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シャルル七世とオケゲムの話、シリーズ化しそう
前々回(シャルル七世のために書かれたレクイエム)では
『Missa pro defunctis』を
前回(ヨハネス・オケゲム頭おかしい(褒めてる))では
『Deo gratias a 36』を紹介しました。
なお、前回分ではシャルル七世とリッシュモンの小話つき。
オケゲムがシャルル七世の宮廷に来たのは
英仏百年戦争が終結する2年前だから、
リッシュモンもデュノワも健在です。
主要キャラクターは40〜50代だから
みんなナイスミドルになってる(はず)
ヨハネス・オケゲムのミサ曲を集めたチギ写本。シャルル七世のために作られたレクイエムの楽譜も入ってるんですが…
— しんの(C.Clarté) (@shinno3) December 5, 2023
めっちゃ美しいけど全然読めない😂 pic.twitter.com/z2ziQW6TeJ
バチカンに、オケゲムの作品を集めた
チギ写本という貴重な資料があり、
シャルル七世のために作られた
レクイエムの楽譜も含まれているのですが
以下の通り、非常に美しい逸品ですが全然読めません
しかし、ご安心ください。
電子化された当時の楽譜と訳譜があり、
難なくダウンロードできたので、
見比べながらわくわくしているところです
下記は、当時の楽譜(定量記譜法というらしい)を電子化したもの。
オケゲムのレクイエム、第五章の冒頭部分です。
おお、わかるぞ…? いや、わからん!!
なんだこれ、見覚えある五線譜と音符かと思ったのに
よく見ると違うじゃないですか。読めそうで読めない。
その違和感がクセになりそう
シャルルさんは読めるらしいので教えてもらわないと…
4声の合唱といえば、上から
ソプラノ、アルト、テノール、バスと習いましたが
15世紀当時はスーペリオ、テノール、コントラ、バッススらしい
ちなみに、別の楽章では、テノールとコントラの位置が逆だったから
高音〜低音という区分も違うかもしれない
オケゲムのレクイエム「第一楽章・入祭唱(Introitus)」楽譜(訳譜)つき音源
▼ラテン語歌詞
Requiem æternam dona eis, Domine, et lux perpetua luceat eis.
Te decet hymnus, Deus, in Sion, et tibi reddetur votum in Jerusalem.
Exaudi orationem meam, ad te omnis caro veniet.
Requiem æternam dona eis, Domine, et lux perpetua luceat eis.
▼訳文
主よ、永遠の安息を彼らに与え、絶えざる光でお照らしください。
神よ、シオンではあなたに賛歌が捧げられ、エルサレムでは誓いが果たされます。
私の祈りをお聞き届けください、すべての肉体はあなたの元に返ることでしょう。
主よ、永遠の安息を彼らに与え、絶えざる光でお照らしください。
シャルルさんの葬儀で
実際に歌われたと考えると感慨深い。
第二楽章以降は、機会があればまた。
▼「7番目のシャルル」本編
\ここから下は自著の紹介/
自著など
📕最新作:アレクサンドル・デュマの未邦訳戯曲『シャルル七世とその重臣たち』
全五幕の歴史・悲劇を翻訳。現在、カクヨムで公開中。
📕新刊:十九世紀の異端科学者はかく語る: ダーウィンの愛弟子ラボックの思想と哲学
ジョン・ラボックのエッセイ『The Pleasures of Life』第一部を書籍化。
訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。
📕既刊:神がかりのジャンヌ・ダルクと悪魔憑きのトリスタン・ル・ルー
2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念に書籍を出版。
デュマ・フィスの未邦訳小説を翻訳しました。