先日ウォーキング中に、

就労支援セミナーで時々一緒になる

50過ぎの男性とバッタリ会って立ち話になった。

 

彼は発達特性があるのか口は回るが定職に就けず、

短期の仕事を見つけては時々働いているということだった。

 

生活福祉課で生活保護の相談をしたこともあるそうだが、

「生活保護を受給すると生命保険を解約しなくてはならない」

と言われたことが引っかかってしまい申請できなかったという。

こういう些細なことに引っ掛かるというのは発達特性のある人の特徴だ。

助けてやるつもりがあるのなら、

生命保険を解約することになっても生活の保障はされるということを

かみ砕いて説明すべきではないのか。

 

地域福祉課の就労支援セミナーの担当者も

去年くらいまでは相談に乗ってくれていたらしいのだが、

今年になって態度が冷たくなったとかで、

「生活保護の申請をこちらでリードすることはできない」

と断られたのだという。

 

件の男性、基本料金が高いからとプロパンガスも停止しているし、

家賃は1年近く滞納していて、

そろそろアパートを追い出されるんじゃないかと心配していた。

 

こんな状態になっている人が窓口に相談に行っているというのに、

手をこまねいているというのは行政の怠慢ではないのか?

 

福祉に携わっている人間なら、

件の男性が何某かの発達特性を持っていて

就労に困難があるということぐらい分かりそうなものだが。

そういう雰囲気を察知しても、

敢えて知らないふりをしていることを不作為というのだ。

 

各地の自治体で生活保護の申請を受け付けない

水際作戦が横行していると聞くが、

家賃補助などの少しのサポートを受ければ

自力での生活ができる人間を見捨てることは、

彼らの生きる力そのものを奪ってしまうように思えてならない。