BAYLINER AJ ベイライナーAJ BL-551XUL-S/AJ  | しんぺ~なブログ

BAYLINER AJ ベイライナーAJ BL-551XUL-S/AJ 

 

『このロッド、やけにルアーが飲まれるね~』
とスミス開発Y氏と地元横浜でアジングをして、
自分が削ってテーパー出しをしたロッドで何本かアジを釣ってもらったところから
このベイライナーAJ BL-551XUL-S/AJの開発が始まった。


この段階ではまだベイライナーAJシリーズは発売は決定していたもののまだ発表されておらず、
まさかこの時点では自前削りのフルソリッドが元になって世に出るとも思いもしてなかった。



それはフルソリッドのツアラーV-Spec60XUL/FSのティップをカット(正確に言うならば配送事故モノ)してサンディングしたモノ。

アジングジグヘッドの水中での操作感や状態がわかるようにティップ部分に自分でテーパー出ししたモノだった。

 

 
 
(4年前は自前削り1本目)


元々学生時代静岡に住んでいたときにワームでアジが釣れる(まだアジングという言葉?はまだなかった)ことを教わり、
横浜でアジングを再スタートしたときはツアラーV-Spec60XUL/FSで釣りをしていて、
たまたま入手した事故モノの60XUL/FSでより釣れるようにとサンディングしてガイドセッティングを変えて手を加えた。

 

 

 

 

 
 
 
 


上から
・ツアラーV-Spec60XUL/FS
・ツアラーV-Spec60XUL/FS(5ft9in、先調子)①
・ツアラーV-Spec60XUL/FS(5ft8.5in、先調子&よりノセ調子)②
・ジャクソン社ジャムオーバー555XXXL-AS
(実物はないけど自分が知る限り世に製品として出た2本あったうちの短い方のフルソリッドカーボンブランクスのアジングロッド、
だいぶ気になっていて参考にさせていただきました。
どうしても触りたくて使いたくて…
貸してくださったキムソウ君、ありがとうございましたm(__)m)
・ベイライナーAJ551XUL-S/AJ 1stプロト
・ベイライナーAJ551XUL-S/AJ 2ndプロト
・ベイライナーAJ551XUL-S/AJ 3rdプロト(最終プロト・製品と同様)




最初に使っていたロッド
ツアラーV-Spec 60XUL/FS

(トルザイトリングチタンフレームガイドに変更&数減)

これでも釣れないわけでもないんだけどやはりバスロッドなのもあって自重が90g超。

やっぱりよりたくさん釣りたいからと数cmカット(正確には配送事故モノを分けていただき)したものをサンディングしてガイドも換えた
自前①

さらにテンションを感じ易いテーパーにするためほぼ同長のモノをさらに削ってガイドサイズも全て1サイズずつ下げた
自前②

 


プロト1本目を作っていただくにあたってバスロッドを削ったものだとアジングジグヘッドだと投げ感(投げたときにベリーからバット側が曲がらないからリリースポイントが掴み辛い)がないから投げ感を出せるように、と
長さも少し短めに、そしてベリーからバット部分も曲がるようにテーパーデザインしていただいた。




プロト1本目は自前で削ったロッド②と投げ感を出すためスミス社ノウハウをミックスして制作。
理想よりだいぶ先調子でパリっとした硬めに仕上がってしまって・・・。


 

1本目プロトが来てからはあまり釣れない中、
ガイドセッティングを出すのに毎日のように釣り場へ行ってたなぁ。


バット部分は何度も付け直してトラブルなく少しでも同長以上のどのロッドよりも飛距離が出せるように、と。

 
 

 

それにあわせてベリー部分も移動させては簡易的に固定して。
すぐに使いたいからその次の日の午前中にスレッドを巻き直してア〇ンアルファでw

 

そしてその日の夜に投げる。




(この辺りからがメーカーさんをだいぶ圧してしまい…)

プロト2本目は1本目よりテーパーを胴へ寄せて柔らかくしたくてより削ってもらったけどまだ調子が先めで硬かったけど
トップガイドもKGガイドサイズ3.5からサイズを下げてブリッジレスガイドのLFガイドサイズ3に2段階の軽量化。トルザイト最小サイズに。
大幅に操作感が上がったもののまだまだイケる気がして(滝汗



そして泣きの3本目となった最終プロトではそれよりもさらに曲がりを胴へ寄せてさらに理想のモノとなるように設計していただき。。。


届いて開封して
『おぉぉ!!』
っとなるくらい2ndプロトから進化したモノだった。

 

 


 


 

今回スミス製品初として載せたLFトップガイド
富士工業 T-LFTT 3-0.7

プロトとして2本目途中からのセッティング

T   T-LFTT3-0.7
1   T-KTTG3

2   T-KTTG3

3   T-KTTG3

4   T-KTTG3

5   T-KTTG5

6   T-ATSG8

7   T-ATSG16



既存モデル642L-T/AJと同様にバットのATガイド2つがSiC-Sリングチタニウムフレームガイド、
そこからトップガイド含めてティップガイド側全てをトルザイトリングチタニウムフレームガイドをセット。


 

そのトップガイド根元のスレッドもレス(無し)仕様でスミス製品初に。


そこからティップに4つ載せたT-KTTG3搭載もスミス製品初。


さらにアジングロッドにあるまじき1ピースとなったのでティッププロテクターまで付属することになり
それも初に。。。


スミス.製ルアーロッド史上最もフィネスなロッドになったと思う。

初尽くしでかなり攻め込んだロッドに仕上がってるとも思う。


 

 

そのプロト1本目が来てから2ヶ月、2本目は即修正7月に、そして3本目は2021年9月に来て実使用後に即🈴。


開発はかなりレスポンスよく進んで短期間で製品の原型まできた。

 

