マーリブの遺跡(太陽/月の神殿)の損失の恐れを懸念します #イエメン #Yemen | 世界をみつめて

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主に中東を中心に書いています。
今の中東は大変混乱している状態です。
中東に早く本当の平和と自由が訪れることを願ってーーー。

マーリブからの現地特派員情報などによるイエメン情勢をサクサクとまとめます。
そのまま、翻訳するとこれが時間を食うので私の言葉も入れて書きます。

サウジ連合空軍は、サナア、タイズ、マーリブのほか、ベイダ等に対しても繰り返し空爆を続けています。
タイズは、すぐに連合軍が奪い返すだろうと思っていたのですが、hothy側に疲労困ばいが見られず、なかなか終わらないもようです。
戦車、装甲車多数を含む大規模な政府増援部隊が、タイズの西及び東に到着したと、いう情報があったので一気に展開がすすむかもしれません。

マーリブでは、政府軍、アラブ連合軍が、重要拠点を次々と占拠しつつあり、マーリブの知事はその完全制覇も近いと話しています。

あと、バーブルマンデブはサウジ連合軍および政府軍が奪還に成功したので、紅海の方でも何かしら大きな動きがあるかもしれません。
このバーブルマンデブ海峡については、去年hothyが海側からやられたら大変!と思ったのか?それとも何か別の理由があってのことか?そこをわがもの顔のように制圧していたので、これを奪還できたことはある意味非常に大きいと思います。

さて、マーリブについてですが、インフラが豊富なところであり、hothyグループがこれ以上とどまるとなると非常にサナアの方でも生活がもっと困難になると想像します。
また、マーリブは貴重な遺跡や神殿が残っているところなのでこれが今どのようになっているのか?
詳しい情報がないため、よくわからないのですがもしこの空爆で消えたとなればこれはイエメンにとっても大きな損失です。

なぜこんなにオーバーな言い方をするかというと
マーリブがどういうところなのかを知らない方のために書きます。

マーリブは、BC10世紀イスラエルのソロモン王の時代にいたとされる「シヴァの女王」の国の首都として栄えたところです。
ソロモン王とシヴァの女王の記述は旧約聖書やコーランにも出ています。
しかし、それを証明するものが少ないため実際にいたかどうかでさえも不明です。

このマーリブはBC1500年頃に造られたマーリブ・ダムによって100k㎡にもおよぶオアシスができ、5万人が養えるほどの作物を作っていた。
特産物の乳香は当時、エジプトやイスラエル、オリエントの宗教儀式で使われシヴァの首都マーリブに莫大な富をもたらせた。

そのマーリブの中心が太陽神殿のマハラム・ビルキスである。
遺跡の広さは6万㎡にも及んでいるが、発掘は一部しか進んでいないため、謎のままである。
太陽神殿はアルマカ神に捧げられた神殿で高い柱と屋根に覆われた建造物で現在見える8本の柱が正面の門の入口である。
神殿の重要な部分にはブロンズで作られた高さ9mの雄牛像がある。
また、神殿のレリーフにはアイベックスと呼ばれるヤギが多く掘り込まれている。
アイベックスはアルマカ神を象徴する動物ある。
神殿の西門からマーリブの市街地(現在のオールド・マーリブの廃墟)まで約8kmあり、参道で結ばれていたことがわかってきている。
ここ太陽神殿はマーリブに暮らす当時の人にとって重要なものだったと思われます。
繁栄を極めたマーリブであるが、乳香が使われなくなり、貿易が衰退していった。
しかし、滅亡の大きな要因はダムの崩壊であり、修復する力のない国は100年も持たずAD6世紀に滅んだとされます。
ダムによって形成されたオアシスは砂漠へと戻り、神殿も砂に埋もれていった。
このダムは世界最古のダムだと言われ、水門の高さは15m、南北の幅は400mである。
また、ダムからは古代の南アラビア文字も発見されている。
すぐ近くにある月の神殿はアルシュ・ビルキスといい、ビルキスの椅子という意味である。

<<シヴァの女王>>
ビルキスと呼ばれていた。
紀元前900年頃の人物だとされる。
ビルキスとはオテンバと言う意味で4人の異母兄弟を殺害して15歳で即位したと言われている。

マーリブの遺跡