冬の着物コーデ(2022~2023)その2 | 風が吹く日も、雨の日も

風が吹く日も、雨の日も

着物と子どもと「おいしいは正義」の日々。街歩きや美術館なんかも好きです。

1月中に着た着物たちです。

文楽の新春公演に行ったり、呉服屋さんの新年会に出たりで、1月中はおめでたい系のコーデが多めになります。

 

こちらは、毎年お正月には着ている小紋です。

色合いや形がポップなんですが、松の文様になります。

やわらかものでとろみと艶がある生地なので、華やかさがあります。

楽天で激安で見つけたものです。

帯はリサイクルで見つけた古い名古屋帯を作り帯加工したものです。

珍しい円筒形の貝桶文で、セミフォーマルの袋帯でもおかしくないのですが、名古屋帯です。

古いだけに短いので、作り帯加工をしておめでたい時に活用しています。

帯留めは小物力丸さんの小梅三姉妹です。

 

 

こちら、呉服屋さんの新年会のコーデです。

牛首紬の訪問着を下しました。

帯は焼箔紬の袋帯で、ちょっと金ラメが光っている帯〆にしました。

セミフォーマルの時の帯〆って、悩みませんか? バリバリのフォーマルでなくて、適度に着物と帯の格に合あってて、お洒落なものって…。

この日はお天気がよくなかったにも関わらず、参加されたお客様と店員さん全員が和装でした。

年末の行けなかったクリスマス会の方が規模が大きくて華やかだったみたいだけど、久しぶりの着物パーティだったので、これでも充分に眼福で楽しかったです。

ちなみに、ビンゴ大会で着尺の反物が当たってしまい、仕立て代を絞り出すのに懊悩しました。

予定外の出費だし、出来上がっても収納場所は絞り出せないしで、まだ懊悩しています。

そして、この牛首紬の支払い、がんばってます。

 

 

琴の馬文の琉球紬は、仕立てて着まくって10年以上経過していたので、昨年解き洗いと仕立て直しをしてもらいました。

大雨の時に着て以来、裾あたりがぽこぽこしてしまっていたのがきれいになって、すっきりです。

費用はバカになりませんが、10年も着るとお尻のあたりの縫い目もちょっと怖い感じになってきますので、布と自分のためには仕立て直した方がいいよね…と苦しみながらお願いし、この1月にまたしつけ糸を外しました。

この布を糸から染めて織った大城哲さんが昨年急逝されたのは辛いニュースでした。

着姿を見ていただけたこと、本当によかったなと思い出します。

帯は、随分昔に購入した西陣織で、羽子板や絵馬が織り出されているお正月柄の名古屋帯です。

重々しくない、気楽な帯ですが、最近出していなくて久しぶりに締めました。

帯留めはイベントできものブレインさんがワゴンセールに出していたセラミック製の帯留めです。

「もちうさぎ」らしいです。干支にちなんで。

 

 

こちらも文楽の時に着ていったコーデです。

文楽鑑賞の際には椅子に長時間腰かけるので、薄い八寸帯だと変なシワができやすいことから、少しぶ厚め、しっかりした帯がいいと思っています。(羽織を着ていると八寸でもまだマシ)

この帯ならしっかりめだしおめでたい柄はお正月にいいと思って選びました。

柄が松竹梅じゃなくて、松と竹と葡萄という不思議。

着物も帯もリサイクルです。

着物は仕立て直してできる限り大きくしてもらったもので、帯は反物の状態で埃をかぶっていたところを見つけて購入し仕立ててもらいました。

帯〆のみ呉服屋さんからいただいたもので、井上工房の伊賀組紐です。

 

 

上の帯を仕立てている時は、私の中で葡萄文ブームが起こっていた時でした。

下の写真の着物と帯も、そのブームの時に購入したものです。

着物は裄短め。織も染めも凝ったものなんですが、控えめな色や細かな細工なので、着てみたら遠目にはグレーの無地に見えてました。

地味なのを着てると思わせて、近づくと凝ってるのがわかるってよくないですか?

リサイクルなのでどこで誰が仕立てたのかはわかりませんが、普段着の紬なのに何か所かぐししつけがされていました。

ぐし縫いは黒留袖でしか知らなかったのですが、細かい縫い目で明らかにぐしだったので、取らずにおいて後で悉皆屋さんに聞いてみたところ、北日本など湿気の多い地方では普段着きものでもやたらとぐししつけをするんだそうです。湿気で表と裏の生地にずれが出やすいから、それを防ごうとしてそうされるのだそうです。大阪では滅多に見ることも聞くこともないのですが、丁寧な仕立てですのでそのままにしています。(ただ、白い糸でやるので目立ってイヤな人はとってしまうそうです。)

帯も遠目には無地っぽく見えるのですが、どーんと葡萄文がある名古屋帯です。

ちょこちょこと入っている色が可愛いので気に入りました。

着物も帯もメルカリで買ったものです。

 

 

最後に、大物です。

ざざんざ織です。

樋口可南子さんの着物本で伊兵衛織を知り、ずっと憧れていました。

しかし、そのうちに伊兵衛織は織られなくなってしまい、もともときっと安くないものが希少価値が出てかつもう新反が出なくて数が出回ってない…そんないくつもの悪条件が重なり自分が着ることはできないだろうと思っていました。

伊兵衛織は、もともとざざんざ織から派生したものだそうで、どちらも地厚の絹の紬です。

呉服屋さんと話をした時にそのことを言ってみたら、かなり真剣に探してくださりびっくりしました。

一度目は見つかったけどとても着るに堪えないとのことで、二度目がこの着物でした。

正直、メルカリで買う方が随分と安く済むのですが、呉服屋さんを通しているので値がはる代わりにいろいろとわがままを聞いてくださいます。

こちらは、一旦解き洗いをして寸法になるたけ合うように仕立て直してもらったのですが、丈がかなり短かったので相談して、胴継ぎをしていただきました。

ついに着るとなってしつけを外し、改めて出来上がりの寸法を調べたら、裄はほんの少し短いくらい、身丈は継いでいるので充分、問題は袖丈でした。通常より3cm短い。まあ、もう、仕方ない。で、そのまま着てしまいました。

初めて着るので、つけていただいた帯も一緒におろすことにしました。くし織の洒落袋帯です。

写真ではわかりにくいのですが、実は光の加減で薄く金色に光る、地味派手は帯です。

帯〆はあんまり出番がない白黒のぱっきりしたものにして、色数を抑えました。

 

 

ざざんざ織の着物は当然高いし、見つけたら勿論買ってくれますよねとなるので、なかなかに大変な買い物でした。

身に余るものではありますが、一生着るつもりなら、出会えたのだからがんばろうと思いました。

めっちゃしんどいです。

でも、がんばってます。

よくメルカリで未だに検索して見ていますし、他によく扱いのある着物リサイクルショップを覗いたりしますが、どれもとにかく身丈が短い。今のところ、現在サイズの身丈の伊兵衛織もざざんざ織も見たことないです。

胴継ぎをしてもらったのは初めてですが、ちゃんと上手い位置で継いであるので着てしまえば何の違和感もなく問題なしでした。

あまり余計な費用をかけてまでなんとかしてもらう贅沢はできないので、これもいい経験だなと思ったりします。

本当は、余計な費用をかけてもなんとかしたいあれやこれやがあるのですが…いつかそれができればいいな。

 

さて、立春間近になってきましたが、まだ冬は続くので袷の着物をどんどん着ていこうと思います。

きっと、4月にはもう単衣になっていると思うので、袷の季節は後2か月くらいしかありません。

また次回も袷の着物のあれやこれやをご紹介しますね。