このワクチン騒ぎの直前まで我が国では人生100年の時代を迎えようとしていた.元気に長生きして100歳で大往生というのが大方の人々の憧れだろう.しかし,「霊魂」という名の生命体はたった100年で終了するものではないことは,これまでの御神示で度々説明されて来た.例えば,御神示「大宇宙の構成」には数百万年以上の進化を経て来ている魂の存在が詳しく述べられている.

 


 扨て,今回は「肉体に魂が宿って生きる」とは如何なるものかについて実に簡潔に分かりやすく説明された御神示である.早速,共に学んでみよう.

   肉体は魂の仮の宿  取次の神より

 此の広大無辺なる宇宙間には,今将に誕生せんものも有り,今将に老朽して果つるものも有り.何れも無限の彼方に向いて進展為す過程に於けるひと筋にして,そのものの本質的な変化には非ざるなり.地球人はその生命の誕生するを以て喜びと為し,その死を以て哀悼と為すが,死はまた別次元に誕生する門出の前夜祭なることを知らざるべからず.
 悉ゆるものは生成,発展,衰退を繰返しつつある如く見ゆるは,飽迄現れなりて,その本質に実質的変化なく無限の向上に資する為のエキスをその現れの経験より吸収して進展するものなり.
 地球人類は過去幾千年来の因襲*1に拘束されつつ,人間とは此の地上に生を受け,百年足らず生きて後死する儚き*肉体なりと観念為しつつ暮し在る者多きなり.なれど人間は単なる肉体には非ざるなり.人間はその肉体という家に住む居住者の如きなるを知るべきなり.その居住者は其の肉体に住みながら,外界との接触に依りて多くを学び採り,必要なる体験のエキスを吸収してその家より去り往くなり.
 また其の居住者は己の進展に応じて,構造の異なる新たなる居住を神より賦与されん.其の居住にて新たなる体験を為し,其の体験に依りてエキスを吸収し,更に進展に応じて次の新たなる居住に移らん.此の居住の変化為したるを死なりとせば,何ぞ死を悼むることあらんや.人間の死は唯,状態と場の変化に過ぎざる如くなり.其の死を悼むる悲哀の心の波動宜しからざるなり.悲哀の心は否定的想念なりて,創造性,積極性なる波動に悪影響を及ぼす波動なり.
 偖て,今日の地球人類は宇宙の法則を学ばんと為す者達尠く,唯々己が肉体耳を養わんと為し,其の社会の機構は肉体を養うことを目的として仕組まれ,政治,経済等に於ける凡ゆる*4間違いを犯せしも是に気付かざるなり.
 既述せし如く,人間の肉体は魂の仮の宿にして魂の進化の為の道具にても有るなり.此の道具は本体にあらざるが故に粗末にせよと申すに非ずして,肉体の内に宿る魂の進化が生かされ有る目的なりて,魂が主なりと申すなり,魂即ち心なり.此の根本を地球人類の多くの者達が知らざるが故に,短き人生のうちに,より自己満足をして暮らさんと為し,互いに地位名誉金銭を追い求めて乱れた社会を形成為し有るなり.是洵に愚行なり.
 地球人類の己が生かす為の働きが,回り回りて他を生かす為にはなり有るものの,他を生かす為に働きて己が生かされる事の道理を知らざるなり.地球社会の無理な働き,無駄な競争の原因は全て己が生かす為に働き有るが為の無理,無駄なり.優良星界の如く,他を生かす為に働く社会には無理,無駄は一切無きなり.此の何れの社会に住む者達が利口なるかを考えてみよ.此の両者の違いの中に有るもの様々有るが,此処にては,人間を百年足らず生きて死す肉体なりと観るか,魂の進化の為に生きる永遠の生命なりと観るかに拘る*5を申すなり.
  昭和61年3月15日未明  神 示 


