前回の記事では、いくつかのインスリンの作用時間について、インタビューフォームに書かれた臨床試験結果の数値をグラフ比較してみました。
 
 

 

 

このグラフから読み取れることは、

 

効き始めの早さ

1.ルムジェブ

2.フィアスプ・アピドラ

3.ヒューマログ

 
効き終わりの早さ(キレがいい)

1.ルムジェブ

2.フィアスプ

3.アピドラ(長く効く)

4.ヒューマログ(長く効く)

 
です。

前回記事はこちら

 

 

 

 

 

 

上の記事やグラフは全て、各インスリンのインタビューフォームにある「正常血糖クランプ試験(グルコースクランプ試験)」の試験結果で、なるほど、分かりやすい試験があるものだなぁ、と関心しました。

 

 

正常血糖クランプ試験

「ブドウ糖が入った点滴」と「血糖値を常時測れる器具」を腕に刺した状態で、インスリンを注入。その後、インスリンが効き始めると血糖値は下がるはずですが、同時に血糖値をリアルタイムに見ながら、血糖値が一定(例えば100とか)となるよう、血管の中にブドウ糖を少しずつ入れ続ける試験です。この時、入れたブドウ糖の量=インスリン作用力、です。おもしろい試験!

 

 

 

なのですが、、、

 

インスリン製剤早見表

 

糖尿病リソースガイド、というウェブサイトにインスリン製剤早見表というものがあります。

 

それをダウンロードして見てみると、、

 

 

※糖尿病リソースガイド, インスリン製剤早見表 2022-2023 (2022)から一部抜粋
 
 
 

作用持続時間は、どのインスリンも3~5時間!

 
しかも、ルムジェブ載ってない!
 
 
つまりどのインスリンも、「3時間後に効果がなくなる時もあれば5時間効果が持続することもあるよ~」、と大まかに書かれていますね。。
 
 
インスリンを使用している患者さんからすると、そんなんコロコロ変わるんじゃ困るよぉ~、ってことなのでしょうが、これについては薬の特性ではなく(インスリンが気まぐれなのではなく)、人間側の状況によって3時間後に効果がなくなっているように見えることもあれば、5時間効果が持続しているように見えることもある、と個人的には解釈してます
 
 
ちなみに、最大作用時間、作用持続時間について一応補足しておきます。
 

最大作用時間=特によく効く時間帯。

作用持続時間=効果が持続する時間。


もちろん、それぞれ定量的にちゃんと定義されてますが(「20%グルコース利用量到達時間(GIR-T 20%-AUC)」とか「GIR が2mg/min/kg 以上の値を維持した時間」とか)雰囲気で覚えておけばいいかな、と思います。

 

 

 

分からないこと

 

ここまでで2点ほど不明点がありました
 

1つ目

 
上記の早見表の最大作用時間だけで比べると、
 
フィアスプ→1~3時間
アピドラ→30分~1.5時間
 
で、アピドラのほうがキレがいい、という表になっています。
 
冒頭で私が書いた、
 
効き終わりの早さ(キレがいい)

1.ルムジェブ

2.フィアスプ

3.アピドラ(長く効く)

4.ヒューマログ(長く効く)

 

と結果が違いますね。

 

 

各インタビューフォームや国内外の記事や論文をナナメ読みした私の個人的な推察ですが、理由としては、各インスリンを一斉に同じ条件で比較した結果の表ではなく、各製剤会社がおのおのの異なる条件で行った臨床試験結果をかき集めて、なんとか表にしたからだと思います。

 

 

この部分は早見表を疑ってますニコニコ

 

 

※ちなみに同じ条件下でインスリン間の比較をしている海外の研究結果(論文)はインターネットで割と見つけられますが、機会があるときにでも紹介できたらと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

2つ目

 

早見表のアピドラの最大作用時間「30分~1.5時間」について、私が娘の血糖変動を見ているのと体感的に異なっているな、というところです。
 

 

最大作用時間が30分~1.5時間(≒1.5時間後以降は強く作用しない)なら、以下のようなグラフの説明が少し難しくなります。

 

 

 

 

私のイメージでは、娘が朝食のパンを食べてから、30分~1.5時間はインスリンが血糖上昇に負けていて(①)、2時間後あたりからやっと血糖上昇にインスリンが勝ち始める(②)、という感じです。

