1.岸の「係累」が、「自民党保守派」の母体
・岸の係累には実弟の佐藤栄作、娘婿の安倍晋太郎、孫の晋三が総理になるなど、まさに権力者一家だ。
・また政治家として愛弟子の福田赳夫の後見人として存在感を示し続けた。石川出身の森喜朗も、岸の恩義は生涯忘れられないと述べている。
2.安倍の思想バックボーン「日本会議」は時代遅れの「ナショナリスト」
・2年前に第二次安倍政権が成立したトキ、米の大手マスコミは「右翼集団」だと非難した。
・もともと日本の右翼とは戦前にあって、頭山満・大川周明・北一輝など大アジア主義に繋がるナショナリストとして思想的にも評価されたが、第二次世界大戦で「ナチズム=ナショナリズム」が敗北したことから、軍国主義とともに国際的に否定された。ところが、敗戦後に戦犯だった岸信介や笹川良一、正力松太郎などが米CIAによる「反共主義」のために利用され、そこから国際勝共連合が生まれ、今の日本会議設立となり、米国のNYタイムズなどは、現代日本最大の右翼組織と侮蔑している。
3.「日本会議」の主張は、「皇国国家制」の復活だ
・もともと、日本の保守派政治家には、思想がない。そこで現時点では「改憲」や「元号法制化」、「皇室行事を祝う運動」、「教育の正常化」や「歴史教科書の編纂」、「戦没者追悼行事やアジア共生の祭典の開催」、「自衛隊PKO活動への支援」、「伝統的国家理念に基づく新憲法の提唱」、「夫婦別姓反対」などの運動を進めてきた。これらは、敗戦前の皇室史観を「美しい国、誇りある国づくり」だと主張しているだけだ。国際的・思想的センスは皆無だ。これではヒトビトからの共感は得られない。でもこれが安倍の思想だ。参加する国会議員は現在、衆参両院の議員総数の約35%にあたる約250人が加入している。昨今の「一人支配自民党」にあっては「大臣の座が欲しい」議員にとって、「日本会議への参加」が条件になっており、ますます参加者が増えそうだ。この問題をマスコミが取り上げないことは不可解だ。
・実は今の右翼政治家は、米覇権主義帝国の傘の下にいて「大国のフリ」を誇示したい親米派であり、別に「民族主義、保守伝統主義」ではない。
①「改憲」のための危険な動き 安倍晋三総理は昨年12月26日の就任記者会見で、6年前の第1次安倍内閣の組閣で側近議員の重用で失敗し混乱を招いた反省を問われ、「今回は必ずしも私と完全に意見が一致する人ばかりではなく、幅広く安倍内閣に参加をしていただいた」と答えているが、基本的に9条改憲への布陣だ。
②教育への介入強まる懸念 「従軍慰安婦問題は認めない、日本の過去の侵略戦争の反省もしない」という日本会議の歴史観は、欧米から「極右」といわれて当然のものだ。最近、朝日新聞が「日本軍による従軍慰安婦問題に関しての元軍人の供実には問題があった」との訂正がされ、早速産経新聞や日本会議のメンバーは「従軍慰安婦の強制はなかった」と歴史上の事実を否定することにヤッキになっている。
③慰安婦問題への歴史認識問題・領土問題 高市早苗新総務相は、慰安婦動員の強制性を認めた「河野談話」の白紙化を公開的に主張した人物だ。山谷えり子拉致問題担当相は独島(竹島)を日本の領土だと主張する「日本の領土を守るため行動する議員連盟」の会長で、米国内の慰安婦像設置に抗議するため米国にまで行ったが、米国からは拒否された経緯がある。
④靖國を守る取組 靖国神社に代わる無宗教の「国立追悼施設」建設の動きがあるが、日本会議はモーレツに反対している。
⑤現在ヘイトスピーチとして国際的に批判されている在特会も同じ流れを汲む排外主義団体だ。この組織の資金源は、笹川良一の「日本船舶振興会(日本財団)」にあるが、最近の自民党議員の中には秘書として勝共連合の若手を採用することが多いようで、その秘書に自らの秘密を握られ、交代させられるケースも多い。自民党議員団が勝共連合に乗っ取らられる可能性がある。また、統一協会の活動員には警察および公安当局OBが多い。たとえば、統一協会の営利団体の中に多くの自動車教習所があるが、教習所には警察 OBが天下ることで有名だ。
4.「米大統領選」で「共和党が勝利」すると、復古主義が復活するキケンも
・昨今は国際勝共連合の活動もやや静かに見える。反共のアドバルーン効果が冷めている。でも実は、米共和党の資金支援団体であることから、当面は来週の大統領選をウラで支え、結果共和党勝利となれば、「米帝国のさらなる強化」、「日本の軍国主義化」がさらに増進されよう。今、米をコントロールしている白系ユダヤの敵国は「アラブ・イスラム」連合であって、その撃退のために「集団的自衛権」と称して日本軍の参加を強制しており、安倍はそれを望んでいる。
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