*1 いんしゅう 意味:古くから伝わり,とかく弊害を生むしきたり
*2 はかなき
*3 すくなく
*4 あらゆる
*5 かかわる

<解説> (Shinmoedake2011による)
・この広大無辺の宇宙には今将に誕生しようとするものがあれば,また今将に老朽して死に至ろうとするものも有る.いずれも無限の彼方に向かって進展するプロセスにおける一コマであって,そのものの本質的な変化ではない.
・地球人はその生命が誕生したら喜びを表し,その死が来たら哀悼とするが,死はまた別次元に誕生する門出の前夜祭であることを知らねばならない.
・全てのものは生成,発展,衰退を繰返しつつあるように見えるのは単に表面に映る現れであって,その本質に実質的な変化はなく,無限の向上に資する為のエキスをその現れの経験から吸収して進展しているのである.
・地球人類は過去数千年間の慣習に拘って,人間とはこの地上に生を受け,百年足らず生きた後に死んでしまう儚い肉体であると勘違いして暮している者が実に多い.
・人間は単なる肉体ではない.人間はその肉体という家に住む居住者のようなものであることを知るべきである.
・その居住者はその肉体に住みながら,外界との接触に依って多くを学び採り,必要な体験のエキスを吸収した後に,その家から去って行く.
・また,その居住者は自分の進展に応じて,構造の異なる新たな居住を神から与えられるだろう.
・その居住でまた新たな体験をして,その体験に依ってエキスを吸収し,更に進展に応じてまた次の新たな居住に移って行く.
・この居住の変化して行くのを死であるすれば,どうして死を悼むことがあるか?いや,悼む必要はない.人間の死は唯,状態と場の変化に過ぎないのである.
・その死を悼む悲哀の心の波動は宜しくない.悲哀の心は否定的想念であって,創造性や積極性のようなポジティブな波動に悪い影響を及ぼす悪波動である.
・現在の地球人類は宇宙の法則を学ぼうとする者達は極端に少ない.
・唯々,人々が皆自分の肉体だけを養おうとしている所為で,この社会の機構は肉体を養うことを目的として仕組まれ,政治や経済等における全ての間違いを犯しているにも拘らず,これに多くの人々が気付いていない.
・既に述べたように,人間の肉体は魂の仮の宿であって魂の進化の為の道具でもある.
・この道具は本体ではないので粗末にせよと言っているのではない.
・肉体の内に宿る魂の進化が生かされるような目的があって,魂が主であると言っている.魂とは即ち心である
・この根本的原理を地球人類の多くの者達が知らない所為で,短い人生のうちに,より自己満足をして暮らそうとして,互いに地位名誉金銭を追い求めて乱れた社会を形成している.実に愚かな行いである.
・地球人類の場合,自分だけを生かす為の働きが,回り回って他人を生かす為にはなるかも知れないが,他を生かす為に働いて自分が生かされる事の道理を知らない.
・地球社会の無理な働き,無駄な競争の原因は全て自分だけを生かす為に働いている為の無理,無駄である.
・優良星界宇宙人のように,他を生かす為に働く社会には無理,無駄は一切無い.
・この何れの社会に住む者達が利口であるかを考えてみよう.
・この両者の違いの中には様々な要因があるが,ここでは人間を百年足らず生きて死ぬ肉体であると観るか,魂の進化の為に生きる永遠の生命であると観るかに依って大きく異なるということを述べているのである.
 
 地球文明のおかしな社会制度に「保険」というのがある.人間が怪我や病気をすれば保険金というお金を頂けるというものである.しかし,お金をもらえたら全てが解決するものではない.怪我や病気が何故起きたかを反省しない限り,本質的な解決にはならない.この保険制度は人間の肉体寿命が数十年でそれっきりであるという思想から来ているだろう.この他にもこの社会でおかしな無駄な制度は山ほどある.この人間社会の在り方に疑問を持たれている方々には,是非とも今回の御神示をしっかりと読み,社会構造の変革に尽力してほしいものである.間違っても唯物主義科学者にはこの御文を勧めない事である.霊魂の存在すら否定するような凝り固まった頭の愚者達に対してはもう手遅れである.

引用=城戸 縁信:肉体は魂の仮の宿,宇宙の理,ザ・コスモロジー,No.162,(1986).