9月23日(金)
PM13:16-
あっちゃの仕事を終えて.....一時、帰宅。
6兄弟をお昼の散歩に連れて行き、ただいま【まったり】中.....。
杉浦直樹さんが.....お亡くなりになりましたね。
わたしは、一度だけご一緒させて頂いたことがあります。
NHKの、ドラマでした。
わたしの役は、チョイ役です。
監督さんを昔から知っていて、生意気を言わせて頂ければ、その監督さんじゃなかったら引き受けていない役でした。
ですが、そういった脇の甘さとでもいうんでしょうか.....。
どこかで、慢心とまではいきませんが、【お付き合い出演】の匂いが自分の中にあったんでしょう。
その腐った臭いを嗅ぎ取ったのが、杉浦先輩でした。
なんてことはない、シーン。
わたしが杉浦さんと八千草薫さんの家を訪ねる。
わたしの台詞は、八千草さんに対してのモノ。
ですが、八千草さんに辿り着く前に、杉浦さんを横切らなくてはいけないのです。
なのに、わたしは杉浦さんに対する台詞が台本上にないことをいいことに、杉浦さんをスル―して、そのまま台本通りに八千草さんに話しかけました。
すかさず、杉浦さんは言いました。
「ここの家主は、わたしだ。なんで家主のぼくに頭を下げることもなく、通り過ぎることができるんだ?」と.....。
無性に、情けなかったですね。
20代ならまだしも、30半ばの役者が、共演者を感じることもなく、ただ台本に添うなんて.....。
でも、そういう先輩が大好きです。
同業に苦言を呈してくれる先輩.....ほとんどいませんから。
おそらく、ソレは役者に限ったことではなく.....。
見て見ぬ振りが当たり前の世の中で、【許せないモノは許せない】、【おかしいモノはおかしい】と言ってくれる先輩は、今となっては財産でございます。
わたしも.....気がつけば44でございます。
いい加減、嫌われてなんぼの歳。
嫌われることありき.....ではなく、嫌われる覚悟を持ってしてヤングマンと接しなくてはいけない年齢なのです。
だからこそ、いい嫌われ方をした後で、好かれたい。
すぐじゃなくていいから.....ずっとずっと後でもいいから。
結果、好かれなくてもいいから.....。
せっかく、たまたま小さい頃からお芝居をさせて頂いて、今のご時世では出会えないであろう、良い意味でも悪い意味でも【ややこしい先輩達】と触れ合せて頂いたわけですから。
わたしなどが、杉浦先輩のことを語るのは、それこそおこがましいのですが.....数少ない、素敵な先輩だったわけです。
ただの、ファンです。
まっとうな、方でした。
ありがとう、ございました。