故城戸縁信氏はこの御神示「超能力の開顕(四)」の最初に「はじめに」として次の一文を載せている.
 「前略.この御神示(四)は当時としては短い方であるが,非常に勉強になる多くのことを述べられている.特に超能力開顕の妨げになっているのは地球人類の『我欲の心』に起因すると仰せられている.瞑想も必要ではあろうが,この根本を先ず正すことが大切であると思われる次第です.」
 また,前回の内容に対して注釈が述べられている.

 


 「注 このことは記憶と潜在意識との問題としてだけではなく,何故転生毎に先の世の記憶が閉ざされるかの重大な回答になるものである.ここで,記憶を神霊の図らいによって潜在意識下に埋没されることの真偽については,近頃宇宙人によって地球人の円盤体験の記憶を抜かれた人が,催眠術によって記憶が再現されていることで,そのようなことの出来るものであることが納得される.死んで霊界へ往き,次にこの世に再生するまでの期間(数年から数百年)が,文献によってまちまちであったが,ここで明白にされた.が,これは標準であるかも知れない.この潜在意識と記憶との関係だけでも,神霊の大愛が判り,唯物思想が如何に間違ったものであるかがひしひしと感じられる訳である.」
 では,前回の続きを読んでみよう.

  御神示No.4「超能力の開顕(四)」取次の神より -続き-

 亦,汝等の日々の記憶の些細なる部分も殆ど潜在意識下に埋没為すは,同様に其の者の背後神霊の図らいも加わりて,表面意識的暮しに不必要な部分を削減し,表面意識の活動を円滑に進めんが為のものなり.是,其の者の必要なる体験上,多くの体験過程の必須部分耳表面意識に記憶を留めるべく神霊の図らいの加わりたるを知るべし.
 故に汝等が記憶と申す意識の働きは,原則的に其の者の背後神霊の調節如何に依りて大凡を決定づけらるるものにして,記憶の良否は即頭脳の良否とは無関係なり.但し是,其の者の正規の背後神霊は悉く善霊系なるが,其の者邪霊なる霊波に左右され,邪神・邪霊の支配下に措かれたる者は此の限りに非ざること申し措くなり.然れど是,善悪に拘りなく其の者の体験は記憶として表面意識に留めんか,或いは潜在意識に埋もれんかの違いは有れ,全て其の個性意識の中に記録され在るに変りなきなり.
 扨て,汝等地球人は永年の生活習慣にて,幾千年間に亘りて自ら”我と欲心”を満足せんと為す暮らしを続け来るなり.此の傾向特に文明の発達と共に強くなりたるも,是地球人類の表面意識及び潜在意識中に強力な記録として固着為し来たるなり.是,徹底して除去為すべく努力を致さざるべからず.此の長年の強力なる記憶として固着為したる”我欲の心”を追放為すに,現今の地球社会の在り方の中にては中々至難なるも,是,汝等人間の意志力にては可能なり.
 扨て此の人間の意志力なるが,是,先ず表面意識にて意志力行使の決意を為せば,其の決意と同時に,他の心の傾向を徐々に後退させ,更に其の決意を強力に持続為すに拠り,意志力行使の決意は徐々に潜在意識に浸透し,軈て其の個生命の信念とならん.記憶は精神的傾向及びその行動の傾向を支持するも,強力なる意志力は信念となりて精神的傾向を換え,更に其の個生命の運命の転換をも為すものなり.(続く)


<解説> (Shinmoedake2011による)
・我々の日々の記憶の細かい部分も殆ど潜在意識下に忘れてしまっているのは,同様にその人間の背後にいる守護神や守護霊の調整も加わって,表面意識的な暮らしに不必要な部分を減らし,表面意識の活動を円滑に進めようとする為のものである.
・このことはその人間にとって必要な体験上,多くの体験過程の必須部分だけを表面意識の記憶に留めるべく守護神や守護霊の調整が加えられていることを知らねばならない.
・我々が言う記憶という意識の働きは原則的にその人間の背後にいる守護神守護霊の調整がどうであるかによって大体が決定づけられている.即ち,記憶の良し悪しは頭脳の良い悪いとは無関係である.
・但し,これはその人間の正規の背後神霊が全て善霊系であればの話である.
・その人間が邪霊の霊波に左右され,邪神・邪霊の支配下にある場合はこの限りではない.即ち,邪神が憑りつくとその人間はおかしな飛んでもない振る舞いをすることになる.
・しかし,善悪に関わりなくその人間の体験は記憶として表面意識に留められるか,或いは潜在意識に埋もれるかの違いはあるが,全てその個性意識の中に記録されることに変りはない.
・我々地球人は永年の生活習慣で数千年に亘って自ら「我と欲心」を満足させようと暮しを続けて来ている.この傾向は特に文明の発達と共に強くなっているが,これは地球人類の表面意識及び潜在意識中に強力な記憶として固着して来た.
・これを徹底して除去すべく努力を致さねばならんのである.
・長年の強力な記憶として固着している「我欲の心」を追放するには現在の地球社会の在り方の中ではかなり困難であるが,これは我々人間の意志力で可能である.
・人間の意志力は先ず表面意識で意志力行使の決意をすれば,その決意と同時に他の心の傾向を徐々に後退させ,さらにその決意を強力に持続することにより意志力行使の決意は徐々に潜在意識に浸透して,やがてその個々の生命の信念となる.
・記憶は精神的傾向やその行動の傾向を支持するが,強力な意志力は信念となって精神的傾向を転換させ,さらにその個々の生命の運命の転換をも実現させるものである.

 俗に,「あの人は頭がいい」というふうに言う人が多い.この場合の頭とは往々にして記憶力のことである.しかし,上記御神示によると「記憶力」というものは背後にいる守護神と守護霊によって調整されているのであって,本人の能力とは関係ない.有名大学を出たエリートが「自分は頭がいい」というふうに自惚れて威張って生きており,この社会の指導的立場に居座っているが,その「頭」は本人の能力ではない.この点について脳科学の研究者がより深く探ってみなければならないのである.世の自称「天才」大学教授や名誉教授はこの御神示を何度も読み,長年抱いて来た自分のその自惚れ心を深く反省せよ.また,唯物科学に何十年も没頭してきた頑迷固陋なその頭脳は神霊星界から眺めると決して良いものではないということを深く理解しなければならない.

引用=城戸 縁信:超能力の開顕(四),宇宙の理,ザ・コスモロジー,No.122,(1983).