お母さんは私の召使い

母娘関係改善カウンセラーの横山真香です。

 

2023年7月に起きた札幌ススキノ切断遺体事件。娘の犯罪に加担したのは両親というショッキングなニュースでした。

そして、今年6月、母親の初公判が始まり、「私は娘の奴隷だった」という趣旨の発言に、再び、注目が集まりました。

この発言に、驚いた人は大勢いると思います。しかしながら、私のカウンセリングのクライアントさんの中には、「私は娘の召使い」、「奴隷同然の扱いを娘から受けています」と話す人は複数、存在します。

 

今回はこちらのテーマを取り上げてみます。

 

・娘は女王様

 

外では、ものすごく気を使い、素直で大人しい、というのが娘に対する世間一般の評価。しかし、その分、かなりのストレスがたまるのか、帰宅すると別人のようになる。

 

「水! 着替え! Tシャツがない、探せ!」という言葉が飛んでくる。

 

モタモタしていると、さらに激しい口調で「何、ぐずぐずしてんだよっ」と追い打ちをかけてくる。母親なのに、娘に怒鳴られて頭はパニック状態。早く何とかしなくては、と焦るからさらに動きが遅くなる。

 

・父親は黙認か、無関心、または容認

 

どう見てもおかしな母娘関係なのに同じ屋根の下で暮らす父親は、見て見ぬふり。娘の大声にも、気づかないふり、聞こえないふり。無関心を装っているのか、本当に無関心な場合も。あるいは、娘に嫌われるのがいやで、叱れない、怒らない。このタイプの父親は、とにかく娘の機嫌を損ねたくないのである。

 

こうした父親の態度が、よけい、娘の「自分は女王様」という思い込みを強めてしまう。父親に甘やかされる。娘はさらに、母親を見下すようになる。

 

・娘の反抗期から立場が逆転

 

では、いつから、このようないびつな関係が始まったのか、という疑問が生じる。

きっかけは、というと、ご相談で寄せられるケースで共通しているのは、思春期の反抗期からというのが多い。

 

小学校高学年、中学生になった娘が反抗するようになる。「これが反抗期か、でもしばらくすれば収まる」と思っていると、高校に入ってもまだ続く。反抗というのは、つねに不満を言う、無視する、怒るといった態度で、最初は母親もそんな娘に対抗し、言い合いになるのだが、娘の怒りのエネルギーに対して、母親の方は年齢とともにだんだん疲れてくる。

 

娘は怒りを爆発させ、物を投げることもある。母親は娘の文句や暴力に対し、面倒くさい、言うことを聞いた方がいい、早くすませようという態度になる。そこで、娘は母親が自分の言うことをきくようになったと思い、言動をエスカレートさせるのである。

 

・母親を責め、反論ができないほどに追い詰める

 

母親クライアントの多くは、「娘は口が達者で、こちらを攻め込んでくる。反論もできなくなってしまう」と言う。しかも、そうして責められる時間が長くなり、時には深夜にまで及ぶようになると、母親の方は思考判断がにぶり、娘の方が正しくて、自分が悪いのだ、と思うようになることも。

 

追い打ちをかけるのがLINEである。毎日、大量のLINEが送られ、その内容は母親を軽蔑する、見下す、非難する、言葉の暴力である。

 

そして、LINEに対して、「すぐに答えろ」と言ってくる。しかし、母親の方は、娘が何をたずねているのかわからない。文章がダラダラ長いだけで、何を言っているのかわからない。つまり、返信のしようがないのである。

 

しかし、そこがまた娘の責める理由になってしまう。

「どうして、返信しないのか。無視しているのか」。「こちらの言っている事が理解できないのか。お前はばかか」。

 

そもそも、娘の方は質問などしていないのに、こちらの聞いていることに答えろ、と無理難題を言う。そして、母親が答えられないとバカ呼ばわりする。

 

 

・母親をマインドコントロール

 

こうして、母親の自尊感情をずたずたにして、自分は無力で何もできないと思い込ませるように仕向ける。ここに支配関係が作られてしまうのだ。

 

言葉の暴力だけではなく、時に、物を壊す、足を蹴る、突き飛ばすといった身体の暴力もあると、母親の方は恐怖からさらに、言うことを聞くようになり、つねに娘を怒らせないように気を遣う。

 

母親の判断力が低下しているため、こうした状況をおかしいと思わなくなってくる。娘のマインドコントロール下に置かれてしまうのだ。

 

・身体からのサインに、まず気づくこと

 

こうした状態は、明らかにおかしい。しかし、母親自身は事実と向き合おうとしない。なぜなら、娘が怖いし、そんな自分が恥ずかしくて、現実を認めたくないから。けれども、いくらそうやって、自分の心に蓋をしようと思っても、身体の方が悲鳴を上げる。

 

ストレスがマックスになった状態で、カウンセリングに来られるクライアントさんは、どこかしら、身体の不調を抱えている。そうやって、身体がサインを出してくれたら、それは一方でチャンスでもあるのだ。なぜなら、今の状況をおかしいと気づくきっかけになるから。

 

身体の不調で一番多いのは、どこかにつねに痛みがあること。また、集中力が続かない。食事の味がしない、眠れない、時にわけもなく、涙が出る。何をしても楽しくないし、物事に対して感じる力が低下している、と話す方も多い。

 

もし、この記事を読んで頂いて、自分のことが書かれているような気がする(気がする、でもいいのだ)のであれば、誰にもじゃまされない所で、もう一度、このブログを読み返して頂きたいと思う。

 

今の状態がさらに悪化すると、母親自身が心の病になりかねない。そうしたケースも実際に見てきたので(カウンセリングに来られたときは、すでにうつ病などの診断が出ている)。自分と娘の間には支配関係など、存在しない、と思いたい気持ちはよく理解できるけれど、ここは正直に、現実を見直してほしい。それが私の願いです。

 

今の現状、ご自分と娘の関係を、まずは話してみませんか。

 

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