アメリカでWiiU発売:これからのゲーム業界を予想してみる | しのぐのブログ

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 とうとう任天堂の据置型のゲーム機もSD画質からHD画質になりました。


 ゲームメーカーの勢力図変化について


 この1年で何が変わったかというと携帯ゲーム機ではモンスターハンター新作の3DS発売から、流れが3DS一強状態に変わってしまいました。

 日本のゲーム業界全体の売り上げは3DSの好調によって再び上向いて来ました。

 昨年はPSPとDS、3DSがわりと拮抗していたのですが、今年はVITAの販売不振は既に手がつけられないほど酷い状態になっています。恐らく来年も携帯ゲーム機ではこの任天堂1強という流れは変わらないことが予想できます。

 視点を据置機に移すとWiiのソフトがフェードアウトしていく中PS3がSCE唯一の稼ぎ頭だったのですがそこに打たれたでっかい楔がWiiUっていうことになります。WiiUはその構造上DS、3DSの2画面を生かしたソフトの移植が容易でDS、3DSの開発ノウハウを持っている日本のメーカーはしばらくは移植だけで注目を集められそうという利点もあるので3DSの立ち上げのような苦戦が想定しにくいです。

 アメリカでは主戦場が据置なのでXBOX360対PS3という構図ですが、マルチタイトルにおいて性能の限界が原因でPS3が押され始めている(マルチタイトルでPS3の方が性能が悪いというソフトが次々登場している)中、100万本売れるソフトを開発できる可能性がほとんど無くなってきているSCEは長期的に見れば絶望的状況になってきています。

 結果が出るのはもう少し先だと思いますが、今年はSCEのセカンド閉鎖(アンチャーの製作者が任天堂セカンドに入社した例あり)やこれまでSCEのソフト開発に貢献してきた人材(パラッパにワンダ)が退社する事態になっているので、今後ソニーがゲーム業界で覇権を握る可能性はほぼ無くなったと予想しています。


 今後ゲーム業界で起こるであろう流れを予想


 日本ではアメリカ市場で成功するHD画質のゲーム機で性能の限界に挑んだ作品を作るメーカーがなくなっています。アメリカでも資金回収が困難なので開発資金回収の保険の為にソフトをマルチタイトル化する流れがどんどん強くなってきています。

 今までのゲーム業界では注目されるのは大作ソフトの売れ行きという、どのメーカーがどれだけ売り上げを上げるかでしたが、これからはゲーム開発に大金をつぎ込んでも回収出来ない事がニュースになる可能性が高くなってきています。企業経営失敗の危険との戦いが本格化してくると予想しています。

 既に日本でもアメリカでも中小のメーカーがやっていけなくて大メーカーに吸収されることが多くなっていますが、今後ゲーム業界はどこが倒産するか?ということが注目を集めることになると思います。

 何処が倒産ということでは何故か一番の本命はSCEではないかと思います。既に債務超過を2回経験して今年の年末商戦はアメリカにおいて宣伝広告費を削ったことでSCEは既に撤退準備かもしれないという見方が出来るようになっています。

 仮にSCEが倒産?といっても恐らくどこかの企業が買ったりすることになるでしょうからプレイステーションが消えて無くなることは無いでしょう。親会社のソニーが倒産する可能性もゼロでは無いですがさすがにそれは無いでしょう。

 どのメーカーも小粒なソフトだけでは厳しいが、しかし大作を作っても不発だと大変危険です。

 アニメとかのタイアップで危険を最小限にする売り方も加速するかもしれません。

 実績のあるクリエーターの引き抜きが熾烈になり、対照的に実績の無い人たちの環境は悪化するでしょう。

 ソーシャルゲームは一般ユーザーのゲーム離れを加速するだけですが無くならないでしょう。


 WiiUの発売は今後発売されるXBOX新型の発売から来るであろう開発費高騰の流れの序章に過ぎません。基本的にこの流れは一つ二つのメーカーよるものではありません。


 一つだけ言えるのは、ゲーム製作は儲からないという認識が広がる傾向は止まらないと思います。この流れは誰にも止められないでしょう。