大城哲さん製作の琉球藍絣です。
同じ模様で色違いの着尺の写真を見たことがあり、「琴の馬」と横に書かれていたので、同じ模様が織り出されたこの着物もそう呼んでいたのですが、「琴の馬」というのはこの三角山のような文様の名前で、琉球の伝統的な文様のひとつなんだそうです。
着物の文様では「琴柱(ことじ)」と呼ばれるものと同じではないかと思うのですが、絣で表現する関係上このような直線的な文様になっているのかなと推測します。
今回この着物に合わせたのは、母が持っていた織の九寸名古屋帯です。
織り出されている鶴が上を向いてるのか下を向いてるのか、いくら見てもよく判らないのですが、なんでしょう、このぱきっとした思い切りのいい配色と、滑りにくく締めやすいところが気に入っている帯です。
母が持っていた帯は短いものが割りと多いのですが、この帯は長さも問題なしです。
帯揚げは着物の縞の色に合わせたものを、帯〆は紺に縁取られた白いもので、途中に龍村裂を縫い付けたものを選びました。
龍村のものはいいですね。小さくても、迫力があります。精緻で、存在感があります。
前の柄を見ていなかったので、着付けてから、柄を正面に持ってくればよかったと後悔しました・・・。
赤やピンクやオレンジなど、可愛らしい色を全く使っていない、甘さのないコーディネートだったのですが、なんとなく評判がよかったです。
はんなりとは程遠いですが、絣の着物らしかったのかもしれません。
帯は京丹後出身の母のものだったので、京都で作られたものには違いないと思うのですが詳細はわかりません。
やたらピンクが多かった母の着物アイテムの中で、この帯は異彩を放っていました。
この着物を手にした時にはどうしようかと思うような感覚に襲われましたが、あれから一年以上経って何度も袖を通し、自分の着物として自然に扱えるようになってきました。
この恵みに感謝しつつ、長く着させてもらいたいなと思っています。
よい織で、耐久性の高さは保証つきの筈です。