現在の地球地上文明世界では第2次世界大戦の戦勝国がこの数十年間実質的には支配して来た.国際連合の主要5か国「米国・ロシア・フランス・英国・中国」が実権を握り,世界の民を蹂躙して来たのが戦後数十年の人類の歴史であった.しかし,ここ十数年はロシアと中国が独自の路線を構築してBRICs諸国という新たな理想的な社会の実現を目指して主導している.明らかに古い体質の寡頭独裁政治の欧米との対立軸が樹立されつつあり,アメリカや欧州・日本などは取り残された落ちぶれた2流国家になり下がりつつある.
扨て,昭和の時代の御神示では戦勝国の鬼畜米英支配下の社会の在り方に対して大変厳しい御指摘をしていらっしゃる.今回はその内容について読んで学んでみよう.
御神示No.22 「勝者の理論は天が裁く」 取次の神より
過般に述べし如く,今日の地球社会にては善悪・真偽の程未だ混沌として定まらざるに,勝者の理論にて弱者を裁く愚を続け来たるなり.過去数千年間に於ける地球の歴史は,汝等地球人類自らが知る如く,戦争と共に興廃の繰り返せし歴史なりしなり.是,甚だ低級にして汝等地球全人類自らの反省の資料と為さざるべからざるなり.
然るに地球人は,斯く誤りたる史実は歴史的発展過程に於ける必然性として受け止め,戦争,頽廃の真の原因を追窮せんとは為さざるなり.亦,戦争と各種の闘争とは別種のものの如く信じ,戦争は宜しからざるも,闘争は生存競争上止むなきものと信ずるなり.なれど是,甚だ愚なる思考にして,互いに相手を尊重せざる愛なき行為なり.今日,自由主義先進諸国に於て,其の教育に”自己主張”を正しきものの如く教えつつ有るも,是,大いなる誤りなり.自己主張は我欲の集約にして争いの根本なり.
更に地球列国は夫々の国が刑法を制定為し,是にて恰も其の国の秩序を守り得るかの如く装いたるも,現実は内乱乃至各種犯罪の尽くる事無し.此の刑法と申すは,事の結果耳を裁かんと為す盲目的制裁にして,犯罪の起る原因を除去せんとは為さざる低劣なる制裁制度なり.
地球社会に於ける犯罪は様々なる場合有れども,社会の諸悪自体に犯罪の動機を誘発せん素地を有するなり.社会の諸悪は其の社会に住む一人一人の人間の我欲に発端し,其の我欲の集積の噴出せん処が犯罪の生ぜん処なり.
畢竟地球人類は,人間の「真の正しさ」を解明,理解為す能力なく,”勝者の理論”や狡猾*1なる知恵者に媚び*1諂い*2たる道徳や学問や宗教や科学を齎らし,闘争,制裁を必然化為し,全人類自ら不調和と破滅の方向に追い墜ちんと為すなり.(続く)
*1 こうかつ
*2 こび
*3 へつらい
<解説> (Shinmoedake2011による)
・以前述べたように,現在の地球社会においては善悪・真偽のほどが未だ混沌として定まらない.
・しかし,勝者の理論によって弱者を裁くという愚行を未だに続けている.
・過去数千年間における地球の歴史は,我々地球人類自らが学校教育で習って知っているように,戦争と共に興廃の繰り返された歴史であった.
・この「興廃」には最も直近ではタルタリア帝国の興隆と破滅が含まれているのだろう.それについては以前話題にした.
・この興廃の歴史は甚だ低級であって,我々地球全人類が自らの反省の資料とせねばならないのである.
・しかし,地球人はこの誤り多き史実は歴史的発展過程における必然性であるとして受け止めてしまい,戦争や頽廃の真の原因を追窮しようと努力をしていないではないか.
・また,戦争と各種の闘争とは別種のもののように信じ,戦争は宜しくないが,闘争は生存競争上止むを得ないものとして信じてしまっている.
・しかしながら,これは甚だ愚劣な思考であって,互いに相手を尊重しない愛の欠落した行為である.
・現在,自由主義先進諸国においてその教育に「自己主張」を正しきもののように教えているが,これは大きな誤りである.
・自己主張は我欲の集約に繋がり,争いの根本である.
・更に,地球列国は夫々の国が刑法を制定し,これによって恰もその国の秩序を守ることが出来るかのように装ってはいるが,現実は内乱や各種犯罪の尽きる事が無いではないか.
・この刑法と言うのは,事の結果だけを裁こうとする盲目的制裁であって,犯罪の起こる原因を除去しようと努力しない低劣な制裁制度である.
・地球社会における犯罪は様々な場合が有るけれども,社会の諸悪自体が犯罪の動機を誘発しようという素地を有しているのである.
・社会の諸悪はその社会に住む一人一人の人間の我欲に発端し,その我欲の集積の噴出する処が将に犯罪の生ずる処なのである.
・結果として,地球人類は人間の「真の正しさ」を解明したり,理解する能力がないのにもかかわらず,”勝者の理論”や狡猾な知恵者にペコペコと頭を垂れて媚び諂って生活している.
・そして,歪な道徳や学問や宗教や科学を齎らし,闘争や制裁を必然として認識し,全人類が自分から不調和と破滅の方向に追い立てられ崖から谷底に墜ちようとしている.実に哀れである.
昨今のTwitter他ネット上で盛り上がっている独立系の歴史研究家達はタルタリア帝国などの前文明を如何にも美化するような風潮で論理を展開している.しかし,この御神示にある様にこの数千年間の人類の歴史は仮令興隆があったとしても幾度も破滅しているのであって,そこにはその時代に生きていた人類の心の在り方に問題があったのである.であるから,現代を生きる我々は歴史から学び深く反省せねばならないのである.
引用=城戸 縁信:勝者の理論は天が裁く,宇宙の理,ザ・コスモロジー,No.100,(1981).