満願寺温泉 | 良田 寛(ペンネーム) 新老いらくの記

良田 寛(ペンネーム) 新老いらくの記

いつのまにか「老いらくの記」という言葉が似合う、それなりの歳になってしまいました。
精一杯生きてきた事を何かに残したい、足跡を何かの形で残したいと思っています。

 

  

  (上:半露天風呂 下:内湯)

山を登るときはセットでついてくる温泉。九重の帰りはよりどりみどりだが、今回(平治岳)は満願寺温泉へ。
 満願寺温泉は阿蘇郡南小国(みなみおぐに)満願寺にある。すぐそばに満願寺というお寺(1274年 元寇の役の際、北上時定が国土安泰を祈願して建てた寺)があり、それにより地名にも前を流れる川にも「満願寺」がつく。なぜこんなところにこんなお寺が?と思ってしまうが、どのような由緒なのか調べてみるのも面白いかもしれない。満願寺建立後は参詣客向けの温泉地として栄えたようで、ここもかなりの歴史を持っている。
 有名な黒川温泉の南に位置し、黒川温泉ほどの知名度はないが、今は知る人ぞ知るひなびた温泉地だ。満願寺の周辺にちょっとした集落があり、この集落の中に温泉施設がある。必要最低限で華美さがないところが良い。
 一つ目は満願寺川の川岸にある混浴の半露天風呂。川幅3〜4mの反対側には道路が走っており、歩く人、時々走る車からは丸見えになってしまう。今時素っ裸で昼間入る方がいるとは思えないが、日本全国から集まる温泉マニアは別のようだ。コンクリートで作られた湯船の横には洗い場があり、洗濯や野菜の洗い場として使われている。
 さて我々はもう一つの半露天風呂の横にあるお風呂にお世話になる。こちらの方は屋根も壁もあり、のぞかれる心配はない。施設は無人で、入浴客は入り口横にあるポストに200円を入れる。男湯、女湯共に2ヶ所ずつ、計4ヶ所のお風呂がある。湯量は多く、人のいない浴槽に無色透明のお湯が注がれてどんどんあふれている。こんな温泉に入れば登山の疲れも吹き飛んでしまう。近くにお住まいの方は当然ながら毎日入っているそうだ。何ともうらやましい話だ。

2022年6月2日