SHOGUN将軍 8話まで視聴した感想 | しのぐのブログ

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非常に刺激の強い作品なので1話分を見るのも疲労感に対する警戒感からなかなか視聴を進めることが出来なかったディズニープラスのSHOGUN将軍ですがようやく最新話である8話(全10話予定)まで視聴することが出来ました

 

率直な感想を一言で言いますと自分には楽しめる作品ではないという感想です

一応視聴前はもしかしたら時代を経たので時代劇における最高傑作である七人の侍を超えるかもという期待もあったのですが残念ながらSHOGUN将軍では七人の侍の比較対象にすらならないことには確信を持てるに至りました

じゃあ海外の高評価は偽りなのか?という疑問を持つ方もいるかもしれないので補足するとSHOGUN将軍が現代テレビドラマにおける最高峰であり批評家が口をそろえて傑作認定していることに関して完全に納得しています

補足説明をしないといったい何を言っているのか判らないと思いますので細かく理由を書いていきます

私個人の分析ではSHOGUN将軍はゲームオブスローンが終わって類似作品が世界中で渇望されている状況において最も適応出来ている作品というのが高評価の理由だと感じています、結末を見ないと全く違う評価になるかもしれませんが最終シーズンだけ低評価だったゲームオブスローンを超えるのはあり得る話だと感じている人は多いでしょう

海外での高評価の理由に挙げられる日本文化の再現度の高さは全くその通りと言えるでしょう

目を見張るというか首を垂れるしかないのは美術全般特に衣装の汚しは完璧で過去に見てきたどの時代劇よりも優れていると感じています今後作られるであろう時代劇や日本の戦国時代をテーマにしたゲーム作成において恐らく教科書的存在になることは高確率で起こると想像しています、その点においては未視聴の方はお金を払っても見た方がいいおすすめ作品であると言えます

スターウォーズがSF映画の基準点であるしロードオブザリングやハリーポッターがファンタジーの作品の基準になったように日本の時代劇の基準点になることは容易に想像できますそれだけの歴史的傑作である価値は感じています

仮に私がSHOGUN将軍作成におけるスポンサーの立場だったとしたら制作陣を褒めたたえる事はあっても愚痴ひとつ漏らさないでしょう、時代のニーズ、視聴者のニーズに完全にマッチしているからです

それだけの高評価であるにもかかわらず私の個人的評価が楽しめないのは何故か?

違和感というか不快感の理由は大体この作品の舞台が日本であり私が日本人であるのが原因です

すでに多くの人が指摘している事ですがSHOGUN将軍には現実の日本との乖離が感じられます

具体例として挙げる人が多いのはウイリアムアダムスは日本に漂着した際日本人に手厚く介護されて回復しています、SHOGUN将軍の内容とは大違いですがSHOGUN将軍の原作小説の再現ならば仕方ありません

どうしても納得出来ないというか納得したくないのかもしれませんがSHOGUN将軍における命の扱いの軽さには不快感を感じずにはいられません、刀を抜く理由が貧弱で切腹も入れすぎです

結局のところ原作のある作品の場合そこを変更すると原作改変になり別作品になってしまう恐れもあるのでこのようにしか作れなかったのかもしれませんが日本をこのように扱われて違和感や不快感を感じるのはどうしようもないと感じています

結局原作者の力量を超えた作品は作りようもないというのは避けられない現実です

黒澤明の作った作品に登場する人物像には私もこのように生きてみたいと感じさせる魅力を感じますがジェームズクラベルの原作にはそうした人を引きつける力が足りないからSHOGUN将軍の制作陣に苦言を言っても筋違いなのかもしれません

仮に私が日本人で無いなら評価が変わっていただろう事は間違いないところでしょう、実際2話まで視聴した時の高評価も異世界ファンタジーものの構成としては抜群に上手いと感じたからです、日本と意識しなければそれだけ評価が上がっていました

 

SHOGUN将軍の高評価な理由として非常に刺激的でピンチの連続で飽きさせない話の作り方があるようです

この辺も私にとってはついていけないと感じている部分です絶望的状況の打破は物語作りの基本中の基本ですが私のように作り手の意図を予測しながら見るものにとっては危機を積み重ねることは寄り道が増えただけという印象になってしまいます

ピンチの連続も普通の人なら大好物という方も多いと思いますが作者の意図を読みながら視聴している者にとってはご褒美と感じられないこともあります

例えるなら美味しいラーメンを食べている最中に、これ美味しいから食べてみなさいサービスしておくからみたいに追加のトッピングを追加で食べきれないくらいもらえるようなもの、人によっては最高でしょうが元々満足しているのに追加要素が増えても疲労感が増すだけになることもありえるのです

試しに昨年の最高評価ドラマ一流シェフのファミリーレストランを視聴してみたところスタート直後からピンチの連続で延々とピンチが続きます、ああなるほどこういったドラマの作り方が現在のドラマの流行なのかと理解しました

作り方としては正しいし視聴者もそういう作品に慣れているのなら作り方としては正解なのでしょう

けれど作品のメインテーマは何なのかを考えそのメインテーマにとっては寄り道でしかないのならピンチはあっても無くても変わらない存在になってしまいます、その考え方自体が古いのかもしれませんが作り手がサービスで追加したピンチは作品の構成上蛇足と感じる人もいるのです