違う仕事 | 風が吹く日も、雨の日も

風が吹く日も、雨の日も

着物と子どもと「おいしいは正義」の日々。街歩きや美術館なんかも好きです。

 いわゆる自己啓発というものに惹かれている訳では全然ないのですが、ここしばらくはそのジャンルも含めて話題になっているビジネス書を手に取ることがしばしばあります。
 というのも、今までビジネス書を読む習慣がなかったので、新鮮で面白いと思ったからです。

 マネージメント(管理)とは私にとってはシステム開発のプロジェクト・マネージメントという狭義でしか捉えたことがなかったのですが、毎日の生活全般から生涯にわたってのことまでマネージメントという観点で語るとか、そういった考え方などはとても新しいものでした。
 まぁ自分では全然出来るようになってはいませんが。

 多少自分で理解出来たかと思うのは、毎日の生活が「習慣」の塊りであるという考え。
 「常識」とか「当たり前」とかいろいろ動かせない外せないものだと感じていたものをよく見て、その要不要を判断し、不要であれば失くすとか、変えることが出来ると思えるようになりました。
 ただ、なかなか判断がつかなかったり、判断に自信がなかったり、失くすとか変えるのに時間を要するという現実があります。
 その辺について、書籍で語られることは少ないかな。
 私が特にスローな人間なのかもしれません。

 さて、お仕事の話です。

 私は長いことシステム開発の仕事をしてきました。
 あんまり向いてないかもと思ったり、親にその仕事について真っ向から「よくない」と言われたり、不況のあおりをまともにくったりしながらも、ずっとこの仕事をしてきました。
 大好きだし、出来る限り誠実にこの仕事をどんどんやっていきたいと思っていました。
 でも、もしかしたらそれは難しいかもしれないと、この頃思っています。

 今の会社には呼んで戴いて入ったのですが、多分その期待に反して私は成果を上げていません。
 それどころか、かなりの迷惑をかけているのが実情です。
 それは、私の個人的な生活上の数々のイベントの為であることが多いのですが、勿論はっきりした原因が特定出来る訳ではありません。
 でも、現実問題をよく観察すると、システムを作るといった緻密さが要求される仕事を今の私がすることには無理があるような気がするのです。

 それは今だけのことかもしれません。
 そうではなくて、もうこれ以上は無理なのかもしれません。
 誰にもはっきりとは判らないけれど、とにかくいい結果が全然出てこない事実があります。

 「出来ない無理はしない方がいいよ」
 「自分が出来ることをやればいいんだよ」
 「諦めることも大事だよね。で、次のことを探してやろうよ」

 なんか、そんな言葉を今まで結構な回数人に投げかけてきた気がします。
 でも、今その言葉を私が仕事のことに関して言われたとしたら、辛くて辛くて泣くと思います。

 実際、職場では今までと少し違った仕事を任されています。
 それはそれで、やり甲斐もあるし楽しい仕事です。
 でも、今までの仕事とは明らかに違います。
 仕事と言えばシステム開発という私の「習慣」を、今改める特なのかな?と考えさせられます。
 考えた時、淋しくて、悲しくて、なんで?なんで?と幾度も自問をしてしまいます。

 今までこの仕事しかしてこなかったんだから、違う仕事もしてみればいいじゃない。
 知らない才能とか得意技が見つかるかもよ。

 なんてことを言ってあげるよりは、ネガティブに聞こえるかもしれないけれど、悲しくて淋しい気持ちにしばらく寄り添ってあげていたい気分です。
 辛いね、悲しいね、もうそれ以上に何を言うこともないような。
 後は時間に任せて、結果が出るのを待って、何かが判るのを待って、気持ちが納得するタイミングを計るだけ。
 そこまでしないと、この強固な「習慣」を変えることは出来ないのでしょう。

 ある時私は見違える程の落ち着きを取り戻し、またシステム開発をばりばりこなすかもしれない。
 また、もしかしたら二度と自分ではプログラム・コードを書くことはないのかもしれない。
 判らない。
 判らなさに、不安になります。

 今はよくない連鎖にはまって、いろんなことがギクシャクしたり上手くいかなかったりしているようです。
 ただ、いずれにせよこの連鎖は永遠には続きません。
 それだけは確信があります。
 この連鎖を抜けた時に、自分がどうなっているのか見当がつかなくて不安になります。
 その時の自分のイメージを自分でコントロールする自信は持ち合わせていないのです。

 最近は、この悪い連鎖の中で生きてるだけで自分は偉いと思うことに努めています。
 今まで生き抜いてきたし、今も生きている。
 内容はどうあれ仕事もしてるし、家事も育児もしてる。
 そんなに稼いでないし、そんなに才能もないし、全然飛びぬけたものは持ってないけど、これまでの人生で膨大なエネルギーを既に使ってしまってるから、エネルギッシュに生きてなくてもおかしくないというかむしろ無理。出来なくて問題ない。
 また、それを認めてくれる人と一緒にいたい。
 認めてくれない人は避けなければいけない。
 そんな風になるべく生きやすい環境を作って、この辛い時期を過ごしていきたいと思っています。

 私はどんな風に変わっていくのでしょう。
 それを楽しみにしていられるように、助けてもらいたい。
 私ひとりの力では、足りない時が来てしまっていることがよく判った今日この頃です。