市房山(いちふさやま) | 良田 寛(ペンネーム) 新老いらくの記

良田 寛(ペンネーム) 新老いらくの記

いつのまにか「老いらくの記」という言葉が似合う、それなりの歳になってしまいました。
精一杯生きてきた事を何かに残したい、足跡を何かの形で残したいと思っています。

 熊本で一番高い山は国見岳(1739m)、2番目は市房山(1721m)、共に九州山地の奥深いところに位置する。標高としては、それほどの山ではないが、その道の険しさは定評だった。
 6月梅雨に入る前(6月6日)にということで、いつもの友人たちと市房山へ行ってきた。
登山ルートは2つ。1つは熊本県側の市房神社参道から登るルート。市房神社の参道は、大きな杉が林立し、見ごたえがあるらしい。頂上までは標高差1180m、けっこうな急登が続く。水上(みずかみ)村役場の方の話では、登山道は大雨の影響で荒れており、危険とのこと。友人たちと相談の上、もう1つのルート、宮崎県側(西米良登山口)から登ることとした。
 西米良登山口は5合目、標高980mからの登山となる。駐車場は20台ほどのスペースがあるが、我々の他は誰もいない。工事用の林道(一般車両は通行不可)はもっと上まで続いているが、登山道は林道をショートカットしながら標高を上げていく。
 歩き始めてほどなく6号目に着く。ここにはトイレ(洋式水洗)併設の立派な避難小屋がある。ここから本格的な登山道となる。案内板はちゃんとしてるし、登山道は管理が行き届いている。危険なところもない。基本尾根沿いの道を上がっていく。8号目を過ぎるとツクシアケボノツツジの群生に出会う。花の時期、紅葉の時期は素晴らしい風景が広がっているのだろう。九重のミヤマキリシマが害虫で無惨な状態になっており、市房山は穴場なのかもしれない。

頂上からは素晴らしい展望が開ける。西側には人吉盆地があり、それを囲むように九州の山々が折り重なるように広がっている。日本アルプスや八ヶ岳とは違った景色が広がっている。
 頂上から数分のところに「心見の橋」という奇岩がある。岩と岩の間に挟まった落ちそうで落ちない石で、渡ろうと思えば渡れる橋?がある。ただ心悪しき者は渡れないとされている。残念ながら我々3人は、心の良し悪しを試す気持ちにはなれなかった。落ちたらただでは済まない。

 左 九州山地を望む

 右 心見の橋