堀の中の蛙 -2ページ目

堀の中の蛙

うつしよの
けしきはみずの写したる
ひかりとかげに
形はなくて

~前回までのあらすじ~
次の日にはなおった気がする。なんだったんだ…



長吉の家臣歴は、洒落にならん年数になってきたのだが
「自分のカメラ」を持ったのはまだ四年前の話。
(その前もカメラを振り回しながら武活をしていたのだが、その話はまた後々にしたい)

そんな相棒が

Canon EOSM3……


レンズはセットで売られていた、標準と望遠の二種類。(EF-M15-45とEF-M55-200)

雨に打たれても泥にまみれても雑な使い方をしても、文句を言わずに撮ってくれたいた。


武将様が居る景色の切り取りかたを教えてくれたカメラだった……



んがしかし、

最近ちょっと不満が出てきてしまった。


ひとつは、「今!」というタイミングとシャッターが降りる時間がずれてきた感覚があること。

ふたつめに、「ファインダーが無いこと」…ってさっさと買えば良かったんですけどね電子ファインダー……
ファインダーが欲しいな~から、必要だな~に変わった頃には回りでは売っていなかったという体たらく。
中古で見つけてもなかなか手が出せないまま、
見にゃあがこんなんだろ!!!!!!!!と言って撮っている。
演武だとちょっとつらい。



おおよそ、「シャッターを押したら写っていればいい」という感覚から
「こういうのが撮りたい」という欲が出てきて
カメラがそれに合わなくなってきた…

という事かもしれない。

あの雨の日の「上手く撮れない!」という感覚は
わたしが言語化できない感覚のズレが、表面化しただけかもしれない…



武活を「話す」「描く」「撮る」の三軸で回しているわたしにとって
そのひとつが上手く回らないことは
まぁ面白く感じない訳で。



幸いにも、ここのところちゃんと仕事を続ける事ができているわたしには
「おにゅーなカメラを買う」という選択肢が
燦然と輝いていた。
気がついたら、世界が変わっていた。

名古屋城が長期閉城になり、
お殿様の画面越の出陣を毎日眺め、
名古屋城検定が今年もあるのか分からない。


まぁしょうがないんすけどね。

でもわたしは、悲しかった。
悲しみの余りめっちゃ仕事をしていた。
腰が💥するくらいに、仕事をした。
そして昇給した。
うれしくなくはなかったが
どうしていいのか分からなかった。


そうこうしているうちに、名古屋城が開いて
武将隊の出陣が再開した。
ひゃっほう。

わたしは、数ヵ月ぶりにカメラをひっつかんで
数ヵ月ぶりに定時退社をして
名古屋城に急いだ。

わーいわーいここが俺のホームだ!!!!!!!!




その日は雨が降っていた。
武将様は雨のなか散策をしていた。
眺めが素晴らしかった。
いつもの風景が戻ってきた様に思った。

社会的にも十分過ぎるくらいの距離から、カメラを向ける。

………おや…?
おやおや……………………?

踊舞さんにピントが合わない…

そう、何度も試しても、設定をわかる範囲で変えても
陣笠隊のふぉとじぇにっく足軽踊舞さんにだけ
ピントが合わない…
いや、合わせても、シャッターが切れない…???????????????

緊急事態だった。

〜前回までのあらすじ~
わりと体力だけはある




あれに見えるは…

名古屋市公会堂……

ロックの殿堂ともかつて呼ばれ、なんだったら同人即売会なんかもやっていた…と聞いている…

そんな場所に長吉は
試験を受けに来た。




いやまて
早く来すぎた

功を焦るとたいへんなことになるって武将様がいつも教えてくれるじゃないか!
長篠の戦いの主君を見なさい!
…馬防柵越える主君でした!!!!!!!!

すばらしい勢い!!!!!!!!!!!!!!

などと、てへぺろしてても時間の無駄なので
苦手な町割りと歴代藩主の復習を始める。いやぁ、生まれてこのかたヤマなんて当たった試しがないんですが。

 

廊下でもりもり文字を書いていると、どやどやと人の移動が始まった。初級と同じ時刻に試験が始まる上級受験者が移動してきたのだ。

おっといけねぇ、長吉も受付を済ませねば…

 

受付前には利家様と太助さんがいた。なぜかおろおろし始める長吉!

おろおろしている間も眺めてみれば、忍者隊からも検定を受ける半蔵様と三平さんもいて、受験者に対してがんばるんじゃ!とお声をかけている。

素晴らしい光景に心を落ち着かせ、自分のちょろさも再確認しつつ

長吉は自分の受験番号の席へと急いだ。

 

 

 

 

 

 

……開始数十分…………………………………

 

意外と早く…

 

解き終えてしまった…

 

逆に焦る長吉……

 

でも学生の時のように問題用紙に落書きをする余裕もなく。

 

「なぜ、そういう答えであるのか」を記入し始めたりする。

上級試験はこうなのかなぁ。

受けるかどうかはわからないけれど。

 

いやしかし…

ひまだ…

試験開始からある程度時間が経てば席を立つことも許されていたが、見返しても見返してもなにかしら間違えている気がしてならないし、わたしの視界には入らないがこの部屋に主君たる利家様がいたら逃亡兵になってしまう。逐電は打ち首だって、一年くらい前に利家様の歴史座談で言っていたし…(だからといってそれは理由にならないぞ長吉!)

 

 

 

長い長い、試験時間が終わる

 

わからない問題がふたつあったが、前日に同じく初級を受験をするひとと話した内容だった。もう一つは家康様の「schoo」で言っていた内容だった気もして、不穏な確信を持ちつつ

あとはかつて人生を左右する試験の時にやらかした「回答するところ一個ずつ間違えた事件」をやっていなければ

 

まぁまぁまぁ

だいじょうぶ…

 

 

 

 

そういえばお殿様たちはどこにいるんだろう?前の方の席だったで見てないな

とおもったらうしろにいた。

 

着物でたすき掛けをしている主君。

 

 

やるき!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

長吉のこころが最後に爆発してしまった。

 

 

 

 

 

正気になれよと言い聞かせながらそそくさと退室する長吉の後ろで、武将隊と忍者隊の方々が他の受験者に労いのお言葉をかけているのを感じつつ。長吉のほぼ一ヶ月のいくさが終わった。

 

 

 

久々に感じた「お腹が空いた」という感覚に達成感がなんとなくあった。

たこやきがうめぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを書いている今も、まだ試験の結果がきていないが

ここで学んだことで、見えるようになったものは少なくない。

また、「勉学」というものの面白さがやっとわかった気がする。

 

これは主君から賜った大事なもので

武将隊からいただいたかけがえのない経験だ。

 

 

 

 

それでは

長吉の長い話はここでいったん終わる