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公開時に気になっていたこの映画を、レンタルで観ました。
思っていたよりもハードな内容、思っていたような明るい演出で、実はそのノリには乗り切れませんでした。
主人公の松子は、あまり物事を深く考えることができない単純なかわいらしい性格で、周りに振り回されて一生を過ごします。
その悲惨さと性格が、亡き母を思わせたこともノリについていけなかった原因だと思います。
何度も思うのです。
母がもう少し生き方を考え直すことができたら、とか、母の周りの人がもっと善い人であれば、とか。
或いは・・・と考え出すと、結局キリがないのですが、映画を観ながら頭の後ろではそんな考えがぐるぐる回り、横からは子どもさんの茶々が入り、じっくりと入り込むことなく鑑賞終了。
松子の一生は悲惨なものだったけど、嬉しいこともあったし、ジェットコースターみたいだった。
本来素直な性格なので、周りに悪いものがなければまっすぐに伸びるようにきれいに生活のできる人でした。
でも、周りがざわざわすると感情的にも行動にも影響を受けてしまい、その自覚とコントロールの必要性には気づかなかった。
そう言うのって、教えられなくても本能的に持っている人もいるし、身近な人が教えてくれるケースもあるし、人によって違うので運とかあるんだろうな、不思議だなって思います。
ちなみに私は、生きる技術の多くをカウンセリングで得ました。家族でその知識がある人はいませんでしたので、生き延びる為には外部の知恵が必要だと判断できたのが幸いでした。
でも、その判断の源になったのは、昔から読んでるマンガや音楽の歌詞だったりするんです。
聴いてるだけじゃなくて、実生活に結びつけてその哲学を実践!
って言えば聞こえがいいけど、生きる為には何でも使うというだけでした。
そう言えば松子って、趣味がなさげだった。
テレビは見てたし、学校の先生やってて歌を歌うのが好きだったみたいだけど、夢中になってたのって光GENJIの内海くんだけだったしな。
本読んでる場面もなかった。
自分で楽しめる趣味とか教養があると、もっと違った人生になったんじゃないかなぁ。
自分の世界って、大事。
そうか、松子って自分の世界がなかったんだ。
或いは、自分の世界の構築を、人任せにしちゃったんだね。
やっぱりうちの母とおんなじだったわ・・・。
松子が一番悲惨だったのは、生き直そうとした途端にその命を取られたこと。
そんくらい、現代社会は危険が多い。
戦争がなくても、生きていくのは結構大変。
生きるって、こんなに難しくて、ややこしくて、面白いんだねぇ。
それでも、生きていてこそ、です。