晩冬の着物コーデ(2024年2月) | 風が吹く日も、雨の日も

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着物と子どもと「おいしいは正義」の日々。街歩きや美術館なんかも好きです。

2月のコーデまとめを書かないでぐずぐずしていたら3月下旬になってしまいました。

あわわ。

天気予報ではもうすぐ袷の季節が終わりそうになっています。

袷の季節が貴重になりつつありますね…今回はそんな短い袷の季節真っ只中のコーデです。

 

滋賀県にある佐川美術館に「エッシャー 不思議のヒミツ」という展覧会を観にいくのに、なんだかそれっぽいコーデにしたいと思って決めたのがこちらです。

着物は、メルカリで投げ売りされていたものです。

記載されていた寸法と実際が結構違ってて、買ってから測ってちょっと焦ったのですが、これが素人採寸というやつか。裄が2㎝短かったです。まぁいいや。

しつけ付き、未使用の染め紬でした。(特に素材の記載はなく、値段が安かったから洗える着物かと思ってました)

更紗文の名古屋帯は、絹のきらきら感が好きなもので、これも随分前に買ったリサイクルです。

帯留めもリサイクルだった…紫の小花の七宝焼きです。

帯揚げはオレンジ系。これは、何かの着物を買った時につけてもらったのだろうか。

紫の三部紐はちゃんと買った気がします。

 

 

翌日も同じ着物と帯で、帯〆だけを変えました。

こちらは、伊賀組紐の藤岡組紐店さんのものです。

「雁渡り」という銘がついています。

上が紫推し、下がオレンジ推しです。

 


気づいたら梅の季節だったので、慌てて梅柄の帯を出してきました。

大胆な絞りで梅の花を染めてある洒落袋帯です。

着物はこげ茶色の石下結城紬にしました。

写真を撮る時に帯揚げのセットを忘れてたんですが、淡いピンクのやつをしてました。

帯〆は白系の丸ぐけで、これもうかうかしてるとすぐに使えなくなるから今だと選びました。

お太鼓柄の袋帯は、柄出しにちょっと難しさがあるのですが、まぁ買ってしまってうちに来たんだから仕方ない。気に入った買ったのなら猶更。

でも、少し短い帯の結び方は大分上手くなりました。

 

 

次は、居酒屋コーデです。

おいしいけどそんなにきれいじゃないし狭い居酒屋さんに行くので、洗える着物を選びました。

葡萄文の化繊の着物、こちらメルカリで購入したものです。

これに、四天王寺の骨董市で見つけた八寸名古屋帯を合わせています。この帯、実は古いもので短くて、上手く結ぶのにどうしようと思案しながら締めてなかったもので、今回は初めて帯サポーターというものを使って締めてみました。

着物ともだちが見つけてきて教えてくれたもので、芯になるベルトに帯を乗せるので短い帯でも大丈夫というやつです。

京都きもの学院で買わされる窓枠つき帯枕と似ていて、先にお太鼓を作ってから背負って腰に巻く方式です。

始めて使ったので準備が難しかったけど、なんとか使えました。

これで、短い帯を作り帯に加工しないでも使えるようになる希望が見えてきました。

 

朝から用事をしてから晩にいくので、晩の宴会用に友人作の酒樽の帯留めを選んだのですが、日中は下の千鳥の親子の帯留めにしていました。

帯留めを2つ紐に通して、都度横にずらす形で出したい方を前に持ってきます。

帯揚げは緑。(最近、紫と緑を合わせるのが好きみたいです)

 

 

 

こちらは、上のコーデの時に最初に考えてボツになったものです。

帯〆が五嶋紐。以前に呉服屋さんで特売していた時に購入したものです。

これでいいかと一度は決めたのですが、そうだ、会う友人が作ってくれた帯留めがあったと出してきたら、三部紐になるのでこの帯〆が使えなくなってしまいました。

また次に機会に。

 

 

ゆうな染めの久米島紬です。

櫛織の袋帯はまだ締めてなかったのを初おろししました。(別の着物につけてもらったのですが、その着物に別の帯を締めたのでこちらは使っていませんでした。)

冬の間に絞りの帯揚げを使いたくて、空色の絞りの帯揚げを選びました。

帯留めは濱田庄司の益子焼です。つやつやととても綺麗。

全体を落ち着いた青系でまとめたコーデで自分なりに気に入っていたのですが、帰宅後に帯が実はお太鼓柄だったことに気づきました。お太鼓になるところを手先だと思って折ってしまっていた…。

気づいて青くなりましたが、まだ一回使用しただけだったので、慌ててアイロンをかけてしわを伸ばしました。次回はちゃんとしたお太鼓柄を出したい所存。

 

 

梅見に行く日のコーデでした。

野暮と思われても梅の帯です。(どうぜコートを着ているので人には見えずわからない)

着物は藍の琉球絣です。

藍の着物に赤い帯という、昭和ちっくなコーデになりました。

赤い真田紐の二分紐で、SlowSphatikaのとんぼ玉の帯留めを付けています。

 

この帯、リサイクルなんですが京都のどこかいいところの帯らしく、同じものや色違いをリサイクルで見かけることが時々あります。織元の名前をちゃんと控えておけばよかった…。

上の絞りの袋帯と一緒に買ったのですが、袋帯よりこちらの名古屋帯の方が高かったので、いい帯なんだろうなと思った次第です。

 

 

格子縞の青い郡上紬です。

前にミミズクヤさんのもふもふフェイクファー帯を合わせていたら、呉服屋さんが不服そうな顔をしていたのでいい感じの博多織名古屋帯に合わせて再登場させました。

帯揚げ、また緑ですね…。

着物に合わせて青系の帯〆にしています。

やっぱり、色数を抑えるとすっきりしますね。

この名古屋帯、この日初めて締めたのですが、帰宅後にお太鼓の山の近くに謎の白いシミができており、現在シミ抜きをお願いしています。あぁ…。

 

 

そんなこんなで、2月のコーデまとめでした。

着物らしく、冬らしい落ち着いた色合いのコーデで大好きなのですが、とにかく袷の季節が短くなっていて、この冬の間に袖を通さない着物が何枚もあります。

お仕立て代も高騰している昨今なので、袷の着物をそうほいほいと単衣に仕立て替える訳にもいきませんが、着物ともだちと話していても、私を含めて皆一様に最近は新しい着物が単衣ばかりとなっています。

更に裏もの(裏地 胴裏や八掛の生地)の値段も上がっているらしく、需要が減れば更に高くなるのではと思うと気が重い。

すぐ上の郡上紬は購入前に私の寸法に近くなるように直してもらったのですが、もともとが袷だったのでそのまま袷の仕立てにしてもらいました。袷だと着る期間は短いけれど、折角ついている裏地を無駄にしたくなかったのです。

 

着物を着る人は増えたと聞きますが、現代女性のサイズの平均を考えると古い着物は寸法が小さく、しかし仕立て直す費用は高い。新しく誂えるともっと高い。

着物に関わるニュースはしんどいものが多くて、着る人が増えてもなかなか明るい未来を想像しにくいのは相変わらずですが、あまり大きなことを考えて深刻になってもしょうがいないので、手持ちのものをたくさん着て、着物ともだちとあーだこーだ言い合う楽しい時間を作って過ごしていくしかないなというのがいつもの結論です。

 

さて、次回は3月のコーデですが、春のはしりで天候が不安定になりがちです。

自分ですでにつまらないのですが、洗える着物がまた登場します。

帯を変えたりしてなんとか変化をつけるしかない。

リアル着物一枚に帯三本、乞うご期待。