鈴木剛介(すずきごうすけ)
角川書店
1600円(税別)
ハードカバー

評価:——(評価不能)
分野:——(分類不能)

概要:こどもの頃に親をなくし遺産で暮らすJJ、男子たちの憧れのミズキ、そして思考することをとめられない勇介。そんな三人が思想結社Xを結成するところから物語は始まる。やがて成長した彼らはそれぞれの人生を歩むことになるが、勇介は放浪の旅の途中でアメリカ軍に入隊し、従軍したイラクで「真理」をみつけてしまう。

こんな人にオススメ:不明。とりとめもなく考えることが好きな人、哲学が好きな人、戯れ事遣いが好きな人……とか? 確定不能。
こんな人には不向きかも:不明

ミドコロ:①勇介の(作者の?)いうところの真理②三人の関係性③昔はだれもがもっていたかもしれない考え


感想が始まりますよ~
ちゃんと読書日記を読む前にを読みましたか?




感想:あやうい一本のロープのうえを歩いているかのような感覚。この小説を「爽やか」「青春エンタメ」なんて評した編集者だか、コピーライターだかの感性が私にはわからない。

小説家としては作者はまだ未熟な気がする。視点が何度かぶれた。そういうものは普段私は読み捨てるが、今回はそうしなかった。

技術は磨けばいい。


しかしながら私はこれほど評価のしがたい本に出会ったことがない。

教科書でよんだ南アメリカ文学の意味不明さとはちがう。外国の文学を読んで意味がわからないときというのは、バックグラウンドや前提としている常識が異なるからだ。

しかしこの本の作者は日本人だ。同じような社会のなかで生きているのだから、前提が根本的に異なるとは考えにくい。

なのに、わからない。大学教授が書いた哲学の本よりわからない。

いや、わかるのだけれど、チューニングの合っていないラジオのように、聞こえているけど脳に入ってきていないのだ。

分類不能。青春エンタメなどではない。そのとらえかたはあまりにも表面的過ぎる。この本をヤングアダルト向けに分類した人、お願いだからちゃんと読んでから並べてくれ。高校生でこんな本に出会ってしまったら、思考が止まらなくなって大変じゃないか。これは大人の楽しみだと思う。(私が大人か否かは別の議論だけれど)


もしどうしてもこの本が何者なのかを知りたいのだと言うならば読んでください。それしか今回、私に言えることはありません。


……勉強机の周辺に本を積むものではないですね(反省ガーン