12月29日(火)
PM23:46-
やっぱり、ちょっとだけお酒をいただいちゃいました。
酔ったついでに、【殺める人々】の公演後記を...。
以前にも綴りましたが、稽古は正味2週間でした。
充分、です。
でも、小劇場出身の方々には少なかった様子。
ですが、あれだけ真面目でお芝居ができる方々ですから、充分なんです。
要は、その真面目が気になるんです。
で、わたしは稽古中もずっとお酒を頂いておりました。
はい、不真面目さんです。
でも、不真面目な真面目もあるんです。
真面目は、一歩間違えると自分向きになってしまいます。
真面目をいいことに、自分が満足する方向に走ってしまいかねない。
間違ったことでは、ないんです。
やるべきことは、ちゃんとやっているわけですから...。
ですが、不真面目もアリかなと...。
所詮、酔っ払いの演出家ですから。
で、公演中も不真面目になって頂こうとおもい、初日が明けた翌日、朝一番で今藤さんと美緒ちゃんを築地に呼び出しました。
はい、朝っぱらから寿司に熱燗です。
「話があるから」
とメールしたので、二人ともダメ出しかなとおもったらしいです。
でも、築地でダメ出しなんてあり得ません。
結局、二人とも大酔っ払いでした。
で、勢いがついたところで下北沢に移動してカラオケに行きました。
ようやく、村上さんからメールがきたので、
「下北沢のカラオケ館で小直ししますんで、急いで来て下さい」
と、メールしました。
村上さんは不審におもいながらも駆けつけると、今藤さんが熱唱しておりました。
「あ、あの、小直しは?」
わたしは、
「飲み物は?」
と、尋ねると、
「あ、じゃあ、烏龍茶で」
と言うので、ビールを頼んであげました。
乾杯をすると、強制的に村上さんに唄って頂き、ほどなくカラオケ館での小直しは終了しました。
夜公演のみとはいえ、朝から築地にカラオケ館の梯子はあり得ないでしょう。
その晩、公演終了後に、劇場内でダメ出しをしました。
若手3人にダメ出しするつもりが、爺婆3人にダメ出ししていました。
みんなで、またまた飲みに行きました。
わたしは、爺婆にカラみました。
けっこう、そこそこ、ムッとしていました。
同席していた出演していない、わざわざ観に来てくれた役者にわたしは急にキレました。
村上さんは、とても穏やかで、真面目で、怒ることは滅多にない方です。
わたしは稽古の頃から、ジクジクと、
「あんた、なんで怒んないの?」
と、虐めていました。
すると、突然村上さんが怒りだしました。
ところが、わたしではなく永島君の胸倉を掴みました。
永島君は、口を切りました。
で、送れて村上さんはわたしに文句もどきを言いました。
速効でわたしが切り返すと、村上さんも速効で、
「すみませんでした」
と、謝りました。
もう、滅茶苦茶です。
でも、滅茶苦茶ってダメなのかなっておもうのです。
だって、みんな大人だから、滅茶苦茶になりそうになっても、どっかでまとめる能力持ってるわけだから、だったら、ちょっとぐらいハメ外したって、酒が入ったって、お客様に失礼にならない芝居をすることは可能なわけで、逆に、ちょっとぐらいやましいことしちゃったから、必要以上に緊張して、意外なところからほんとうの人間味が出たりするもので、それがなによりというか、やっぱり舞台は、生モノはそれが一番なわけで...。
まぁ、やり方としてはまったくもって正しいとは言い切れないのですが、わたしがこれまで御世話になった記憶に残る監督さんは、ここらへんの加減がとても巧かったわけで...。
ですから、美緒ちゃんが稽古終盤に咽喉を痛めた時も、
「病院に行きます」
と言うので、
「行かなくていい」
と、言い。
なんとなく、まだもつなという読みはあったのですが、実際はとてもとても不安で...。
しかし、その時の彼女には、咽喉がどうのこうのより、いっそ潰してしまうぐらいの勇気が欲しかったわけで...。
結果的には、賛否はあるでしょうが、彼女の声は日に日によくなっていったとわたしはおもっておりまして...。
声うんぬんより、腹の底からの想いとでも言いましょうか。
まぁ、とにかく酒&トーク、酒&トーク、酒&トーク、酒&トーク...公演中も芝居中も酒にまみれ、語り合った【殺める人々】だったわけでございます。
わたしがしたことといえば、まとまりそうな時に歪(ひずみ)を生む役目といいますか、それだけです。
だからこそ、そんなドSなわたしに付き合ってくれた、やり通してくれた出演者の方々に感謝と言いますか。
成功したのは、出演者&お客様のおかげなのです。
とりとめのない文章になってしまいましたが、誤解を生みかねないと承知しつつ...【殺める人々】の公演後記でございます。