イエメンなどの病院への空爆について #イエメン #Yemen #空爆 #人道法 #戦争 | 世界をみつめて

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主に中東を中心に書いています。
今の中東は大変混乱している状態です。
中東に早く本当の平和と自由が訪れることを願ってーーー。

野口先生の中東の窓にて、私を含めて他の方々が病院への空爆について色々とコメントを書いたのですが、野口先生の意見(回答)が私だけではなく、皆さんにも読んで頂きたい内容でしたので、原文のままコピーして載せました。
(本当は、先生の許可が必要だと思っているのですが、ぜひとも皆さんに読んで頂きたいなということで。)

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確かに現実の中東での戦闘を見ていると、「戦争のルールとして病院等は爆撃しない」などと言うことは過去のことになり、現在ではそれが通常の話となったというご意見に、なかなか反論しにくいですが、私としては、矢張りそれは余りに短期的に物事を見過ぎているための、過度の悲観論ではないかと言いたい気がします。
御指摘の通り、病院等を攻撃しないと言うのは、確かハーグ陸戦法規だったかの重要な規定で、その後ジュネーブ条約等、一連の戦争、武力衝突に関する法規、条約等とまとめられ、現在では人道法と呼ばれているはずです。
又、人道法も昔は「正規の戦争」にだけ適用されていたのが、その後ゲリラ戦や内戦にも適用されることになり、現在では武力衝突一般に適用されているはずです。
更には、国連が設立した国際刑事裁判所の重要な管轄事項の一つが人道法違反(その他には大規模戦争犯罪、平和に対する罪等があったかと思う)問題で、げんにアフリカ等の紛争ではポチポチと適用例も出始めていると思います。
勿論、このような法的規範を持ち出しても、現実に人道法違反が行われ、それが処罰もされていない現状からは、反論も弱弱しくならざるを得ませんが、このような国際法的問題は時間はかかっても、今後本当に徐々にではあるが、人間社会がまともになるにつれ、それに対する違反者の処罰も効果的になるのではないか、と期待しています。
まあ、個人的願望の披歴でしょうかね?
人道法がここまで来るのにも随分時間がかかっていますし、それを推進したのが欧米諸国であったことも事実ですが、それらの努力は人類の未来のための共通の努力と言っていいと思います。