西尾維新(にしおいしん)
講談社
950円(税別)

評価:★★★☆☆(私が高校生だったならたぶん五つ星にしていた)
分類:——(不能)

こんな人にオススメ:中高生、ラノベやキャラクターに耐性のある大人、オタク、ちょっと壊れ気味かもって自分に不安のある人、常識を壊して欲しい人、とにかく非現実的へ行きたい人。ただし携帯小説に拒絶反応を起こしている人でもこっちは大丈夫と思われる。

こんな人には不向きかも:キャラクター、ラノベ(ライトノベル)と聞いただけで拒絶反応を起こす人、純文学が好きな人。


概要:零崎人識の人間関係シリーズの最終刊、といいながらも実は四冊同時刊行の中の一冊。いーちゃんシリーズ(「クビキリサイクル」など)のサイドストーリー。零崎人識を接点としていーちゃんや周りの人たちを描いている話。維新さんにしては薄いので、さらりと読めます。

ミドコロ:①オフの哀川潤②佐々沙咲(ささ・ささき)がいーちゃんに会うところ③江本智恵(えもと・ともえ)がいーちゃんとなぜ話したかったかがわかる点

感想が始まりますよ~、読書日記を読む前にの注意書きを読みましたかー?




感想:いや~たまたま見かけたんですが、つい懐かしくてお持ちかえりしてきました。

なつかしい名前がいっぱいで、本を読み終わった瞬間から登場人物の名前を忘れる私にしては珍しく、意外に記憶に残っているじゃないかとうれしく思ったり。

……私事ですが、本を読めば読むほど記憶を喪失していってる気がいたします。まあいいのですが。

推理小説にたいする私の期待(「緊急推理解決院」の感想を参照)を、鼻で笑う登場人物たちに、ほうほうそりゃすまんなーと思いながら、心をガリガリと削られるのを楽しんでおりました。

維新さんの文章はかなり好き嫌いがわかれると思いますが、教科書などしか読んでない中高生にぜひ読んで欲しいなーと思います。心が柔らかいうちに、こんなやり方もありか! って驚いて欲しいです。

携帯小説なんかでもそうですが、大人が受け入れられるものって、案外少ないんですよね。中高生までに触れていたものに左右される気がします。私の場合だとラノベはいけるけど、携帯小説は無理、という感じです。

ほんの少しまえまでは、このままずっとマンガやアニメや、ラノベばっかり好きで、大人になれなかったらどうしようなんて考えていましたが、全然心配する必要はなかったようです。いつの間にか、だんだんと疎遠になってラノベからはほぼ卒業しました。

それは同時に、下の世代と感性がズレてきたということを意味していて寂しい気もするのですが、学校を卒業するのと同じで仕方のないことなのでしょうね。

読みながら、自分が年をとったことを感じてしまった一冊でした。


……だから早く机のそばから本を撤去せよ私。そして、就活セミナーで新聞や本を読めと言わないでおくれ。読んでいても一次面接で落とされるとしゃべりきれないではないか。
鈴木剛介(すずきごうすけ)
角川書店
1600円(税別)
ハードカバー

評価:——(評価不能)
分野:——(分類不能)

概要:こどもの頃に親をなくし遺産で暮らすJJ、男子たちの憧れのミズキ、そして思考することをとめられない勇介。そんな三人が思想結社Xを結成するところから物語は始まる。やがて成長した彼らはそれぞれの人生を歩むことになるが、勇介は放浪の旅の途中でアメリカ軍に入隊し、従軍したイラクで「真理」をみつけてしまう。

こんな人にオススメ:不明。とりとめもなく考えることが好きな人、哲学が好きな人、戯れ事遣いが好きな人……とか? 確定不能。
こんな人には不向きかも:不明

ミドコロ:①勇介の(作者の?)いうところの真理②三人の関係性③昔はだれもがもっていたかもしれない考え


感想が始まりますよ~
ちゃんと読書日記を読む前にを読みましたか?




感想:あやうい一本のロープのうえを歩いているかのような感覚。この小説を「爽やか」「青春エンタメ」なんて評した編集者だか、コピーライターだかの感性が私にはわからない。

小説家としては作者はまだ未熟な気がする。視点が何度かぶれた。そういうものは普段私は読み捨てるが、今回はそうしなかった。

技術は磨けばいい。


しかしながら私はこれほど評価のしがたい本に出会ったことがない。

教科書でよんだ南アメリカ文学の意味不明さとはちがう。外国の文学を読んで意味がわからないときというのは、バックグラウンドや前提としている常識が異なるからだ。

しかしこの本の作者は日本人だ。同じような社会のなかで生きているのだから、前提が根本的に異なるとは考えにくい。

なのに、わからない。大学教授が書いた哲学の本よりわからない。

いや、わかるのだけれど、チューニングの合っていないラジオのように、聞こえているけど脳に入ってきていないのだ。

分類不能。青春エンタメなどではない。そのとらえかたはあまりにも表面的過ぎる。この本をヤングアダルト向けに分類した人、お願いだからちゃんと読んでから並べてくれ。高校生でこんな本に出会ってしまったら、思考が止まらなくなって大変じゃないか。これは大人の楽しみだと思う。(私が大人か否かは別の議論だけれど)


もしどうしてもこの本が何者なのかを知りたいのだと言うならば読んでください。それしか今回、私に言えることはありません。


……勉強机の周辺に本を積むものではないですね(反省ガーン

このページにきてくださってありがとうございます。

読書日記のご説明をいたします。

ご面倒とは存じますが、おつきあいくださいませ。



読書日記は二つの目的で書かれています。



ひとつは本をお探し中の方、あるいは本をあまり読まないけれど、

なにか読んで見たいという方の手助けになること。


もうひとつは私の読書記録を残すこと。


ですので前半は、本をおすすめするスタイルで、話の概要や見所をあげています。

本をお探しの方はそこまでだけお読みください。


ただし、覚えている範囲で概要などを書いているので、漢字のまちがいや、記憶違いで人の名前がちがうなどの可能性があります。ご留意ください。


コピー&ペースト、引用はご遠慮ください。


著作権の問題には配慮しているつもりですが、なにぶん素人ですので、

もし専門家の方で「これはいけない」とご指摘いただけましたら訂正しますのでお知らせください。



後半(感想)からは私の正直な感想が書いてあります。

ネタばれがあるかないかなどは毎回冒頭で書くようにしますが、

うっかりネタばれしている可能性もあります。ご注意ください。


また、批判も不満も書いています。

読んでしまうとその本を読む気が失せてしまう危険があります。

私の批判が的はずれなこともあるでしょう。


ですので、感想まで読む際は十分に覚悟してから読んでくださいね。



「なら、載せるなよー」と言われてしまいそうですが、あえて書きます。

なぜならばアマゾンのコメントなどでは、あまり批判だらけのコメントは載らないという事実があるからです。

それはどうかなーと思うのでは、私は素直に書くことにしました。


どんな本にもいい面と悪い面の両方があると思うので、

たくさんある意見のひとつと思って、読んでいただければ幸いです。


感想、意見は歓迎しますが、荒らし、批判、暴言はお断りします。


長文をお読みいただき、ありがとうございました。

みなさまが素敵な本に出合えますようにw