舞台『90ミニッツ』 | 風が吹く日も、雨の日も

風が吹く日も、雨の日も

着物と子どもと「おいしいは正義」の日々。街歩きや美術館なんかも好きです。

 昨年は年内にイベント記録を書くのを諦めて年を越しましたので、今年はなるべくちゃんと書いていこうと思っていました。が、すでに一月のイベントをいくつか書かずにいました。
 悔い改めて、書きまくっていきます。
 今年は昨年よりぐっと参加イベントの数が抑えられるはずなので、気をつけていれば書き漏らしは防げるはず!

 さて、今年最初の観劇だった三谷幸喜作品の『90ミニッツ』、いつもの親友とふたりで観にいってきました。
 場所は梅田のシアター・ドラマシティです。

 タイトルの通り、上演時間は90分です。
 そして、出演者はふたりだけ。舞台の幕が上がってふたりが登場し、そのまま90分間喋り続けるのです。
 こんな凄い舞台は初めて観ました。
 渡る世間どころではありません。
 昨年のやはり三谷幸喜作品だった『ろくでなし啄木』も出演者は三人と少なかったし、戸田恵子さんのひとり芝居も観ましたが、場面転換はあったので出演者が袖にひくタイミングがないということはなかったのです。でも、今回は出ずっぱりです。
 舞台のテーマは「倫理」です。
 出演するのは医師と父親。父親は息子が事故に遭ったとの報を受けて病院に駆けつけます。手術をすれば命に別状はなく助かるけれど、手術には輸血が必要。しかし、父親は宗教的な理由か断固として輸血は出来ないと言い張る。父親の説得に当たる医師の部屋で、二人は延々と90分間話し合いをするというのがお芝居の筋です。

 なんというか、見た目に動きが少ないけれど、心理的に動きの大きいお芝居です。
 様々な事物が錯綜した現代日本に生きていて、こんなにあるひとつのことについて突き詰めて考え話をすることはそうあることではないでしょう。

 90分と言うのは、いい時間設定かもしれない。
 長いけれど長過ぎず、でも結論を出すにはぎりぎりか足りないくらいの時間という気がしました。

 平均的な舞台の上演時間よりは短いものだったので、終演後は劇場に近いラーメン屋さんでのんびりラーメンを食べる余裕がありました。
 舞台についてはテーマが日常に関係が薄かったせいかあまり話題にせず、お互いの日常のことなどつらつら話しながら。
 実はラーメン屋さんに行く機会があまりなく、久々に食べたチャーシュー麺はむっちゃ美味しかったです。

 三谷幸喜作品は好んでよく観るのですが、東京でしかしない公演もありますし、予算の都合やチケットが取れないなどの理由で観れないこともあります。
 舞台を観ることはお金と時間の贅沢です。たまに味わうしあわせ。

 次の舞台は地球ゴージャスという演劇ユニットの公演です。今から楽しみ。

 90ミニッツ公式ホームページ

 ラーメン屋さんはここです→麺匠 北野八番亭

茶美豚あぶりバラ肉ちゃーしゅう麺
photo:01