ベイライナーAJ BL-551XUL-S/AJ
2021年9月完成、2022年2月末発売。
 

 

 


ガイドサイズ、ガイドセッティング、ベンディングデザイン、リールフットセンターからのグリップ長等々、
コスメ以外ほぼ全てにおいて
自分のワガママを通させていただいたような形になっちゃった。


開発を進めていくその度に要望を伝えすぎてスミス社開発Y氏、その他社員さん達を困らせてしまったかとも思います。

自分のジグヘッド単体アジングのロッドに対するイメージも理想のところが固まっていたし、
フルソリッドロッドのノウハウを持つスミス社あってのなるだけ短くなった開発期間。
 

 

 



記載スペック以外の特徴やメリットを箇条書きにすると

○ベストウェイトはジグヘッド0.6〜1.2gだけどバスで言うグラスロッドのような感じで許容ウェイトレンジも広く2.0gも不自由なく使える。
(自分は0.3g~使ってます)
ピリピリ・カンカン・パリパリした感度はないが変化に追従するようなもたれるティップのため。

〇ティップ~ベリーまで僅かなテンションでも感じ易いようにテーパードしてあって柔らかめ、フッキングを考えてベリー~バットは多少硬め。

○ルアーを付けない状態で振ったら曲がりが胴気味に感じる。

○リールフットセンターからグリップエンドまで約215mm(シマノ1000~C2500サイズ)。

○グリップレングスは5'5"クラスにしては多少長め。ブランクス有効長は5'4"くらい。リールを付けたときのバランス第一!
サカナをたくさん釣ってるときや長時間使ったときにグリップエンドを掛けられるようにも考えて。


○ティップ部分は最小最軽量サイズのトルザイトリングチタンフレームガイドを5つ搭載。


○飛距離を出すことに自分的にはだいぶ拘ってガイドセッティング。
同レングス前後長のアジングロッドのセッティングにとらわれず
バットガイドサイズを限界まで大きくしたため5ft5inレングスの割に大幅に飛距離が出せる。

〇フルソリッドブランクスでバットもかなりの細身のため
強風下での釣りで風にブランクスが煽られずティップがブレ難いため変化を捉えやすい。

○水中のジグヘッドやラインのウェイト、潮の僅かなテンションでももたれるようなテーパーに。
食い上げのバイトもわかり易く、なおかつ深めのバイトになってミスをフォローしてくれてバレも少ない。


〇外道で大きなサカナ(シーバス、サバ等々)が掛かってもバットパワーで浮かしてしまうので余裕のやりとり。
(東京湾では尺越えのアジは釣ることは出来なかったけど、
最終プロト製品版で開発Y氏が三重で釣った際に余裕のリフティングパワーだったよう)

〇フルソリッドロッドの特徴でもある、キャストウェイト・実使用許容範囲も広くて柔さの割にかなり重めのウェイトまで背負える
(ほぼ岸からは使わないけどボートアジングで使うような重めでも◎)。

バーチカルなら3g程度までイケる。


 

 

(ベイライナーAJ 551XUL-S/AJ スペック)



 

 

逆にデメリットも手前味噌ながらあるのかないのかパッと思いつく2点ほど挙げてみると…

 

○リールをセットしたら全くわからなくなってしまうけど、

ロッド単体で持ったときに他のアジングロッドと比べて重たく感じるところ(製品自重61g)。

店頭で他社5ft5inクラスと持ち比べると確実に重く感じてしまう。

○これはデメリットとしていいかわからないけど硬さの割にかなりのノセ(ノリ)調子だから、
アタってこちらからアワセていくような釣りが好きな方にはオモシロくないロッドかも(要はノセ調子のロッドなもので)。
このロッドを作ってく上で性格が真逆のロッドも触っていたため予め気付いていたことですが。。。

 

 

 

(ベイライナーシリーズのサカナの画、AJってことでアジ)

 

このロッドはビリビリピリピリカンカンするような感度ではないけど、変化に対してのティップの追従は群を抜きん出てる。
ソリッドティップは世に溢れてる、ってことでフルソリッド・また自分が手を入れていたロッドがベースになり完成したのでした。



釣れてるシチュエーションではより多くサカナを掛けてくれて、釣れてない状況下ではフォローしてくれる、
バレも少なくミスを減らして釣果に繋げてくれるロッドに仕上がったと思う。

デメリット?で挙げたサカナがノってしまうのは個々で良し悪しわかれてしまうところもあるかもだけど。





釣りに出掛けて行っても何にも釣れなかったら気分が悪いでしょう??(笑
いくら状況が悪かろうが家から一歩でも出て釣りしたらたった1本釣れただけでも多少気分は違うと思ってて。

 

だからこそどんな状況でもゼロから作らせて貰えるなら折角ならコチラをフォローしてくれるようなロッドに仕上げたかった。


我儘をほぼ端から端まで聞いてくださりそこまでやらせてくださったスミス社に感謝です。


ショートレングスでオートマチックなロッドは今のところ自分は
『これにてほぼカンペキ!!』


手にした方々に是非とも1本でも多くのサカナが釣れますように願っております(^'^)




SMITH LTD. HP


ベイライナーAJページ






現段階でのこのロッドのセッティング

 

 

ベイライナーAJ BL-551XUL-S/AJ
 

リール: 19ヴァンキッシュC2000SHG 夢屋I型SSノブ(リール自重145g)
ライン: ソルトラインスーパーライトポリエステル 0.3号がベストセッティング、アジのサイズにより0.2号
        +ショックリーダースムーズロックプラス 3lb.
      (東レ・モノフィラメント)
ルアー: ジグヘッド0.4~2g前後(岸から、鉛orタングステン)

ベストウェイト0.6〜1.2g