そう答えることが多くなった。

前よりも、だんだんと。

そう答える度に、少しずつ情けない気持ちが積み重なる。

すごく難しいこととかなら、まだ分かる。

でも、例えばホント近所にあるお店の場所とかですら、そう答えるしかなくなってる。

この前は、いつものように母親から自分の名前を呼ばれたのに、一瞬誰のことなのか分からなかった。

これが現実なのか、夢なのか、フィクションなのか分からなくなる。

夢であってほしい、フィクションであってほしい。

そう思うことがある。


それでも、…。


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