良質なミツロウ・はちみつの選び方とは? | 植物セルフケアのご案内

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欧州のエビデンスあるフィトテラピー、漢方、日本の民間療法などを統合し、日々楽しく取り入れられるケア法をご紹介。乳児湿疹やスキンケアについても取り上げます。

 

 

 

オーガニックコスメの良質な原料を探し求めている今、全ての原料において、右に行っても、左に行っても、最終的に「農」の問題にぶち当たります。 今日はミツロウについて。

 

ミツロウとは?

 

ミツロウ   

 

ミツロウとは、みつばちが花の蜜を吸って巣に貯蔵する際、蜜がこぼれ落ちないよう蜂の腹から分泌されるロウのこと。成分として約70パーセントがワックスエステルで、その他は炭化水素やアルコールなども含まれます。

 

 分泌されたばかりのミツロウは白色だそうですが、時間が経つにつれ、花粉や排泄物などがつき、黄色に変わっていくそう。 コスメではバームを作る際によく使われます。(ちなみに、市販の一般的なコスメでは石油由来のパラフィンが使われます。)

 

良質なミツロウとは?

良質なミツロウとは何かを考えていくと、下記2つの条件は、マストだと思います。 

 

(1)蜂の吸う花蜜、および巣箱の置かれる環境が汚染されていないこと 

 

→蜂が飛んで花蜜を集める距離はだいたい2〜3キロメートル。この範囲に農薬やPM2.5などがあると、私たちの肌にそれをぬりつけることになってしまいます。 

 

(2)殺虫剤が巣箱に置かれていないこと

 

→ニュージーランド、オーストラリア、ロシアなどを除き、蜜蜂にはダニが寄生しているため、殺虫剤を設置されているところが大変多く、はちみつから薬剤が検出されています。はちみつもミツロウも蜂のお腹から分泌されるので、きちんとしたものを選ばないと殺虫剤を肌にぬりつけるリスクが発生するのです。

 

   

はちみつ   

 

ちなみに、はちみつの場合はこの2点に加え、

 

(3)加熱されていないか? 

(4)プラステックに入れられていないか? 

(5)ブドウ糖果糖液などの人工甘味料が添加されていないか?

 

もチェックポイントになります。

 

 加熱されたはちみつは非加熱のものよりも酵母菌が抑えられるため、長期で保存でき見た目もよくなりますが、香りや栄養素、効能が低下します。 

 

プラステックに入っているはちみつは環境ホルモンを体内に取り込むリスク、果糖ブドウ糖液糖はとうもろこし(遺伝子組み替え)から合成されますが、肥満やガン、高脂血症などが指摘されています。 

 

ミツロウのことを考えた矢先、おととい、「新型コロナで人気沸騰の高級蜂蜜から発がん性疑惑農薬」なんてニュースが入ってきました。。。タイムリーだ。 世界で最も使用の多く、WHOが発ガン性を指摘している除草剤「グリホサート」の残留。

 

 

     

 

日本でもバンバン使用されているので、たとえ養蜂家が気をつけていたとしても、近くで農薬が使用されていればいとも簡単に残留してしまう。。。 

 

土に根付いていない「都会にすむ我々」を生かすため、安定的に・見た目よく・安価な食料を供給するため、農家を生業としている方々は農薬をまく。そのしっぺ返しのひとつの現れがみつばちであり、はちみつ。そしてもちろん、ミツロウに及びます。

 

ミツロウか?キャンデリラロウか?

 

ミツロウ 

 

先述した条件2つを満たすミツロウを探そうとする場合、国産であれば有機JAS認証からはちみつやミツロウは外れているので(畜産扱いになる)、生産者の考えや価値観が信頼できるところから、海外であれば有機認証を得られているところからということになります。 

 

安定供給の面を考えると、有機JAS認証のミツロウが安心。でも高い!そして生産現場とか養蜂家の皆さんの顔が見えない。 

 

国産は有機認証はとれていないにしても、同じグレードで頑張っているところはある。でも、供給量が安定しない。あとはダニ退治から逃れられない問題(=殺虫剤の問題)がある。 

 

もしくはミツロウの使用をやめ、植物性ワックスを使用するという手もある。ミツロウの代替で使われるのは、ミツロウより少し融点が高いキャンデリラロウ。 

 

ただミツロウの方がクリームっぽい仕上がりになるので、ミツロウの方がよいテクスチャーになるように思う。ただ、キャンデリラロウでも処方の変更で対処できる範囲のような気もする。 

 

ロウ選びはまだまだ続きます。