ダニエルクレイグ版を見てみたんですがアクションの切れ味は良いもののアクションが見たいならそもそもカンフー映画に劣るので何処に面白さを見出せば良いか解らない。名前が同じでも世界観が違うので入り込みにくいです。
その後ロジャームーア版を見て、ああそうか自分が見たいのはファンタジーだったんだスパイアクションではない。
ロジャームーア版で一番気に入っているのは「私を愛したスパイ」、人気悪役ジョーズやロータスエスプリ、後半の秘密基地攻略戦など全体としてバランスがいい、ロジャームーア版の最高傑作だと思う。
残念ながら「ムーンレイカー」は設定の嘘っぽさが前面に出てしまい盛り上がりに欠けた。スケール感だけならシリーズ最高なんですが。現在でも実用化されていないレーザー銃を打ち合うのは面白いんだけど感覚が麻痺してしまう。
なんだか満足いかないのでショーンコネリー版を見直してみると「007は2度死ぬ」はお祭り感満載で今見ても楽しめる。感触が似ていると思ったら「私を愛したスパイ」「ムーンレイカー」「007は2度死ぬ」は同じ監督ルイスギルバート作品だったんですね。元々戦争経験者で戦争映画を撮っていたのだから、007でも戦争映画になってしまうのかと今更ながら感心、もしルイスギルバート作品がその後も作られていたら恐らく見ていたか、見ていない事を悔いて観なおしたでしょう。ちなみに映画は作っていないが現在も存命らしい。(96歳)
後にやり過ぎと批判されるほど限界に挑んだ「007は2度死ぬ」はもし再び007シリーズが日本が舞台になっても同じクオリティーの作品を作るのは無理でしょう。本当にウェルカムトゥジャパンジェームズボンドというか日本の歓迎っぷりが半端ないのである。他の国を舞台にした作品と見比べてもこんなはっちゃけぶりは見当たらない、だからこそ色あせない作品なのである。
「ダイヤモンドは永遠に」はストーリー的には「007は2度死ぬ」の続編になっているが特に後半の基地襲撃シーンの安っぽさでがっかり感が否めない。
結局シリーズを見直してみると、あくまで個人の好みかもしれないがルイスギルバート作品は最高であるという結論になった。
多分見る側の好みとそれを実現するための予算の問題でルイスギルバートっぽい007作品を作るのはここしばらくは無理という気がしている。