お世話になっている呉服屋さんの春のパーティで、紅花紬のお話を聴く機会がありました。
次の催しが紅花紬だった関係から、わざわざ米沢より紅花紬の工房の方を招待し、作り手の方から直接お話を聴くことができました。
来てくださったのは、新田工房の新田英行氏です。
珍しく和装の男性がいるな~と背中からその存在は気づいていたのですが、舞台に上られて誰か判りびっくりしました。
ご子息の源太郎氏はよく展示会に来られているので知っているのですが、そのお父様で現在の代表で四代目になるそうです。
工房の写真をスライドにして写しながら、プロならではのお話を聴くことができました。
丁度テレビで幻の浮世絵発見というのを放映した前後で、番組の中で、絵の中の女性の化粧で下唇が緑色になっているのを映していました。
それは、当時流行した「笹紅」というもので、下唇に紅花から作った玉虫色の紅を塗るというものだったそうです。
きれいな色を出すには三度塗り重ねなければならず、紅花は高級品だったので先に墨を塗っておけば一度で色が出るという知恵があったとか。
こちらがその「笹紅」です。
会場には触媒によって様々な色に染まった糸が展示されていました。
紅花紬と言えば柔らかい色合いが特徴的ですが、実はいろんな色が出るんですね。
パーティの後に時間があったので、すぐ傍の大阪城公園の梅林で梅を見てきました。
大阪市内に住んでいながら、上手く機会を作れずに何年も来たいと思い続けていたところです。
風が強い日でしたがお天気はよく、梅は七分から八分咲きくらいだったでしょうか。
ほのかに梅の香りが漂い、とても素敵でした。
人混みに結構な割合で外国からの観光客が混じっていました。
今はそういう時代ですね。
ともすれば地元の人もなかなか来ないようなところで、案外旅行者の方が大阪のよさを知っているかもです。
梅を見ることができただけで、この春はいいときだったと思えます。
今年は、いい年になります。