洋梨のタルトと紅茶 | 風が吹く日も、雨の日も

風が吹く日も、雨の日も

着物と子どもと「おいしいは正義」の日々。街歩きや美術館なんかも好きです。

 何年か前に天満橋でほんの少しだけ勤めていたことがありました。
 毎日ほとんどひとりだったのと、今と違ってお弁当を作ってなかったので、お昼は近所のお店開拓に勤しんでいました。

 天満橋って、結構飲食店が沢山あるのです。
 それも、特徴のある素敵な店がいくつかありました。
 極たまに友人を誘って来てもらい、一緒にランチを楽しんだこともありました。制限時間は一時間ですけどw

 先日、会社帰りに同僚の女性がお茶に誘ってくれたので、ひと駅隣の天満橋まで足を伸ばしていったお店は、天満橋で勤めていた時に利用していたお店のひとつでした。
 今の勤め先がある谷町四丁目は、お茶をするのにいいお店が見つけにくいのです。
 ないことはないのですが、なんか見つけにくくて、天満橋まで探しながら行き着いてしまった感じでした。
 これが谷町六丁目ならもう少しお店は見つかるんじゃないかな~と思うのですが。

 谷町四丁目も全然悪い町ではないのですが、ちょっと中途半端な印象です。

 行ったお店はパンとケーキがいかにも手作り!って感じのお店で、派手ではないですが長くされている雰囲気のお店です。
 団体でディナーの予約があったようですが、使っていないテーブルに案内してくれました。

 そこでケーキとお茶を戴きながら、またひとしきり会社の愚痴とおしゃべりです。
 どこの会社でも似たことはあると思うのですが、彼女は入社三年目で、丁度会社のことがいろいろ判ってきてイライラが募り易い時なんだと思います。
 私も、今みたいにしれっと勤めるに至るまでは、イヤになったりウツっぽくなったりと山も谷もありました。
 ましてや、今の会社は外から見た時と中にいる時のギャップが大きいので、その両方を知って自分の中で整理するまでの期間はしんどくなるのではないかと思います。
 
 私は今まで社内で愚痴を言える人には恵まれなかったので、会社の誰かに愚痴を言うことは考えませんが、彼女には入社した時から私と言う同性の先輩社員がいたので、いろいろと聞いて欲しいことがたまりがちのようです。

 お店の中にいても、お店の外を歩いても、駅についても、思い出されることがいっぱいある天満橋です。
 いい思い出もないことはないのですが、どれも悲しい展開でふつりと途切れてしまったものなので、残暑の筈なのに頭の中ではひんやりとした風が吹くようです。

 この頃は大阪のあちこち、どこに行っても悲しいことを思い出すことが多くあります。
 それだけ年を経てきたのだなと思うと同時に、いい展開で今に繋ぐことができなかった自分の力不足を感じずにはいられません。
 いつも一所懸命やってきたつもりですが、つい「足りない」と思ってしまう損な性格です。
 思い出す人に恨みがましい感情がないことだけが救いです。
 それは、今いい時に恵まれているせいだと思います。


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