心法書道の慧竹です。

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

 

大人クラスの生徒さん、入会していただいてまもなく一年半になります。心法書道では、自分が学びたい書を選んでいただきますが、Mさんが選んだのは智永の関中本千字文。

 

私が若いころ、初めて学んだ古典のうちのひとつです。智永の千字文といえば、二つあります。関中本千字文ではなく、真草千字文のほうが筆づかいがよくわかるのですが、私は断然、関中本が好きです。

 

穏やかに筆を置き、静かに運筆。やりすぎず、程よい間を保ち、苦しいところを作らず、しかしながら緩み過ぎず、一点一画、惰性に流されない。感情の起伏を限りなくおさめ、でもじんわりと温かさを持つ。個性の追求を逸し、無味無臭の格の高さは他を寄せ付けません。

 

心法書道では、一度にいくつもの字を学びません。智永と決めたらそれに集中して学びます。同じ書家の同じ法帖ばかり飽きてしまわないかと思われるかもしれませんが、好きな書であれば、全く逆です。

 

【Mさんの感想】

智永さんて、ほんとに素敵な人ですね。最初からいい字だなぁとは思ったけれど、やればやるほどその魅力にひきこまれます。すごく上品ですよね!見ているだけでも惚れ惚れします。まだまだうまくは書けないけれど、この字を選んでよかったなぁとしみじみと思えるんです。

 

最初は私が半紙に二文字ずつ手本を書いていましたが、今では法帖を直に見て書けるようになりました。本来、手本ではなく本物を見て書くことが何より大事です。

 

細かな筆づかいは教わらないとわからないこともあるかもしれませんが、その書が放つ見えない何かは言葉で言ってもわかりません。その見えない何かを感じ取ることができてきたMさんの書は、智永の雰囲気をしっかりつかんでいます。まぎれもなく、智永に憧れ、近づきたいと思うその気持ちの表れであり、その境地に近づいている証拠だと思います。

 

うれしいな。。。

 

関中本千字文 隋 智永 二玄社

 

 

 

Mさんのお宅の庭には、四季折々の花が咲き、帰りに持たせてくださいます。

いつもありがとうございます!

今月はずっと家中、水仙の香り、かわいいな。