考えです。
やってる事は公営レースのメインで大負けして、最終レースに持ち金全部突っ込んで、一か八か賭けてるようなものです。
③家族、親族、知人、友人からの借入
銀行やノンバンクは、金を貸して金利を跳ねるのが仕事ですから、踏み倒されるのも承知で「貸し倒れ引当金」というのを経費として積み、貸しています。
知人、友人は、仕事や事業でお金を貸すのではありません。
「絶対返すから」とか言うんでしょうけど、借金の返済データを膨大に扱ってる銀行からも「こいつ返せないからもう貸せない」って評価なんですから、確率的にはほぼ返せません。
だから、貸金事業者以外からは借りてはいけません。(連帯保証人を追加するのも同じ)
貴方の事業に何ら関係ない人を、自分の都合の良いように巻き込んではいけませんよ。
お金を通じた人間関係の破綻、殺人・傷害事件がいまだに耐えないのはこのためです。
お金を払ってくれない、貸したのに返ってこない、盗まれたら音信不通。。。
貴方の身近なでも、お金を貸して後々トラブルになった人きっといますよね?
20年以上前に母が、亡きオヤジが実質支配していたグループ会社に300万円貸したらしく、結果返ってこなくて、いまだにその社長の名前が出ると言いますもん。
オヤジが稼いで家に入れたお金を母はコツコツ貯めて、そのお金を貸したわけですが。
そんなに人のことをどうこう言う母ではないのですが、この事はかなり根に持っています。
誰のお金?かと言えば、お金に名前書いてないんで、オヤジのもの?母のもの?
お金って、怖いですよね。
だから、お金でトラブル起こすなら、一般人よりプロの商売でやっている金貸しがいいんです。
彼らは、お金のトラブルは日常茶飯事ですし、そのリスクも含めて商売にしているのですからね。
こんなことを踏まえて、じゃあお金借りるのならどこから借りるか?
もちろん、基本的には銀行からということになります。
前回も言いましたとおり、今は「資金調達バブル」で、債務超過でもリスケジュール(返済猶予)でも融資出るケースはかなりあるそうです。
何故か?
お国からのお達しで「倒産させるな」という姿勢からです。
倒産が増えれば、失業者が増え、最後は生活保護者も増えます。
「失業者を増やすな」
「自殺者を増やすな」
「刑事事件など、社会不安を止めろ」
とうことなのでしょう。
じゃあ、営利企業である民間銀行が「中小企業に融資して、救済しろ!」とお国から言われたって、民間銀行だって倒産が増える不安を抱えてるのですから、まずは自分を守りたいですよね。
だから、お国が「後ろ盾になって、融資の100%を保証するから、中小企業に融資してやって」ってことになっているんです。
これ「セーフティネット融資」って言いまして、ここ数年増えている地震や台風の被害に遭った事業者向けに既に仕組みとしてあるんです。
今回のセーフティーネット融資は「コロナの影響を受けた事業者向け」ということです。
国が保証するって言っても、財務省が融資の窓口になるわけではありません。
経済産業省の管轄である、各都道府県の「信用保証協会」というところがセイフティネット融資保証の窓口になります。
社長でも、信用保証協会に行ったことのある人の方が少ないと思います。
ワタクシは、融資は受けなかったけど、リーマンショックの時に八重洲の東京信用保証協会に行ったことありますよ。
融資の流れは、このようになります。
企業が融資申請 ⇒ 銀行が一次預かり ⇒ 保証協会が審査 ⇒ OK ⇒ 銀行内稟議OK ⇒ 企業へ融資実行
信用保証協会が融資を後ろで保証するので、銀行はノーリスクの融資ということなんです。
多くの社長さんが勘違いしているのですが、信用保証協会は企業を保証しているのではありません。
貴方の会社が返せなくなった時に、民間銀行の損失を肩代わりしてくれるんです。
そして、債権は信用保証協会に移り、連帯保証人だある貴方に請求がいくだけ。
なのに、保証料は何故か会社負担なんです。
リコール対象の車で自動車事故起こしてしまって、私がお金払って任意保険入ってるのに、自動車メーカーのリコールを私がカバーしてるようなものです。
銀行は、リスク取らずに融資して金利得られて、実はウハウハなんです (笑)
当社がメインとしてお付き合いしているのは、全国でも有数のスーパー信金です。
中小企業は、見栄張ってメガバンクなんかと付き合う必要はありません。
信組や信金、第二地銀で十分です。
銀行はお金貸して、金利跳ねるのが商売です。
100万円の融資も1億の融資も、基本的に審査や手間は同じですから、大きなロットを扱った方が効率がいいですよね。
大きなロットを扱うのがメガバンク、小さなロットを扱うのが信組信金です。
メガバンクは、もうマイカーローンみたいな小さいのはやってないんじゃないかな?
信組信金は、メガバンクに比べてその性格上、厳しいときも親身になってお付き合いしてくれます。
それを証拠に、先週金曜日に「コロナ融資を申し込みたい」旨信金の担当者に電話すると、2日後に時間を作ってくれました。
(政府系金融機関である商工中金は、初回相談だけで何と1か月待ち❗️)
必要書類は決まってますし、書類の内容も「どう書いたら、保証協会の審査が通りやすいか?」のポイントを理解してますから、一瞬で終了しました。
ただ一つ段取りを間違えたのが、ワタクシが不勉強で、目黒区独自の利子補給制度があることを知らなかったことです。
この認定を得るべく、一昨日目黒区役所へ、「セイフティネット4号認定」の申請へ行って来ました。
窓口では整理番号が渡されるぐらいの混雑ぶり。
ワタクシの肌感覚で、個人事業主を除いて、世の中の90%の事業者がセーフティネット借入を申し込んでいるんじゃないかと思います。
目黒区役所でも、あれこれ内容を聞かれる事なく、本日認定が下りると思います。
そして、その認定を持って信金さんへ。
あとは、東京信用保証協会の審査を待つのみ。
申込みをしているのは、下記の一番下「感染症対応融資」です。
当社の事業規模からすると少ないので見送りましたが、目黒区ですと独自にこんなのもあります。
参考までに、緊急制度融資を受けたいときに、まず確認すべきなのは、以下の機関です。
・日本政策金融公庫
・商工中金
・各都道府県信用保証協会
・区市町村
民間銀行は違い、「どうやったら助かるか?」という視線で対応してくれます。
お付き合いがあれば、民間銀行もいいんですが、こういう緊急時は、政府系金融機関や公的機関のセーフティネット融資の方が、圧倒的に融資は通りやすいです。
民間銀行は「やべえ、この不景気で返してもらえないかも?」ってどうしても、融資判断が厳しくなりますからね。
そして、以下を比べて条件の良い制度を選んで、申し込みましょう。
・借入期間
・借入金利
・保証料補助
・金利補填
・担保
・保証人
何かわからないことがあれば、一人で悩まずにご相談下さいね。
社長の相談は現役社長が一番ですから~。
良い週末をお過ごしください!
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