道臣命(みちのおみのみこと)という武将が3000年前の神武天皇の時代に存在していた.道臣命は神武天皇の参謀総長的役割の武将であった.そして,神武東征を成し遂げた後は宰相として神武天皇を長年支えた.道臣命の死後,神武天皇の時代から実に約3000年が経過した後に,彼はある日本人に霊界から働きかけて真の歴史を伝えた.荒深道斉なるその人物は自動書記で以て道臣命からの物語を記した.それが神武太平記として伝えられた神の物語である.
私はこの神武太平記を入手して一通り読んでみたところ,将に真実が書かれているという印象を持った.そして,日本書紀や古事記に書かれている事は一部は間違っているかもしれないと感じた.記紀の真実性については以前御神示でも話題になっている.
「此の天孫降臨を伝えし記紀神話の語る処,凡そ正しきなるも,正しからざる処も有り.」
私は本ブログでサイ科学や波動の法則,そして,宇宙学教室の言説を基盤として種々の事柄の信憑性を論じようとしている.この神武太平記の内容の奥深さと,そこに記された多くのサイ科学的現象から私が独自に判断したところ,道臣命は確実に霊界から荒深氏を通じて我々日本人に語り掛けたに違いないと信じている.その道臣命の数十代後に薩摩で伊集院家や窪田氏に繋がるような末裔がやはり岩屋梓梁を支える武将として活躍しているのである.その系図を次に示す.
図 肝付系大伴氏系図
高皇産霊神から始まるこの系図にはその4代後に道臣命(3000年以上前)がいて,道臣命の6代後には日本武尊東征将軍建日命(吉備武彦)がおり,最後には肝付兼重(1340年頃)となっている.
肝付姓は鹿児島県にはかなり多い.窪田氏の著書には様々な系図が記されているが,この系図からは数千年に及ぶ長い歴史の生々しさがあり,凄くリアリティが感じられる.そして,岩屋梓梁の側で側近として仕え社司であった我が先祖も,或いは,道臣命との血の繋がりがあったかも知れない.私は何かこのことから運命的なものを感じるのである.
では,道臣命が霊能力者荒深道斉に伝えたという神武太平記のあらすじを次に述べる.
この本の内容には,「現代社会では信じられない自動書記による神武天皇の史実書.筆者の手が自分の意思に関わりなく自然に動いて書く『自動書記』による神武天皇の史実書.鎮魂の修練,水禊祓い,座禅,雄叫びを一日として欠かさず,修行によって得られた荒深道斉の書を口訳.(Amazon)」とある.自動書記と言えば私がこのブログで度々記している御神示である.御神示は取次の神から故城戸縁信氏に向けて通信されたものであるが,縁信氏は自動書記によって逐一記録をとって残していかれたのである.
また,道ひらき学術会ではこの原本について次のような書評を掲載してある.http://michihiraki.jp/?page_id=209
荒深道斉先生の自動書記による筆録のもので原名は「道之臣命在世記」である.古事記に漏れた所も詳しくあり歴史書として,皇室の真の姿を記述した世界に類を見ない史実の伝えである.この書の序文を日立道根彦先生が記されていますので引用してみましょう.
『本書は、3,000年前の神武天皇に総理大臣兼参謀総長としてお仕えした道臣之命が日本神道界における不世出の大聖人とされる故荒深道斉先生に神依りされて,先生に筆録(自動書記)なさしめ給へた神武太平記であります.
従ってこの神武太平記により現在に伝はる誤りだらけの神武天皇記を大訂正し,併せて本書は皇室の尊厳の真理真実を日本人に確認せしむると共に,皇道による政治の真義と,国民生活の真意義を知る羅針盤たるのみならず,われわれ人間の生前死後の霊界までに及ぶ永遠生命に関する真相を知らしめて一死を以って万事終わりとする,はかなき人生観より,限りなく希望ある人生観へと一変せしめる史上空前の大道典であります.』とあります.
世の混乱の原因は国民が天津大法の道を知らないが故であり,従って鎮定の本義は一に安国の大法(天津大法)にあります.真道を知らないものに対し側近の道之臣命が徹底的に神之道を説いています.侵略や搾取,反乱者に対していきなり賊敵を撃つのではなく,所属するその国民や統治者に天津大法の道を説き,その誤れる根本を正し,仮令賊敵支配地であっても多くの国民を守る為に農業なら収穫を待ち,産業の育成を指導し,首領に改悛の機会を与え,殺戮を回避する手段を選択しています.皇軍の戦争のあり方は戦いでなく,生き栄えさせるとの生榮(いくさ)であるとしているところにあります.日立道根彦先生の述べた『皇道による政治の本義』であり,短い紹介文ですが「本書」を読むことにより,全てなるほどと知ることが出来ます.(後略)
このように,神武太平記には神武天皇の東征の様子とその後の統治の困難さが詳しく述べられている.3000年前の日本や世界が如何なるものであったかが伺える大変貴重な書物である.読んで見て分かることは,日本というのは現在の日本列島のみでなく,中国大陸・フィリピンなどの南部諸島,又は遠くアメリカ大陸をも含む実に広大な領域に亘っていたということである.世界の中心が正に神武天皇が治める豊葦原瑞穂国「大和」であったのである.このことを現在に生きる我々がしっかりと認識し,地球世界に大和の精神を取り戻さねばならんのである.何れ神武天皇本人からの通信もここに記す.
文献
1) 荒深 道斉:神武太平記 上中下,道ひらき,(1971).
2) 荒深 道斉・米林 悦子:神武太平記 道臣命在世記,星雲社 創栄出版,(2004).
3) 窪田 志一:岩屋天狗と千年王国 上,岩屋梓梁顕彰会,pp.209-210,(1987).