 
①の時点でインスリンが負けているなら、もっとたくさんインスリン入れれば?って感じですが、そんなことしたら、②の時間帯で娘は低血糖地獄です。
 
 
この部分についてもやはり早見表を疑ってますニコニコ
 
 
シンプルに私が作ってみた以下のグラフから、アピドラ最大作用時間帯は、(広めで)1~3時間、(狭めで)1.5~2.5時間というのを信じてみようと思います。(食事&インスリン注入から1-2時間後に想定外に血糖値が下がらないからと言って予定外の追いインスリンはその後急降下の可能性高いです)
 
 

 

 

 

血液中のインスリン濃度の変化

 

インスリンが効いているということは、お腹や足(皮下)から入れたインスリンが血液中に届き、血糖をうまく処理してくれているということです。

 

臨床試験によく出てくるグラフのもう一つに、血清中のインスリン濃度の経時的変化というものがありました。

 

かんたんに言うと、インスリンを皮下注射してから、インスリンがどのくらいで血液中に届いて、どのくらいで血液中から消えていくの?という感じと思います。

 

 

グルコースクランプ法のほうは分かりやすかったんですが、上で説明した2つの疑問が出てきたので、仕方なくグラフ化してみました。。(結構面倒ですが、娘のためにがんばります!昇天

 

 

 

 

比較という意味でいうと、ルムジェブだけ早めに濃度が高くなり、早めに濃度が低くなっている、という感じはするけど、それ以外はなんとも言えないなぁ、という感じです。

 

 

どのインスリンも180分後(3時間後)には、血液中のインスリンは減っているようですが、それでも作用持続時間は3~5時間とうことであれば、あまり数時間レベルで見るグラフじゃないのかな、と感じました。

 

 

ただ、「インスリンを皮下注射してから、インスリンがどのくらいで血液中に届いて」というのは、インスリン注入してからどのくらいの時間で効き始めるのか、というところは結構重要ですね
 
 
ルムジェブはやっぱりキレがいいんだな、と理解できました
 
 

 

で、結局どのインスリンが血糖コントロールしやすいの?

 

複雑なことを書くだけ書いて、「で、どうすればいいの?」の答えがないと、せっかく調べた意味がなく、ここまで読んでくれた方にも申し訳ないので、無理やり整理してみました。

 

 

医療の勉強したことがない素人の一意見なので、読み飛ばすか、無視して頂くか、少し参考にしつつお医者さんに相談する、というのが良いかな、と思います。

 
 
まず各インスリンの効き具合について整理
 
ルムジェブ
 効き始め→早め、効き終わり→早め
フィアスプ
 効き始め→中くらい、効き終わり→早め
アピドラ
 効き始め→中くらい、効き終わり→中くらい
ヒューマログ
 効き始め→遅め、効き終わり→遅め

と私は解釈しました。
 
その上でどのインスリンが血糖コントロールしやすいの?と言うと

 

ルムジェブ向きの人

  • 食事15分前とかに注入するのが面倒な方
  • ご飯(糖質)を先に食べ終えてしまう方
  • 食べるのが早い方
ルムジェブ・フィアスプ向きの人
  • 糖質量の割合が多い食事をする方
  • GI値が高い食品が好きな方
  • 間食が多い方
  • 追いインスリンをしがちの方
ヒューマログ向きの人
  • 野菜やたんぱく質の食べ物からよく嚙んでゆっくり食べる方
  • GI値が低い食品が好きな方
  • 間食をしない方
  • ヒューマログで困っていない方
  • ルムジェブだと身体に負荷を感じた方

 

若干、ネタっぽく見える記載もあるかと思いますが、もちろん真剣に考えました!お医者さんでないからこそ書けるという意味で、何も書かないよりは雰囲気が伝わるかな、と。。ニコニコ


今回調べた内容からはアピドラでないといけない積極的な理由はおもいつかなかったので省略してます。

 

コメントや何が疑問点あれば、気軽にコメントいただきたいです(私も勉強になることが多いので)ニコニコ

 


また、それぞれで薬剤が違うようなので、私が知らないことで違いは他にもあるのかもしれません。

 

ルムジェブ→リスプロ
フィアスプ→アスパルト
ヒューマログ→リスプロ
アピドラ→グルリジン
 
 

最近、ブログカテゴリを「シングルマザー・ファザー」→「闘病」に変えたので、思う存分堅苦しい内容を書いてみましたが、長々とお読みいただきありがとうございました!

 
 
 
最近スーパーボールすくいにもハマッております